- 運営しているクリエイター
記事一覧
生きて会おう!について
その友人は高校の同級で、裕福とは言えない家で育った。
家族の話をあまりしない人だった。ここから抜け出したい、大きい企業に勤めたい、そのためにいい大学を出なければ、とよく口にしていた(私の学生時代は“自分らしく好きなことで生きる”といったリベラルな言葉が巷にあふれる少し前で、人生の最適解は良い大学を出て良い企業に勤めること、みたいな考えが今よりずっと一般的だった)。
受験期はお金がないからと予備校
高校3年間、ひとり別空間にいた
「男子しかいない学校なら、全員と仲良くなれるじゃん!」
これが、男子校の高校に入学する前の自分が思っていたことだった。
中学では、女子と話すときはスカしてしまってしゃべれないけど、男同士ではたくさんはしゃいで3年間を過ごした。だから、男子校ではクラス全員と仲良くなって歯止めが効かない。これから楽しすぎる3年間になる、と信じていた。
入学式の日、席の近いクラスメイトたちと「どこ中?」「入学前から
Eランク大学出身の友人の話
Eランク大学出身の友人がいる。Eランク大学というのは、Fランク大学の一歩手前の大学のこと。入学のためにそんなに学力が必要ではないような大学のこと。
彼もその大学には、推薦入試で入った。ペーパーの学力試験は受けていない。
僕は大学入学後の彼しか知らない。僕の知る彼は、はっきり頭がいい。回転が速く、要領がいい。「速いけど軽い」みたいなタイプでもなく、深さ・広さ・重さもある。
かなりの読書家で、話
出し惜しみせず、やりたいことを全うする生き方を
2024年。去年よりも少しでも多くの本を読めたらいいな、なんてぼんやりと思っていた年始。「ひとまず今読むべき本を…」と思って手に取ったのは、江角悠子さんのZINE『文章を書いて、生きていきたい』。
来週から受講予定の京都ライター塾の資料として送られてきたこちらの本。「講座が始まるまでに読んでおきたいな~」というくらいで目を通し始めたのだけれど、途中から「お!」と思う部分が多くって、ずんずん読み進
私はいつまでかわいそうな主人公でいるのか
誰にだって辛い過去の一つや二つはある。私にもある。貧乏、宗教2世、一家離散、強迫性障害。どれをとっても苦しい経験だったことは間違いない。問題はそれをどれだけ引きずるのか。
いつまで「悲惨な星のもとに生まれ、次々に与えられし試練を乗り越え頑張ってきた伝説の主人公」という設定に酔っているのか。困難に耐えることがデフォルトで、問題が起きても根本の原因からひたすら目を逸らし続け、”耐える”で思考停止して
ブルーバイブル①「人生の運転席には君が座らなくてはいけない」
序文
最近、青い顔をした少年少女の相談を受けます。
二十代そこそこ、といったところでしょうか。みな「人生をどうすればいいかわからない」といった顔をしています。まだ何者にもなれていないことに葛藤している様子です。
・自分の力を証明したい
・何者かになりたい
・独立したい
・才能があるはずなのに
・まわりが社会になじんでいることに焦る
・有名になりたい
・普通の人生をおくりたくない
・なにかを成し
音楽の中で19歳の父と握手した話【エルヴィス・コステロ】
父がエルヴィスコステロのライブに来るのは37年ぶりらしい。今は2024年、父が前に行ったのは1987年。新聞配達で貯めたお金を全部レコードに費やしていた音楽オタクの少年は、19歳の福岡で浪人中の秋、どうしてもコステロが観たかったんだって。
そのライブに父は同僚と行くはずだったのに、当日の朝同僚が急用で行けなくなり、朝急に「来ない?」とLINEで誘われた。おおお、エルビスコステロ、、コルステロール
還暦まであと1周のおっさんがメイクを始めてみた話
春ですね。
何か僕も春から新しいことを始めてみたいと思い、メイクに挑戦してみることにしました。(といってもアイメイク、リップ、チークなどの盛るやつじゃなくて、肌を綺麗に整えるベースメイクです)。
以前からメイクに興味があったのはもちろんですが、僕が今年から研究指導する大学院生女子の研究が「メンズコスメのプロダクトデザイン」、メンズメイクに関する価値観の再定義だったので、指導の参考になるという大義