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好きなものだけ抱きしめて


 中高校生の頃、学校を休みがちで家でテレビや携帯ばかり見ていたわたしは、いろんなものに助けを求めた。毎日毎日生きる意味を探して、わくわくどきどきする何かを求めていた。

 そんな時に出会ったものが、ギターで、バンドで、野球で、お笑いで、ダンスで、ラジオで、、、わたしの生活を彩る数えられないくらいのきらきらするものなのだ。

 そんな大好きなものを自己紹介代わりに書いてみる。

 音楽との最初の出会いは6歳。テレビで見たアイドルだった。48グループからハロプロ、坂道、一通り全部ハマってきた。きらきら、ふわふわ、跳ねるスカートに心を掴まれ、虜になった。握手会に通って、幼いわたしの手を握って「かわいいねぇ」と言ってくれたあの子の儚くて綺麗な笑顔、今でも夢だったんじゃないかと思う。


 ダンスを真似して覚えているうちに、踊ることが好きになった。ダンススタジオに通って、小学校にダンス部を立ち上げて、見よう見まねでただ必死に踊った。
 片側だけ編み込んだ髪、ぶかぶかのハイカット、着慣れないスウェット。今考えると笑ってしまうほど不釣り合いな格好で、夢中になって踊ったあの頃を思い出す。
 夢破れて数年で辞めたダンスとは大学で再会するのだが、その話はまたいつか。



 高校生になって軽音楽部に入り、ギターを始めた。これがわたしの人生を大きく変える。

 最初に弾けるようになった曲は、あいみょんの『ハルノヒ』。コードを覚え、弾ける曲が増えてきて、アイドルしか聴いてこなかったわたしが少しずつ、ロックに感化されていく。

 わたしの高校生時代と共にあったのが、Hump Back、ハンブレッダーズ、SUPER BEAVER。1人だった帰り道、寝られなかった夜、学校に行けなくて叱られる毎日、怒鳴り声と叫び声にただひたすら絶えていたあの頃、彼らの音楽がわたしの全てで、音楽を聴くことが生きていると実感させてくれた唯一の方法だった。

 ギターをきっかけに、ベース、ウクレレ、ドラムまで手を出し、聴く音楽のジャンルも増え、音楽がわたしの人生に欠かせないものになった。大学で組んでいるコピーバンドも3年目、もっともっと上手になりたい。そして、誰にも披露することなく閉まったままの自作曲も、今年は誰かに聴いてもらいたいなぁ。

 音楽については何回かnoteに書いてきたが、まだまだ足りない。これもまたいつか。

高校時代、よくここでウクレレを弾いて歌っていた



 中高時代、寝られない夜にはラジオを聴いていた。「SCHOOL OF LOCK!」に当時大好きだった乃木坂46の橋本奈々未さんが出ていたことがきっかけだった。とーやま校長が退任される時には、手紙を書いた。全国から3,640通もの手紙が届いたのに、一通一通、全員に返信するというのだ。わたしは初めて、今まで誰にも言えなかった過去の話を書いた。そんな重い手紙、膨大な数の手紙を読む校長にはきっと負担でしかなかったと思うが、熱くて優しい言葉が長文で返ってきた。読みながら、生きなければ、と泣いたのを覚えている。

 学校に行けなかったお昼に聴いていた番組でメールが読まれて景品が当たったこともあれば、「オールナイトニッポン」で大笑いして、来週も聴かなきゃ、生きなきゃと思わされる夜もあった。今も聴き続けている大事な曲との出会いもたくさんあった。ラジオはわたしにとって、雑音からひとときの安らぎをくれるものなのだ。


 そして、野球。これは、関西人のわたしは小さい頃から馴染みのあるものであり、いつからか自然とタテジマのユニフォームを着た選手たちを目で追っていた。

 しかし、どっぷりハマったのは高校2年生の春。コロナウイルスが流行り始め、何もすることがなくぼーっと見ていたテレビで、当時の監督である矢野さんが今年の抱負を語っていた。
 「11月15日、ビールかけの準備をしておいてください」。
 その自信満々に宣言する姿を見て、「ふーん、その通りになるか見てみようじゃないか」と、謎の上から目線で毎日テレビで野球観戦をするようになった。

 選手の名前が言えるようになり、ヒッティングマーチが歌えるようになり、ファンクラブに入って甲子園に通うようになり、毎日が黄色に染まるようになっていった。

 野球の好きなところは、毎日のように試合があるところだ。今日だめでも、明日勝てばいい。連敗しても、一生し続けることはない。毎日誰かを応援できるって素敵なことだ。

甲子園の景色は何回見ても感動する



 お笑いを好きになったきっかけは思い出せない。高校生の頃は、まだ無冠だった天才ピアニストを好きになり、単独ライブを毎回見ていた。大学に入ってからは月に1、2回は難波にあるよしもと漫才劇場やなんばグランド花月に通うようになった。

 大学2年生の春、家から出るのが怖かったのに、大好きな男性ブランコをどうしても生で見たくて取ったチケットが手元にあった。何度も行くか迷って、ギリギリまで悩んで家を飛び出した。大雨でバスは遅れ、傘もささずに全力で走った千日前のことを、わたしは忘れない。びしょびしょで息を切らしてやってきたわたしに、劇場のスタッフさんが優しくしてくださったことも、来てよかったと泣きそうになるくらい笑わせてくれた芸人さんたちのことも、全部全部、忘れられない。

 この2年はフースーヤを中心に、たくさんのライブに行った。毎回、来てよかった、生きててよかったと思う。どれだけ直前まで泣いていても、どれだけ悩んでいても、笑っている自分に安心して、幸せでいっぱいになって帰れる。だからお笑いが好きだ。

千日前には思い出がたくさん



 本当はまだまだ書き足りないくらい、好きなものはたくさんある。相撲も、美術館巡りも、再燃しているアイドル熱(今はME:Iと櫻坂が可愛すぎて沼です、KPOPも大好き)も、映画鑑賞も、大河ドラマや韓ドラも、、

 ここまで書いてきて、こんなに好きなものが沢山あるのにたまに消えたくなる自分が馬鹿馬鹿しく思えてきた。今までの人生、これだけのものに救われて、夢中になったきらきらした思い出がたくさんあるじゃないか。しんどい時に頼れる味方が、こんなにもいるじゃないか。だからわたしは大丈夫だ。


 多趣味なのも悪くないね。と思った今日のつぶやき。


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