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園丘くすみ
2024年9月30日 23:29
今、『数学思考のエッセンス: 実装するための12講』を読んでいる。この手の本にしては珍しく、数式が一切出てこない。「数式が1つでも登場する本は売上が激減する」ことを聞いたことがある。そんなことを狙ってなのか、登場しない。数式による説明はなく、あくまでも文章と図表で説明している。私としては、あるていど数式があった方が、文字の解釈が合っているのか確かめられていいのだが、世間的には受け入れら
2024年9月28日 18:17
『コミティア魂 漫画と同人誌の40年』を読みました。以前読んだ、『「同人文化」の社会学』で、コミケとは違い、2次創作を扱わないコミティアがあることを知りました。たまたま本書が図書館の新作コーナーにあり、これも何かの縁かもしれない、ということで読みました。『「同人文化」の社会学』では、コミティアはほとんど扱っていませんでした。先に書いたような、オリジナル創作のみを扱う販売会、だけ記憶にあ
2024年9月23日 19:06
『夏のピルグリム』を読みました。完全に、表紙に惹かれました。本業界全体でアニメ調のカバーが増えている印象があります。ちゃっかり私も乗せられました。新海誠風な作画が好きかもしれません。タイトルにあるピルグリムとは、巡礼という意味があるそうです。つまり、タイトルは、夏の巡礼、という意味。主人公の夏子は中学2年生。妹のチイちゃんと一緒にヴァーチャルアイドルの羽猫を推している。唯一の友達のマチ
2024年9月15日 20:51
『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』を久しぶりに読み返しました。読書記録を確認したところ、以前に読んだのは1年半前でした。改めて読み返してみると、記憶とは違ったことが書いてありました。以前、どこかの記事で、本書を引用して「企業がアートを買うのは、我々の会社はこういう未来を想像しながら活動していることを示すため」と、書いた記憶がありますが、本書には書かれていませんでした。「美意識
2024年9月14日 18:02
たまたま図書館の新刊コーナーにあった、行動心理捜査官・楯岡絵麻シリーズが面白い。取調室を舞台にした刑事モノのミステリー小説。主人公の楯岡絵麻が、マヌケな相棒、西野圭介と共に行動心理学を駆使しながら事件を解決していく。最初に読んだのは『ホワイ・ダニット』だった。調べてみると、11作ある中の10作目だったので、かなり新しい作品。基本的に短編で話が進んでいく。文庫サイズで1話が70ページ程度
2024年9月13日 13:48
今月も文學界で連載されている『贅沢な悩み』東畑開人を読んだ。重要なことが書いてありそうなので、書きながら理解を深めたい。*1995年を境に、臨床心理学が転換点を迎えたことが書いてある。95年以前の心理療法は、今から見ると「贅沢な治療」に見える。以下、本連載に書かれている1995年以前の心理療法。それ以降の心理療法。まとめ。感想。の4部構成で書いていく。1995年以前95年以前の
2024年9月12日 22:02
『エビデンスを嫌う人たち』を読んだ。以前も本書を引用して、記事を書いた。エコチェンバーや確証バイアスが自分の考えを助長し、「間違っていないんだ」と思い込ませる。自分の考えを認める証拠ばかりが記憶に残り、不都合なものは忘れ去られる。みずからそこに陥っているなぁ~と感じたことを書く。まず、科学否定論者には5つの傾向がある。証拠のチェリーピッキング自説を支える根拠だけを信じること
2024年9月8日 19:00
群像2024年8月号の小川哲『小説を探しにいく』を読んだ。将棋対局のAI形勢判断が小説にもあればいいということについて書かれている。形勢判断は、持ち駒や盤面を評価し、駒の損得を数値化して行われる。現在の盤面から何億手も探索し、どの手を打ったら勝利へ最善なのかをAI候補手として出す。この理論を小説にも応用する。将棋の場合は、勝利という目標に向かって最善手を示してくれるわけだが、小説には勝
2024年9月4日 18:32
『働くということ 「能力主義」を超えて』を読みました。能力主義を是とする歴史を振り返りながら、現在の能力主義を取り巻く環境を組織における人間関係を例にして書いたものです。著者が、冒頭に書いているように方法論や「結局どうすればいいの?」ということは書かれておらず、何かしらの答えを求める人には向かない。けれども、著者のツッコミ混じりの語り口調や、対話形式のパートもあり、読みやすい。自分
2024年9月2日 12:23
『マリリン・トールド・ミー』を読みました。『文藝』で連載されていた時から、面白そうと思ってました。ちょいちょいつまみ読みしてましたが、読み通したのは単行本になってからです。この本はコロナ禍の女子大生のお話。オンライン授業続きで、思い描いた大学生活を送れないまま、気づけば3年生に。ジェンダーゼミに所属し、マリリン・モンローを研究することになる。場面は、2003年に刊行された小倉千加子・著
2024年9月1日 13:22
『マリリン・トールド・ミー』を読みました。『文藝』で連載されていた時から、面白そうと思ってました。ちょいちょいつまみ読みしてましたが、読み通したのは単行本になってからです。この本はコロナ禍の女子大生のお話。オンライン授業続きで、思い描いた大学生活を送れないまま、気づけば3年生に。ジェンダーゼミに所属し、マリリン・モンローを研究することになる。作中で、田中美津「新版 いのちの女たちへ と