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学歴と結婚観: 生存・依存・保存の視点から

『マリリン・トールド・ミー』を読みました。

『文藝』で連載されていた時から、面白そうと思ってました。ちょいちょいつまみ読みしてましたが、読み通したのは単行本になってからです。

この本はコロナ禍の女子大生のお話。オンライン授業続きで、思い描いた大学生活を送れないまま、気づけば3年生に。ジェンダーゼミに所属し、マリリン・モンローを研究することになる。

場面は、2003年に刊行された小倉千加子・著『結婚の条件』を題材に、20年を経た現在の女性の結婚観を考える課題が出された。

本にはこう書いてある。学歴によって女性の結婚は、生存・依存・保存に分かれると。四大卒で仕事を持っている女性は、いまの生活レベルを「保存」できる結婚相手を選ぶ。短大卒女性は結婚願望が強く、専業主婦になって夫に「依存」することを希望している。そして経済的自立が難しい高卒女性にとって結婚は、「生存」手段を意味する。

P103-104

学歴で結婚に求めることが違う。高卒女性の「生存」、大卒女性の「保存」は分かるけど、短大卒女性の「依存」がしっくりこない。

高卒女性は生きるのに精一杯、大卒女性は今の自分を継続させてくれる相手を選ぶ。この2つは直感的に分かる。短大卒女性の場合はちゅうぶらりんなのか。

高卒と大卒のちょうど中間に位置し、どっちつかずのような状態。何か自分の拠り所になることを結婚に求めて「依存」なのか。

学歴による考え方がマズローの欲求階層説に似ていると感じた。

欲求階層説は、人間の欲求を「生理的欲求」「安全の欲求」「社会的欲求」「承認欲求」「自己実現の欲求」の5つに分類したもので、生理的欲求が満たされると安全の欲求へ、またそれが満たされると社会的欲求へ移っていく。これがどんどん続き、最終的には自己実現の欲求にたどり着く。

高卒女性は、1人では生存できない。つまり、生理的欲求と安全の欲求は満たせない。だから結婚にそれを求める。

それから一歩進んだ、短大卒女性は生理的欲求と安全の欲求を満たせるものの、社会的な立場として、危うく、結婚して「主婦」という立場を得るために結婚する。

大卒女性の場合は、生理・安全・社会的な欲求を満たしていて、生活する上では困らない。自分を保存するとは違うが、自分と対等、認めてくれる相手(承認欲求)との結婚を望んでいる。

もちろん、学歴に関係なく金銭・社会的立場・相手への承認欲求を求める。しかし、相対的な優先順位として学歴が関わってくるんじゃないかと思った。

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