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語学エッセイ集

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ことばについてのエッセイ集。外国語学習のこと、気になる言葉、好きな言葉をまとめました。また、「激論」したことをこのマガジンに含めています。
文章の書き方やテーマの見つけ方をまとめました。また、英語以外の外国語の話題も取り上げています。哲学…
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#学問への愛を語ろう

ん | 日本語の発音、外国語を学ぶ意義。

ん | 日本語の発音、外国語を学ぶ意義。

 日本人なら日本語の発音なんて簡単だ!、と思いがちなのですが、意外と知らないことはあります。

 とりあえず下の写真をご覧ください。

「日本橋駅」の表記
Nihombashi Sta.

「毎日新聞」の表記
The Mainichi Shimbun

 ここで注目していただきたいのは「ん」の発音がどう表記されているのか、というところです。

 「日本橋」は「Niho『m』bashi」というように

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ニーチェの言葉

ニーチェの言葉

 写真は、私の蔵書の「レクラム文庫」の『ドイツ箴言集』です。

 ご存じの方も多いと思いますが、「岩波文庫」は「レクラム文庫」を模範として創刊されました。
 レクラム文庫は手のひらサイズ。岩波文庫よりひとまわり小さいです。

 ドイツ語を学習しているときに、写真の「ドイツ箴言集」のほかに、ウェーバーの「職業としての政治家」やゲーテの「詩と真実」「ファウスト」など、10冊程度購入したことがあります。

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シリーズAI | 漢文や中国語について素朴な質問をしてみた

シリーズAI | 漢文や中国語について素朴な質問をしてみた

 一部の方には好評な「AIシリーズ」の記事です。
 私の質問とそれに対するGeminiの回答をそのまま載せます。

 もちろん、そのまま信じるわけではありません。参考程度にざっと目を通すのみです。
 質問の仕方によって回答が変わるので、あまり信用はしていません。傾向を知るために使っています。
 きちんとした考察は、直接文献や論文にあたったほうが確実だと思われます。

 

漢文の「置き字」は、興味

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一語の宇宙 | creole

一語の宇宙 | creole

 地図帳を見ていると、その国や地域で話されている主要な言語が掲載されていることがあります。
 英語、フランス語、スペイン語などの大言語とともに「クレオール語」が目立ちます。英語よりも広範囲に話されているような印象を持つと思います。
 「クレオール語とは何か?」という説明がないと、英語やスペイン語のような大言語だと錯覚してしまうかもしれません。

 言語学辞典では、クレオールは以下のように説明されて

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❄️雪の除雪❄️気になる言葉

❄️雪の除雪❄️気になる言葉

 「馬から落馬する」「頭痛が痛い」のような言い方は、「重複表現」とか「冗語」とか呼ばれます。
 日常会話ならさほど気にならない時も多いですが、文章で書く時にはなるべく避けたいと思っています。

 最近テレビを見ていて、レポーターが「雪の除雪」と何度も繰り返し言っているのを聞いて、すごく気になりました。
 「除雪」とは「雪を取り除く」ことを意味するので「雪の除雪」という言い方には私は違和感を持ちます

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ドイツ語を学ぶ意義

ドイツ語を学ぶ意義

 ドイツ語。私の第二外国語。
 日本と同様に、ドイツも敗戦国。だからドイツ語は、ヨーロッパの主要言語であり、話者も多く、数々の世界文学を生んでいるにも関わらず、国連公用語(英語・中国語・フランス語・スペイン語・ロシア語・アラビア語)にはなっていません。

 ドイツ語は英語にとてもよく似ているし、ドイツ語を母語とする人は英語が堪能である場合が多いから、日本人がドイツ語を学ぶ実用的な意味は乏しいかもし

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言語変化という問題

言語変化という問題


コセリウ(著) [ 田中克彦(訳) ]
「言語変化という問題」(岩波文庫)。
この本は10年くらい前に購入して一度読んだことがありました。

最近、AIの大規模言語モデルとチョムスキーの生成文法の文献を読んでいます。その中で、ことばの変化という問題は避けて通れないと思い、コセリウの「言語変化という問題」を再読してみました。

以前に読んだときよりも、内容を理解できました。
言語変化という問題は、

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広島英語基礎🔠ИНК語学講座🥰

広島英語基礎🔠ИНК語学講座🥰

英語は「World Englishes」と呼ばれるほど多様化しています。
今回の語学講座では、「広島英語」の基礎を学びます。

広島英語では「じゃ」(jar)が好んで使われる傾向があります🥰。

彼らの意見は食い違っていた

一般的な英語では、
They had different opinions. 
Their opinions are different from each other. 

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随筆 | AIと生成文法

随筆 | AIと生成文法

ノーム・チョムスキー
(福井直樹・辻子美保子[訳])
「生成文法の企て」(岩波現代文庫)。

 この記事では、本の感想ではなく、生成文法について私の思うことを書きます。

 言語学の専門書を読んでいると、「プラトンの問題」という言葉に出会います。「プラトンの問題」とは、人間が言語を使いこなせるようになることに関する謎のことです。

 赤ん坊は、親や周りの人の言葉を聞きながら言葉を覚えていきます。細

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一語の宇宙 | 逆成 back-formation

一語の宇宙 | 逆成 back-formation

「back-formation」とは、言語学用語で「逆成」のこと。

「英語学・言語学用語辞典」(開拓社、2015年第1版)、85頁では、次のように説明されています。

 これだけを読むと難しそうに聞こえる。簡単に言うと、たいていの場合、英語の名詞は動詞から作られるが、名詞から動詞が作られることを「逆成」(back-formation)と呼ぶ、ということです。

通常の単語の成り立ち

 たとえば

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[最終章]TUVWXYZで始まる英単語および結語

[最終章]TUVWXYZで始まる英単語および結語

今回は、発音・アクセントに注意すべき英単語の最終回です。
Zまで一気にまいります😊。

Tではじまる単語

thyme [タイム] 
タイム。
「time」と同じ発音。

tyro, tiro [タイアロウ]
初心者、初学者、新米

Uではじまる単語

unsheathe [アンスィーズ]
(剣などを)さやから抜く、露出させる

Utopia [ユトウピィア]
ユートピア。理想郷。

⚠️「ユー

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グルジア語記念日

グルジア語記念日

 以前にも書いたことがありますが、私は「読書ノート」を作っています。

(1)「読書録」と「語学の記録」 読んだ本の、著者名、タイトル、出版社、発行日と、簡単な感想を書き残しています。かれこれ四半世紀くらいつづけています。
 こんな感じのポケットサイズの小さなメモ帳(↓)ですけどね。