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#翻訳小説
祝!本屋大賞を受賞した韓国小説と作家たち
ポッドキャスト第41回、配信しました。
今回は先日発表された「本屋大賞」の翻訳小説部門で、韓国の小説が1位と3位に選ばれたというニュースを受けて、私が最近読んだ小説『不便なコンビニ』や『アーモンド』にまつわるお話をしています。今回大賞を受賞された『ようこそ、ヒュナム洞書店へ』については、過去の配信やnoteの記事をご参照ください。
作家さんたちがどういう場所や環境で作品を生み出しているの
人生を変えた「ソウル国際図書展」へ。おすすめ韓国小説も
先日、8年ぶりにソウル国際図書展(以下、ブックフェア)へ行ってきました。場所は江南に位置する総合展示場、COEX。後日新聞記事で、国内外36か国、530の出版社が参加し、5日間で約13万人が訪れていたと知りました。
私が行ったのは最終日、かつ日曜日ということもあってか、10時にオープンする前から行列ができ、会場は人、人、人で溢れかえっていました。
このブックフェアとは、読者と作家、出版社
あの日の私がここにいた。短編小説集『ショウコの微笑』
冬のある朝、夢の中で「ショウコの微笑」という言葉が何度も登場したことがあった。目覚めた後、夢の詳細はすっかり忘れてしまったのに、その言葉だけがはっきりと、頭の中でぬくもりを放っていた。
布団の中でスマートフォンを手に取り、早速調べてみると、それは韓国の作家が書いた小説のタイトルだった。チェ・ウニョン著『ショウコの微笑』。
「ああ、なんだ。本の名前か」とすっきりしたところで身体を起こし、何
チョ•ナムジュ著『彼女の名前は』
先日、韓国の短編小説集『彼女の名前は』を読み終えた。『82年生まれ、キム・ジヨン』の著者、チョ・ナムジュが韓国で2018年に発表した作品で、2020年に日本でも翻訳出版されている。
9〜69歳まで60人余りの女性に話を聞いた著者が、2017年の1年間、新聞や雑誌にフィクションやエッセイを連載。それを再構成し、28編の小説集としてまとめた1冊だ。1つひとつの話はとても短く、読みやすい。でも、そ
『82年生まれ、キム・ジヨン』を語る① 義母と私と母の物語
50年生まれの義母 数か月前、ソウルから車で2時間ほど離れた田舎町にある夫の実家を訪ねた時、義母がこんな話を始めたことがあった。その時私は台所に立ち、義母と一緒に昼食用のチャプチェ(韓国春雨と肉や野菜を甘辛く炒めたもの)を作っていた。
「結婚して国民学校(小学校)の教師を辞めた時、お父さんがソウルで会社に勤めていたんだけど、息子が生まれて1年経った頃、突然、実家に帰って酪農をしようと言いだして
小説『パチンコ』と私の物語②
自分の物語を語ろうとして、一体どこから始めればいいのか途方に暮れてしまったが、私が在日コリアンの歴史に深い関心を抱いた日のことから書いてみたいと思う。
2004年、北海道の大学で
それは、北海道・札幌の大学に通っていた2004年。就職活動のため大学を休みがちだった4回生の頃、当時所属していた教育史・比較教育ゼミの先生が担当する「在日韓国・朝鮮人の歴史」という講義を開いたのがきっかけだった。
小説『パチンコ』と私の物語①
韓国人男性との結婚を機に韓国へ移り住むことになった私は、こちらの国で「結婚移民者」と呼ばれるようになった。それまで「移民」と聞けば、過去に日本からブラジルやハワイに移り住んだ人たちのことを思い浮かべていたが、そんな私が実際に移民者となったのだ。
ソウルの語学堂へ留学経験があったため、生活に必要な韓国語はすでに身につけていた。それでも、移住後「生まれ育った国とは勝手が違うのだ」「日本では一人で