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秋田編

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秋田県に関する記事やつぶやきまとめ
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#東北

そろそろ隠れた良作ゲーム、クレヨンしんちゃん『炭の町のシロ』の話をしたい

そろそろ隠れた良作ゲーム、クレヨンしんちゃん『炭の町のシロ』の話をしたい

 北東北、あるいは北東北をモチーフとした場所を舞台としている作品は漫画、小説問わず数多い。
 そして漫画や小説などのメディアと比べれば数こそ少ないものの、ゲーム作品の舞台としても度々北東北は登場している。

 例えば一昨年配信され、当ブログでも度々言及している『ポケッモンスター スカーレット・バイオレット』の追加DLC『翠の仮面』の舞台であるキタカミの里は、岩手県北上市をベースとしつつ北東北の様々

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マダラのタラコで北国の正月料理「鱈の子炒り」とご飯のお供「醤油漬け」

マダラのタラコで北国の正月料理「鱈の子炒り」とご飯のお供「醤油漬け」

 冬が深まるにつれ、北国で見かけるようになる物体がある。
 色の個体差も大きく (今回購入したものは比較的色が薄いが真っ黒いものもある)一見すると何かの腫瘍のようにも見えるこの物体の正体はマダラの卵巣である。

 日本で一般的なタラといえば、マダラとスケトウダラの2種類だろう。

 この時期の北東北ではマダラとスケトウダラが共に繁殖期を迎える。肉とアラはもちろんのこと、特に珍重されるのは卵 (厳密

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秋田のクラフトジン「AKITA CRAFT GIN 岑 No.65」で秋田の森の香りに酔いしれる

秋田のクラフトジン「AKITA CRAFT GIN 岑 No.65」で秋田の森の香りに酔いしれる

 最近は落ち着きを見せ始めているが、ここ数年クラフトジンのブームがきていた。

 ジンをご存知のない方向けに説明すると、ジンとはジュニパーベリーという針葉樹の果実を中心とした様々な植物の香りをつけた蒸留酒の一種だ。
 よく売られているものの度数は40°以上と強めで、ソーダで割ったジンソーダやトニックウォーターで割ったジントニックなどは居酒屋でもよく売られている。

 少し前まで日本でよく飲まれてい

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実家のレシピの梅干しならぬ「梅漬け (杏漬け)」と、津軽地方の伝統保存食「紫蘇巻梅」を作りたかった

実家のレシピの梅干しならぬ「梅漬け (杏漬け)」と、津軽地方の伝統保存食「紫蘇巻梅」を作りたかった

「梅の実を塩漬けにした保存食」と言われれば、日本全国で一般的なものは梅干しだろう。
 梅干しを作った経験がある人はわかると思うが、梅干しはその名の通りに途中で梅を干す工程が入る。そのおかげで適度に水分が無くなり、独特の食感が生まれると共に携行性が増し料理にも使いやすいというメリットが生じる。

 対して秋田県や青森県などの北東北の一部地域では、この「干し」の工程を挟まない梅漬けという保存食が存在す

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2日と1時間半かけて「干かすべ」から「かすべ煮(エイヒレの煮付け)」を炊く

2日と1時間半かけて「干かすべ」から「かすべ煮(エイヒレの煮付け)」を炊く

 関東地方に住んでいた頃、これまで当たり前に見てきた食材がスーパーに並んでおらず驚いたことは何度かあった。その中でも自分にとって筆頭と呼べるものがかすべだ。

 東北地方、または北海道や新潟県などに住んだ経験のある方は、スーパーの鮮魚コーナーに独特の形状を桃色の肉の塊が並んでいるのを見たことがあるだろう。

 かすべと呼ばれるこれの正体はエイの仲間のヒレの部分である。厳密に言えば、写真のものは皮を

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北東北の陸上自衛隊カレー食べ比べ

北東北の陸上自衛隊カレー食べ比べ

 北東北にも梅雨が到来し、今年もまた一段と蒸し暑い日々が続いている。
 食欲が落ちるこの時期だからこそ、スパイシーなものが食べたくなる。そして、スパイシーな料理の代表格といえばカレーだろう。
 そして日本でカレーといえば、この組織のことを忘れてはいけない。そう、自衛隊だ。

 ご存知の方も多いと思われるが陸上自衛隊や海上自衛隊では各駐屯地や部隊、護衛艦毎のカレーレシピを公開している。

 今回は上

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【秋田県北秋田市】阿仁で見たマタギ文化と阿仁鉱山の歴史

【秋田県北秋田市】阿仁で見たマタギ文化と阿仁鉱山の歴史

 山々に囲まれた秋田県では、行政区分上は大きな町の一部でもその町の中心部からはかなり離れており、独自の雰囲気を今でも色濃く残した地域というものも数多い。
 秋田県北秋田市にある阿仁もそういった集落の1つだ。

 北秋田市は2001年に鷹巣町、合川町、森吉町、そして阿仁町が合併してできた比較的新しい市だ。
 秋田県北部の中央に位置し、その面積は由利本荘市に次ぐ秋田県で第2位。秋田県全体の面積の1割を

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【秋田県仙北市】辰年の八幡平ドラゴンアイこと鏡沼と、新玉川温泉に行ってきた

【秋田県仙北市】辰年の八幡平ドラゴンアイこと鏡沼と、新玉川温泉に行ってきた

 秋田県と岩手県の北部にまたがる八幡平。日本百名山の1つにも数えられ、夏は登山客、冬はスキーヤーで賑わい四季折々の姿を見せるこの山は北東北の誇るリゾート地の1つだ。

 そんな八幡平の山頂近くには、近年になってドラゴンアイとして知名度を大きく高め、一躍観光名所へと上り詰めた場所がある。

 ドラゴンアイの正式名称は鏡沼。
 夏には青く美しい姿を見せるが、冬になると八幡平の深雪に完全に埋まってしまう

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【秋田県大潟村】「干拓博物館」で学ぶ日本史上最大の干拓事業の軌跡

【秋田県大潟村】「干拓博物館」で学ぶ日本史上最大の干拓事業の軌跡

 かつて秋田県には、日本で2番目に大きな湖があった。

 湖の名前は八郎潟。
 北東北の伝承では、龍になったマタギ八郎太郎が作り上げたと伝わっている。

 この湖は第二次世界大戦後の干拓により大きくその面積を縮めたものの、現在も残る八郎潟調整湖ですら日本で18番目に大きな湖沼に数えられている。

 現在ではまず考えられない、日本史上最大の干拓事業。
 それを記録した博物館である干拓博物館が、秋田県

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