シェア
壱(ICHI)
2022年7月15日 19:56
綺麗に言葉を見つけて、たくさんの想いを表現したくて、あれやこれやと手を出してみるけど、結局虚無感だけが残っている状態が、私の通常運転。ほんとは、夢とか目標とかあるんだよ、こんな風になりたいってさ。その到達したい場所までが遠過ぎて、届かなくて、ごろんと横になって目を閉じた時に浮かぶ光景が、今の私を包み込んでいるようにも見えるし、真綿で首を閉めているようにも見える。生き地獄かな。小さなことか
2022年3月21日 20:30
川の向こうに誰かがいたような気がして、水流の糸が複雑な動きをしながら、わたしの足元に絡みついてきた、繋がって繋がって、心地よく、深淵の、潜れば底が見えない場所、夢に落ちる手前にある、膜に身を包まれる柔らかい感覚が、今日の朝に挨拶をする。まだ維持できているね、今も流れ続ける川は、いずれは海につながるんだろうけど、そこに着いたら、次はどこにいくんだろう。緑の服が良く似合うきみ
2022年3月20日 19:48
日曜日の夜はいつもの夜と存在が違う、隔離されているようで、知らない人と相席になるような居心地の悪さがある、きっと本当は寂しいんだ。君と目が合った瞬間、君の音が暴走した、そのひとつひとつ、拾い上げることが出来なかった、落ちた音は激しく粉砕した、踏んだらきっと根が張るくらいしみるだろうね。そんなに顔を近づけたら、無数の雑音に飲み込まれる、砂嵐の容赦ない喝采、そんなのは、飲み込んでも吐き出した、
2022年3月19日 19:47
夜がまっくらなのは、人が寄せ集まって、みんなで光を作るためなのかな、優しいあなたはそう言うのだろうけど、ぼくは、ひとりひとりが自分を見つめて、自分と手を取り合うために用意された1人部屋を作るためなんだと思っている。星は綺麗で、願いもこめたくなるけど、自分の願いすらわからないでいたら、あっという間に消えちゃうね、長々と手紙でも書いて、遠い先の星にとどけてもらうのが1番確実かもしれない。火星と土星
2022年3月17日 21:14
枝の交差点が続く中、ひたすら歩いていくと石の信号があって、右に行こうか左に行こうか、または上に行くか、いっそのこと来た道を戻るか、選択権がそちらにあるのかぼくにあるのか、その判断を誰がしてくれるのでしょうか。こんな姿になったのは、きっと、入口で待機していた警察官が、不思議がって色々聞いてきたから、途中で出会った医者が、心配して体に触れてきたから、優しい女神様は何も言ってこな
2022年3月16日 20:35
君はいつも笑顔だけど、その顔に、何枚皮膚が張り付いていて、ちゃんと呼吸ができているのか、外側と内側の君はちゃんと泣くことが出来て、不器用な笑顔をしないで、君が見えているものに、歪みやズレはないのか、濁った水中のような、眩暈と臭気に飲み込まれていないか、いつだって君は一人で涙を流す。近くにいたはずなのに、それが実は手が届かないくらい遠くにいて、まるで空気を掴むのと同じくらい、
2022年3月15日 20:06
隣には、手を繋いで眠る君がいたハズなのに、バスに揺られてボクも眠っていたら、キミの姿は見えなくなっていた。停車ボタンを押したら、たくさんの花が咲いて、座席からも手すりからも、色とりどりの花が生まれた。欲しいものはそれじゃない、声に出せばいいのに、その言葉は飲み込んで、笑顔で手を振ってみたよ。紫色の花びらが落ちたさきに、しずかな水溜まりが出来ていて、それを掬って上に投げたら、藍色の空になってい
2022年3月14日 21:32
桜が咲くと、どこからともなく声がして、根元あたりには、その声に呼ばれた次の桜が集まっていた。水の中に潜れば、花びらが水面を覆っていて、魚と一緒に、お祝い事に持っていこうかと、ひとつひとつ丁寧に、手先の器用さを活かして花束を作っていた。心地よい陽の光は、綺麗な影を作り出してくれた、誰も見捨てないし、離れないように手を繋ぎましょう、だから、どうかそんな寂しい顔をしないでほしい。今日から一斉
2022年3月12日 19:05
目の前に映る鏡越しの自分を、本当の自分だって証明できますか、なんて問題は、苦手な算数か、複雑な理科か、果ては深く巡らす道徳か、簡単に答えまで辿り着けないんじゃないかと思う。そもそも答えなんてあるのか、テストで空欄のまま提出したら×がつきそうだけど、×の根拠を書いてほしい。授業参観じゃ、いつも以上の視線が錯綜して、そのレーダーが心臓に突き刺さる、挙手して、存在確認して、私を生きたら、この手を掴んで
2022年3月11日 00:39
螺旋の階段を降りれば、心地よい沼につかるようで、いつもと違う呼吸が出来た。手と手を合わせて、まるで挨拶をするように、ともにお茶を嗜むように、時間を味わうことが、きっと、お互いを理解するのに必要だったんだ。そこにある音だって、香りだって、いっそのこと自分が溶けてしまってもいいくらい、浸透してくるから、自然に手が伸びてしまう。私にも、ちょうだいって、言いたくなる。キラキラした輝きを持って帰れば、
2022年3月10日 19:52
今日の結果を覆したいなら、昨日の今を生きている私に伝えて下さい。結果がわかるなら、手段もわかるだろうから。嘆いていても戻らなくても、それでもいいから前に進むなら、どうぞお先にお進みくださいませ。今日は昨日の明日で、過去も未来もないというなら、正しい答えもないと思う、そもそも、何をもってまるなのかばつなのか、わかりやすく私に教えてほしい、納得できるものを。あの人がいえば、あの人の答えで、その人
2022年3月8日 21:22
青と白の間、遠いところに黒があって、境界線がない空間が広がっている。無数の手が何かを掴もうとしているけど、透明なのか、存在しないのか、掴むことができない。大きな車に乗り込む、道はガタついて安定しないし、何度も頭をぶつけた。痛い。外は見えない、あの空間だけ、都市部のビル群は形だけ残っているけど、息はしていないようだった。もうすぐ夜明けになるのに、みんな口を縛られているから、耳を澄ますことしか
2022年3月7日 21:09
1人で歩く言葉を追いかけても、どんどん差が開いていくから、あんなことを言わなければと後悔するころには、もう散らばり過ぎて掴めなくなっている。たった1人の友達なのに、背中をさすってあげることも、果たしてそれが正解かどうかなんて考えている、愚かな私をどうか叱って。ある日は、笑顔だったのに、別の日には、表情が変わる君を見ては、天気と同じように変化するのだねって、憎しみを隠した声色で合図を出した。君
2022年3月5日 22:55
浮かぶ泡とゆらゆらしてる水のしたは暗くて、無数の目と手がこちらにおいでと手招きしてる、誰が行くかと一蹴して、急いで水面の壁を突き破る。いつかみた人魚姫もこんな気持ちだったのか、泡になって消えずに、自ら王子の首を狙いに行ったのかな。流木の船に乗って世界をまわる、なんなら木の葉も一緒に付き添って、覗き込んだら、同じ顔がそこにあって、やっぱり呼ばれていることに気がつく。どこからか陽気な音楽が聴こえて