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【詩】山々青々、透明になる




枝の交差点が続く中、
ひたすら歩いていくと石の信号があって、
右に行こうか左に行こうか、
または上に行くか、
いっそのこと来た道を戻るか、
選択権がそちらにあるのかぼくにあるのか、
その判断を誰がしてくれるのでしょうか。
こんな姿になったのは、きっと、
入口で待機していた警察官が、
不思議がって色々聞いてきたから、
途中で出会った医者が、
心配して体に触れてきたから、
優しい女神様は何も言ってこなかったけど、
その表情から何かを感じとることは出来た。
リンリンと鈴が鳴る、それが合図。
一歩進めたら、息があがる、そんな道を、
今も独りで進んでいる。
頂上に着いたらって考えること自体が、
今を無視しているようで、無意味みたいで、
滑稽なんだって。
岩場に腰掛けて、上を見たら、
水の結晶がキラキラしていた。
うまく吸収されますように、僕も、
綺麗に溶けてなくなりますように。

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