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【詩】ガラスの手紙



螺旋の階段を降りれば、心地よい沼につかるようで、いつもと違う呼吸が出来た。
手と手を合わせて、まるで挨拶をするように、ともにお茶を嗜むように、時間を味わうことが、きっと、お互いを理解するのに必要だったんだ。
そこにある音だって、香りだって、いっそのこと自分が溶けてしまってもいいくらい、浸透してくるから、自然に手が伸びてしまう。私にも、ちょうだいって、言いたくなる。
キラキラした輝きを持って帰れば、自分の場所でも同じように煌めいてくれるのかな、風が吹けば、より存在感をあらわにしてくれるだろうと、たしかな空想を描いているよ。
言葉が織りなす空間が、ゴタゴタする社会で生きる私にとって、新たに生き返るところだってことを、私以外は誰も知らない、教えるつもりもない、だからきっと誰にもわからないね。

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