幼年期の自分の脳は現実と創作物との境界が曖昧だった。紙の時代、絵本は色彩ありでも漫画は白黒。海中漫画にのめりこみ僅かな情報を駆使して目の前は極彩色の海底だった。南洋の海底が細胞に染みている幻の現。長じても山間の屋内プールの水中で何故今日は魚がいないんだろと本気で錯覚してるのだ。
122.Jules Verne『Vingt milles lieues sous les mers』ジュール・ヴェルヌの『海底二万里』だ。ネモ船長の潜水艦ノーチラス号で海底を潜航をする。海流を海の中の川に喩える。表現が面白い。1870年の小説で、不思議の海のナディアの原作だ。