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学び続けよう|元エンジニアの中学校技術教師|毎日、技術に関連した雑談を配信|自分の中学生時代を思い出すと、先生の授業は覚えていないが、雑談は覚えている。|0歳5歳の子育て中

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【技術科教師旅】島津製作所 創業記念資料館

京都府中京区、京都市役所の近くにある「島津製作所 創業記念資料館」に行きました。京都は平日でも海外の旅行客で大混雑していますが、記念資料館の見学は予約制なので空いていて、落ち着いて見学することができました。 島津源蔵氏は、仏具の鋳物業で培った技量を見込まれて、明治8年、教育用理化学機械の製作を始めました。現代の教育用機器にもありそうなものから、「どうやって使うのだろう?」「何が見えるのだろう?」とても興味深い機材がたくさんありました。 国産最古の木製顕微鏡、ここまで精

    • ロケット燃料

       打ち上げ用の宇宙ロケットは、推進剤に点火して発生する燃焼ガスを吹き出して進む仕組みです。燃料には固体と液体の2種類があります。固体燃料型は構造がシンプルで扱いやすく、ロケット花火として数百年以上もの歴史があります。しかし、推力のコントロールがやりにくい難点があります。液体燃料型は構造が複雑ですが、推力を調整したり、一度止めてまた点火することもできる点で優れています。  今、宇宙開発で活躍しているロケットは、すべて液体燃料型です。この仕組みを考えたのはロケットの父とも呼ばれ

      • 【古書巡り】電燈の巻

         明治期に小学校の教員を経て、科学読み物などを出版した石井研堂の著書「電燈の巻」を古書店で見つけたので、10、000円と高かったが購入しました。  日本の技術が未熟な時代に、電気について理解して、明治期ならでは解説をし、独自の視点の発明品の着想も書かれています。当時の時代背景も垣間見れてとても面白い。 内容の一部を抜粋してご紹介します。 「第3話 自動機械」  今日、力というものに人馬の力・蒸気・電気の力などがあるが、そのもとは皆“食物”から来る。人も馬も、肉や野菜

        • 天ぷら盛り付けロボット

          食品は一つひとつの形が微妙に違い立体的に盛り付けるのは難しい。ロボで盛り付けできると外食産業での省人化につながる。 奈良先端科学技術大学の研究チームは、天ぷらの立体的な盛り付けロボットを開発した。見本画像を参考にして人工知能(AI)技術で盛り付け動作を生成する。天ぷらの把持候補点を絞り込むなど、学習データをこれまでの30分の1に抑え、少ない学習で立体盛り付け動作ができるようになった。 天ぷら以外にも、積み方や見せ方に付加価値のある分野で活躍が期待される。 『参考資料』

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        【技術科教師旅】島津製作所 創業記念資料館

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        • 科学技術館巡り
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          呼吸するロボットクッション

          「ロボティクスで、世界をユカイに。」を掲げてロボットの企画・開発するユカイ工学株式会社は、9月20日から呼吸するクッション「fufuly」を発売する。 「fufuly」は、呼吸するように、ふくらんだり縮んだりする不思議な呼吸誘導型のロボットクッション。子供や犬、猫を抱っこしている時に感じる呼吸を感じられる。 これはリラックスできそうだ!! 『参考資料』 ユカイ工学オンラインストア https://store.ux-xu.com/products/fufuly

          呼吸するロボットクッション

          光ると冷たくなる物質

          冷却する素子として現在普及しているのは、電気を通すと片方の面が熱を放ち、反対の面が吸熱して冷却する効果がある「ペルチェ素子」があります。しかし、ペルチェ素子は、熱を逃がす場所が必要になるという欠点があります。 千葉大の研究チームが今回開発した材料は、特定波長のレーザー光を照射すると吸収して発光します。このときに当てられた光よりも強いエネルギーを持つ光を放出するという特徴があります。エネルギーが光に変換されるため、物質の持つ熱エネルギーが奪われて冷えます。10分ほど光を当て続

          光ると冷たくなる物質

          技能五輪国際大会

          フランス・リヨンで9月11日から14日に開催された技術のオリンピック「第47回技能五輪国際大会」が閉幕しました。今大会は国を挙げて大会に挑んだ中国、韓国が多くの競技で圧倒的な強さを見せつけたようです。 あまり知られていない技能五輪ですが、競技職種は、機械系(9職種)金属系(5職種)建設・建築系(9職種)電子技術系(5職種)情報通信系(3職種)サービス・ファッション系(10職種)あわせて41職種の種目があります。日本の物作りを支える技術者達の代表が戦います。 2028年に開

          技能五輪国際大会

          宇宙ゴミ問題

          欧州宇宙機関(ESA)によれば、宇宙空間に存在する大きさ10センチメートル以上のデブリの数は、15年には約1万5000個だったのに対し、24年には約4万500個に増加している。その数は今後も急速な勢いで増えると見られている。 24年8月6日、中国のロケット「長征6号A」は打ち上げ成功後、軌道上でロケット上段が何らかの原因で破砕し、700個以上のデブリを生成した。いったんデブリが発生すると、低軌道(LEO)の場合は数十年から数百年間そこに残留する。 デブリの急増に伴い、衛星

          宇宙ゴミ問題

          上越新幹線ドライバレス運転

          JR東日本は、グループ経営ビジョン「変革2027」に掲げるドライバレス運転の実現に向けて検証を進めています。 ドライバレス運転の導入により、需要に応じた柔軟な列車運行ができ、乗務員の人手不足問題解決にもなる。 2028年度に長岡駅~新潟新幹線車両センター間(60.8km)の営業列車と回送列車の自動運転 2029年度に新潟駅~新潟新幹線車両センター間(5.1km)の回送列車のドライバレス運転 2030年代中頃には、東京駅~長岡駅間に自動運転を導入したのち、東京駅~新潟駅

          上越新幹線ドライバレス運転

          フルーツの王様

          「フルーツの王様」、「悪魔のフルーツ」とも呼ばれるドリアン。沖縄県石垣島で日本初のドリアンの商業生産が始まります。 この取り組みのきっかけは、日本ドリアン普及協会名誉会長で、自身も大のドリアンファンという河野太郎デジタル大臣の「沖縄でドリアンが作れませんか?」という一言。 日本ではあまり馴染みのないドリアンだが、中国では1兆円を超える市場規模がある。原産地はマレーシアで、タイやベトナムなど東南アジア地域でも広く栽培されており、現地では国内外問わず多くの需要があるという。

          フルーツの王様

          味の素『電気調味料』

          日本人は塩分摂取量が多い。厚生労働省の調査では20歳以上の平均で1日あたり10.1グラムと、世界保健機関(WHO)が掲げる推奨量(同5グラム未満)の2倍だ。塩分の取り過ぎは高血圧などを招きやすくなる。 味の素は、人体に影響のない微弱な電気刺激によって食べ物の塩味を持続的に増幅する”電気調味料”を開発した。首の後ろと下顎に刺激を加えると、食べ物から感じる塩味を強く感じる。 満足感のある味を楽しみながら減塩できる、食事制限されている方には嬉しいことだ。 『参考資料』 ht

          味の素『電気調味料』

          人工光合成の世界最大級実験施設

          二酸化炭素(CO2)と水から太陽光の力で、エネルギーや化学原料を作る人工光合成の実用化に向けて、大規模な実証が始まる。 信州大学は、長野県内でも気候が温暖で日照時間が長く、雪の少ない飯田市の産業振興施設「エス・バード」に人工光合成によって水素を製造する装置を数百個設置する計画だ。装置の規模は計3000平方メートル程度になる。 人工光合成は、水とCO2からデンプンと酸素を作る植物の光合成をまねた技術で、1967年、藤嶋昭氏らが、酸化チタンに光を当てると、周囲の水が酸素と水素

          人工光合成の世界最大級実験施設

          【技術史】ウィーン万国博への参加

          ウィーン万国博への参加は、日本の伝統工芸品を出品することと、技術伝習に力点が置かれたのに対して、アメリカ独立100周年のフィラデルフィア万国博への参加の目的は、他国の出品物の研究調査に重点が置かれました。日本の産物と同種でありながら製法の異なる物、日本に産しない物、貿易上競争となる物品などについて精密な調査が行われました。 さらに、この万国博の参加の経験にもとづいて、内務省は国内で大博覧会を開くことを計画します。明治期の日本産業発展に大きな影響を与える「内国勧業博覧会」で

          【技術史】ウィーン万国博への参加

          スリープテック•カプセルホテル

          JR品川駅港南口至近のカプセルホテル「ナインアワーズ品川駅スリープラボ」は、睡眠解析サービスを提供している。 カプセルユニット内に備えた赤外線カメラや集音マイク、体動センサーで収集・解析して、利用者に睡眠リポートを提供してくれます。リポートには心拍数やいびき、無呼吸になった回数や時間、寝返り回数などが記載されます。 今後は、脳波センサーやNTT物性科学基礎研究所が開発中の深部体温センサーを導入する予定睡眠時を客観的に知ることができます。 『参考資料』 https://

          スリープテック•カプセルホテル

          【技術史】万博と日本の近代化2

          1873年のウィーン万国博への参加により伝統工芸品で一躍ヨーロッパに存在を知らせることができた日本だが、ウィーン万国博の参加には、もう一つ重要な目的がありました。それはこの機会にヨーロッパ先進国の工業技術を学ぶ機会を得ることでした。ウィーン博への派遣団は71人という大人数で参加し、渡航した人々のうちから適当なメンバーを選び、ヨーロッパ各地に散って、各種軽工業の技術を学び、日本の技術力向上に貢献しました。 大久保利通は、産業の全体的な発展のためには、博覧会が大きな役割を持つこと

          【技術史】万博と日本の近代化2

          万博と日本の近代化1

          1851年、イギリスは世界で初めて万国博をロンドンで開催されました。それは1750年ごろからイギリスで起こった新しい工業社会の時代に入ったことを、世界に示そうとするものでした。 アメリカやインドから供給される原材料を工業製品化し、世界の工場に送り込む。この工業社会のシステムの構築により、イギリスは7つの海を支配していました。 博覧会は一種の見本市として国内の産業の発展に好影響を与えるという一面もあることから、18世紀にはヨーロッパ各地で開催されるようになりました。 日本は、

          万博と日本の近代化1