何年も前から温めている物語がある。やはりロードノベルである。テーマのひとつは「老い」。これは私自身が実際に戸惑っている問題でもある。ともあれ物語の中で旅をし、じっくりと考えてみたい。ただ派手さがないので、出版社としては扱いづらいだろう。版元を探す旅になるかもしれない。
私の作品にはロードノベルが多い。映画も、好んでロードムービーを観る。なぜにこうも旅物が好きなのだろうと考えるが、答えは見つからない。ただ中学生の頃に観た、映画「イージーライダー」の影響は明らかにあると思う。なにかがピタリと嵌った覚えがあるのだ。洋楽への傾倒もこの頃からだろう。
解説①まず「長いな」と思われたでしょう。短編の定義は、じつは業界でも曖昧です。でも慣習として、400字原稿用紙で百枚までですね、短編は。今回のものは67枚ですし、やはり短編です。けれどネット界隈では、枚数ではなく文字数で計算されています。そうなりますわな、無駄な空行ばかりですし。
私はプロだがとてもマイナーな作家である。文学賞の受賞もないし、映像化された作品もない。ベストセラーもない。そして寡作である。なのでこのまま埋もれようと考えていたが、一方でこんな作家もいたのだと知ってほしい気持ちもある。ということで決めました。「はじまりへの旅」を無料にいたします。
これも思ってもいなかったことを実行する。創作大賞に応募するのだ。調べたら、条件はすべてクリアしている。もちろん、すでにプロで書いているのでデビューが目的ではない。「賑やかし」である。「枯れ木も山の賑わい」というではないか。それに、古木の枝ぶりを愛でてくれる人がいるかもしれない。