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言葉の宝箱 1105【綺麗な場所に行ったら、死ぬのが惜しくなりそうだったので】

『世界の美しさを思い知れ』額賀澪(双葉社2021/12/25)

蓮見貴斗と尚斗は一卵性双生児。弟の尚斗は人気俳優だったが、遺書も残さずに自殺。葬儀を終えて数日後に尚斗のスマホが見つかり、貴斗が電源を入れると顔認証を突破できてしまう。未読メールには礼文島行きの航空券が届いていた。自殺したのに、「どうして旅行に行こうとしたのか」その答えを知るために貴斗は旅立つ。人気絶頂で自殺した愛する弟は何に悩んでいたのか。止められなかった自らの後悔を胸に世界を旅する貴斗。「生きること」と「死を受けとめること」の意味を問うロードノベル。
(road novel*主人公が旅をしていく先々で起こる出来事を描く小説)
【第一章礼文島】【第二章マルタ島】【第三章台中】【第四章ロンドン】【第五章ニューヨーク】【第六章ラパス】【最終章尚斗】


・混乱した人間の心は、
一ヶ月ちょっとで上手いことなだらかになるらしい P105

・綺麗な場所に行ったら、死ぬのが惜しくなりそうだったので P197

・お金はいらないから、そのぶん、明日も生きてちょうだい P249

・行くことで何かが解消されるとか、何かの区切りがつくとか、
そんな都合のいいことが起こるとは思えないけど。
でも行けば何かしらきっと楽しいし、
綺麗な景色を見て美味しいものを食べれば、気分はいい。
思い出に残るものが一つ二つ必ずある。
それらは悲しみや憤りの上に降り積もり、混ざり合う P286

・死は悲劇ではない(略)
どうか世界が昨日よりも美しくあってほしい P325


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