『ペーパー・リリィ』(佐原ひかり)
軽やかに駆け抜ける、女2人のロードムービーを見た感じ。
文章が頭の中で映像になり、2人の笑い声や言い合う声を耳で聞いた気持ちになり、暗い夜道を一緒に歩いたような気がして、最後は自分の気持ちがとても楽になっているのを感じました。
表紙の絵がとても可愛くて、最初は電車で読むのが少し恥ずかしかった。でも話を読み進めるうちに、この絵がたまらなく愛おしくなってくる。物語の世界にぴったりで、とても好きになりました。読んでいる途中に、何度も見てしまうくらい。
きっと本屋で平積みされているのを見ただけなら、きっと「自分向け」では、ないと思って、手に取ることはなかったと思います。Twitterで見つけてよかった。
毎日に息苦しさを感じているとき、きっとこの物語があなたを夏の逃避行に連れて行ってくれると思います。
そして、いつも自分を正当化してしまい、それに気づいて自己嫌悪に陥ったりすることがあるなら、そんな自分も愛せるような、自分にも優しくなれる、そんな一冊です。
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