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【映画感想文】健康に狂うためデイヴィッド・リンチの映画を14歳の夏から見続けてきた。それは目覚めたまま見る夢である。デイヴィッド・リンチよ、永遠なれ!

【映画感想文】健康に狂うためデイヴィッド・リンチの映画を14歳の夏から見続けてきた。それは目覚めたまま見る夢である。デイヴィッド・リンチよ、永遠なれ!

 デイヴィッド・リンチが亡くなった。もう新作映画を見ることができないと思うと寂しくて、悲しくて、絶望的な気持ちになったが、ご家族がXにポストした言葉を読んでフフッと笑ってしまった。

 なるほど、「穴ではなくドーナツを見続けるんだ」か。この視点の逆転こそがリンチの魅力だよねと改めて好きになってしまった。

 14歳の夏、たまたま入った恵比寿ガーデンシネマで『インランド・エンパイア』を見たことで、わ

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最近読んだ本

最近読んだ本

倉阪鬼一郎

えん結び 新・人情料理わん屋
川開きをむかえ、にぎわう江戸。おちさと竜之進夫婦が営む「えん屋」が見世びらきすることになった。円い器で料理を供す「わん屋」の姉妹店で、椀や盆など円い器だけを全て三十八文で売る見世だ。その準備のさなか、里親探しの刷物を配る僧を見かける。易者でもある竜之進は妙な気配を感じ、占ってみると……。

開運わん市 新・人情料理わん屋
新年の江戸。料理屋わん屋に集う常

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もう一歩だった作品『今だけ』(短編小説)🐆

もう一歩だった作品『今だけ』(短編小説)🐆

こんばんは
クロノヒョウです

以前の記事で紹介した
オレンジ文庫さんの短編賞

もう一歩だった作品
『今だけ』
こちらはもともとは私がカクヨムさんでやっているお題企画で書いた作品でして
それを加筆訂正したものになります
よかったら読んでみてください
その時のお題は「ミニシアターで恋をして」です
なのでごりごりの恋愛モノです(*´-`)

『今だけ』   (7119文字)   クロノヒョウ

「お

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4K 坂の上の雲も最終回

4K 坂の上の雲も最終回

12月27日にここで記したことを、先に思い出してもろうてよかですか。

綺麗に生まれ変わった、4K-NHK放送の坂の上の雲も、無事に最終回を迎えました。感無量、です。

前話が、取り舵一杯で敵前回頭する丁字戦法のはじまりで終わった。
最終回はそこから、日本海海戦が始まる。

VFXでここまで表現できるか、という部分を、さらに4Kで魅せるので迫力は満点です。安っぽいジオラマや特撮ではないので、本当に

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「君が音ぞする」完結しました&雑感

「君が音ぞする」完結しました&雑感

 明けましておめでとうございます。皆様穏やかな新年をお迎えでしょうか。当地は元旦までが休日で、二日から既に平常運転です。風情がない…(涙)
 先ほど少々雪が降っていました。週明けはかなり冷え込み雪となる予報でして、学校は休校になるかもという噂です。暖冬傾向ですがどうなることか。日本は大雪のエリアもあるようですね。どうぞ気をつけてお過ごしください。

 さて、『おやこ見習い帖』番外編2「君が音ぞする

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爽やかな血煙立つロードノベル、 筑前助広  「独狼  念真流無間控」 (いまごろかよ!)

爽やかな血煙立つロードノベル、 筑前助広 「独狼 念真流無間控」 (いまごろかよ!)

いえね・・・去年、公私ともにいろいろありまして。

自分のことにばかりにかまけて視野狭窄状態、全くと言っていいほど人の作品が読めなかったのです。時間的に無理、というより精神に全く余裕がない感じ。とりあえず本を開いて、活字を目で追っても、心はうつろで意識がついていかず、もちろん内容は全く中に入ってこない・・・なので、楽しくない。その作品のせいではなく、自分のコンディションが悪くて、良い読書ができない

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持ち主の念が宿る「着るもの」に纏わる最恐の怪異譚52話『着ル怪談』豪華22人アンソロジー内容紹介!

持ち主の念が宿る「着るもの」に纏わる最恐の怪異譚52話『着ル怪談』豪華22人アンソロジー内容紹介!

気鋭の22人が綴る「着る」に纏わる怪異譚全52話!

あらすじ・内容着物、洋服、帽子、靴、眼鏡…身に着けるものには持ち主の業と情念がいつまでも蠢いている。
●真夏の肝試し、Tシャツ姿で参加していたはずの友人が最後に着ていたのは…「赤いセーター」郷内心瞳
●会社のロッカーの中の制服が、一瞬喪服に見えた朝。その予兆とは…「そこにあった黒」松本エムザ
●女子高生の夢に現れる中年男が渡してくる白い布とは…

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名前のないその感情に愛を込めて

名前のないその感情に愛を込めて

 あの夏を、今でも覚えている――。

 風に揺れる葉と踊る木漏れ日。セミの鳴き声につられて迷い込んだ山道。
 山間の開けた場所に突如現れた古びた鳥居と、そこに貼られた半分掠れて見えなくなっているお札。
 切れかかったしめ縄は垂れさがったままゆらゆらと宙を揺蕩い、辺りを不思議な空気が包み込んでいた。
 親から、山に入ると悪い天狗に連れ去られてしまうぞ! と脅されていたことを思い出す。

「ここが、天

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誰もが口を噤む禍々しさを纏った怪談集『怪談怖気帳 地獄の庭』(黒木あるじ/著)著者コメント+収録作「のこびき」全文公開

誰もが口を噤む禍々しさを纏った怪談集『怪談怖気帳 地獄の庭』(黒木あるじ/著)著者コメント+収録作「のこびき」全文公開

その禍々しさに誰もが口を噤む!

あらすじ・内容「なにがあっても絶対に入ってはいけない!」
家の庭の片隅にある〈じごく〉と呼ばれる場所。
誰も教えてくれない絶対禁忌の謂われとは―― 「地獄の庭」より

どの話も禍々しく、奇しく、なんとも得体が知れない──怪談イベントなどで黒木あるじが取材してきた多くの怪談の中からさらに不穏な話を選りすぐり収録。
・旧家である実家の庭の片隅でいったい何があったのか「

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混雑

知らない紳士がNNさんの横に座った
なんか馴れ馴れしく話しかけ始めた

ここ
混雑してますね

(ああ馴れ馴れしい)
(NNさんの表情もそう言ってる笑)
(でも構わず男は話し続ける)

そんなでもなく見えますか
失礼
私はいろいろ視(み)えるもので

ふうん
視えるんだ

NNさんの表情はそう言ってる
例えばどんな?

あのあたりには地縛霊が
あそこには浮遊霊が
そしてあそこには狐と狸が・・・

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【独り剣客 山辺久弥 おやこ見習い帖】 読書#142

【独り剣客 山辺久弥 おやこ見習い帖】 読書#142

みなさん、いつもお世話になっております!
本日は、私の投稿の軸とする一つ「本」「読書」に関して書かせていただきます。

自己紹介に書いたマイルールを守りながら、私の大好きな本について書いていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします!

今回は、久々の小説です!
日本の時代ものです。

ヘッダーは、SoNoさんの作品を使わせていただきました!
ありがとうございます!!

目次基本情報笹目 い

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【読書感想】『文豪と感染症 〜100年前のスペイン風邪はどう書かれたのか〜』

【読書感想】『文豪と感染症 〜100年前のスペイン風邪はどう書かれたのか〜』

九條です。

今日(11月7日)は「立冬」。暦の上ではもう冬ですね。ここ大阪(近畿地方)では今日「木枯らし1号」が吹きました。

インフルエンザが流行りだす時期でもあります。皆さま、気をつけてくださいね。

最近はインフルエンザのことを「流感」(流行性感冒の略)とは言わなくなりましたね。私が小さかった頃(昭和40年代)には普通に「流感」という言葉を使っていました(風邪は「感冒」と言っていました)。

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【読書感想】『病が語る日本史』

【読書感想】『病が語る日本史』

九條です。

日本の歴史上、どのような病気が流行してきたのか?

その流行病を私たちの祖先はどのように乗り越えてきたのか、克服してきたのか?

果たしてその病は根絶できたのか、まだ残っているのか?

本書『病が語る日本史』は、縄文時代の遺跡から発掘された人の骨の分析からはじまり、先史・古代・中世・近世そして近代(明治以降)までの我が国で流行した病について、その歴史を簡潔に纏めたものです。

著者は

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