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誰もが口を噤む禍々しさを纏った怪談集『怪談怖気帳 地獄の庭』(黒木あるじ/著)著者コメント+収録作「のこびき」全文公開

誰もが口を噤む禍々しさを纏った怪談集『怪談怖気帳 地獄の庭』(黒木あるじ/著)著者コメント+収録作「のこびき」全文公開

その禍々しさに誰もが口を噤む!

あらすじ・内容「なにがあっても絶対に入ってはいけない!」
家の庭の片隅にある〈じごく〉と呼ばれる場所。
誰も教えてくれない絶対禁忌の謂われとは―― 「地獄の庭」より

どの話も禍々しく、奇しく、なんとも得体が知れない──怪談イベントなどで黒木あるじが取材してきた多くの怪談の中からさらに不穏な話を選りすぐり収録。
・旧家である実家の庭の片隅でいったい何があったのか「

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混雑

知らない紳士がNNさんの横に座った
なんか馴れ馴れしく話しかけ始めた

ここ
混雑してますね

(ああ馴れ馴れしい)
(NNさんの表情もそう言ってる笑)
(でも構わず男は話し続ける)

そんなでもなく見えますか
失礼
私はいろいろ視(み)えるもので

ふうん
視えるんだ

NNさんの表情はそう言ってる
例えばどんな?

あのあたりには地縛霊が
あそこには浮遊霊が
そしてあそこには狐と狸が・・・

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【独り剣客 山辺久弥 おやこ見習い帖】 読書#142

【独り剣客 山辺久弥 おやこ見習い帖】 読書#142

みなさん、いつもお世話になっております!
本日は、私の投稿の軸とする一つ「本」「読書」に関して書かせていただきます。

自己紹介に書いたマイルールを守りながら、私の大好きな本について書いていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします!

今回は、久々の小説です!
日本の時代ものです。

ヘッダーは、SoNoさんの作品を使わせていただきました!
ありがとうございます!!

目次基本情報笹目 い

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【読書感想】『文豪と感染症 〜100年前のスペイン風邪はどう書かれたのか〜』

【読書感想】『文豪と感染症 〜100年前のスペイン風邪はどう書かれたのか〜』

九條です。

今日(11月7日)は「立冬」。暦の上ではもう冬ですね。ここ大阪(近畿地方)では今日「木枯らし1号」が吹きました。

インフルエンザが流行りだす時期でもあります。皆さま、気をつけてくださいね。

最近はインフルエンザのことを「流感」(流行性感冒の略)とは言わなくなりましたね。私が小さかった頃(昭和40年代)には普通に「流感」という言葉を使っていました(風邪は「感冒」と言っていました)。

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【読書感想】『病が語る日本史』

【読書感想】『病が語る日本史』

九條です。

日本の歴史上、どのような病気が流行してきたのか?

その流行病を私たちの祖先はどのように乗り越えてきたのか、克服してきたのか?

果たしてその病は根絶できたのか、まだ残っているのか?

本書『病が語る日本史』は、縄文時代の遺跡から発掘された人の骨の分析からはじまり、先史・古代・中世・近世そして近代(明治以降)までの我が国で流行した病について、その歴史を簡潔に纏めたものです。

著者は

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樹木に纏わる怖い話を怪談作家16名が総力取材!『伝承異聞 呪林』収録話&試し読み「戒め」(久田樹生・著)全文掲載!

樹木に纏わる怖い話を怪談作家16名が総力取材!『伝承異聞 呪林』収録話&試し読み「戒め」(久田樹生・著)全文掲載!

古来より人々から畏れ崇められてきた「樹木」に纏わる怖い話!

あらすじ・内容「生きた人間の〈気〉を〈木〉に入れる」
それが儀式の目的だった…その後その人達はどうなるのだろう。
「木の話——ハーニーヌの鉄槌」より

遠く古の世より依り代として神聖視され、畏敬の念をもって人々から崇められてきた「樹木」に纏わる怪談アンソロジー。
叔父の遺言めいた「庭の木を全部伐ってくれ」という言葉は何を意味するのか…「

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『深川あやかし屋敷奇譚』新章開始しました☆

『深川あやかし屋敷奇譚』新章開始しました☆

 皆様こんにちは。日本では台風が接近中とのこと。週末は天気が荒れそうですね…大きな影響がありませんように。皆様どうぞ安全にお気をつけてお過ごしになってください…。

 さて、新作刊行の情報解禁ではなく(すみません、まだもうちょっと先です)、更新のお知らせをさせていただきます。
 アルファポリスにて公開中の『深川あやかし屋敷奇譚』、新章「犬神」を本日より公開開始いたします。
 初日のみ2話公開、全1

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『盗まれた街』(ジャック・フィニイ)は四回も映画化されているが結局は「映像化不可能なSFホラー文学」だと思ったハナシ

『盗まれた街』(ジャック・フィニイ)は四回も映画化されているが結局は「映像化不可能なSFホラー文学」だと思ったハナシ

もともとは「ホラーや怖い話」好きだった少年時代から、SF好きな大人に移行したのが、私、ヤシロの読書経歴。

そういうわけで、SF好きを自認するようになってからも、

結局は「SFホラー」といわれるような、怖い系のSFが大好きです!

で、そんな中でも、小説で言うならば、

ジャック・フィニイの『盗まれた街』のことが、物凄く、好きなのです!

これこそ、名作!

一度読み始めたら、途中でやめられない

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怪異体験と社会的事件。新たな切り口で迫る怖い話『怪事件奇聞録』(吉田悠軌/著)著者コメント+収録話「S坂の怪 1」全文掲載

怪異体験と社会的事件。新たな切り口で迫る怖い話『怪事件奇聞録』(吉田悠軌/著)著者コメント+収録話「S坂の怪 1」全文掲載

怪異体験と社会的事件――新たな切り口で迫る怖い話!

あらすじ・内容「この怪談を語るたび、必ず悪いことが起こるから」
初めて明かされる絶対禁忌の体験談 
(収録話「話してはいけない話を話したこと」より)

・帰宅途中の道に現れるという黒いロングヘアの白い女。調査により明らかになる、とある事件との関係「S坂の怪」
・付き合っていた女性とその子供たち、一緒に暮らしはじめるが不穏なことが…「新しい家族」

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もう、やってらんねえよ !!

もう、やってらんねえよ !!

私が第6回アルファポリス歴史・時代小説大賞の特別賞をいただき、その受賞作を改稿した「敵は家康」でプロデビューさせていただいてから、はや2年半。

短いようで・・・しかしとっても、とっても長い2年半でした。

そのかん私は、(日々の活計を得ることのほかに)2作目を出すことに全力を傾けて参りました。が、なかなかうまく実を結ばず、悶々とした焦慮の日々が続き・・・私がそうやって停滞しているあいだにも、ほぼ

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【絵本レビュー】 『ひまなこなべ』

【絵本レビュー】 『ひまなこなべ』

作者:萱野茂
絵:どいかや
出版社:あすなろ書房
発行日:2016年8月

『ひまなこな』のあらすじ:アイヌでは万物に神が宿ると考えられ、中でもクマは特別な存在。
肉や毛皮をもたらしてくれるお礼に、感謝の気持ちをこめてにぎやかな宴を開きます。
そんなすばらしい宴の場で、クマの神は、踊りの上手な不思議な若者に出会うのですが、
その若者は実は、「こなべ」(小さい鍋)の神だったのです。
クマの神は、その

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シャーロック・ホームズの新冒険(下)

シャーロック・ホームズの新冒険(下)

ずっと書こうとして書いてなかった、この本の中に収録されてるスティーヴン・キングが書いた短編の紹介っす。

現代の著名な作家たちが、ホームズやワトソンを描いた短編集。
実は私、キングの作品しか読んでません😅
この作品を知ったきっかけは昔、米国から帰国したばかりの頃でした。
シャーロック・ホームズが大好きな友人がいて、彼と話しているうちに
「そういえば。キングといえば、自分が好きなのは『ショーシャン

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あの本棚に、会いに行こう。

あの本棚に、会いに行こう。

いつもどおり目は覚めたのに、なかなか起き上がれなかった。

雪だるまのある天気予報を思い出して、耳をすます。
かすかに、音がする。
雨だ。

いつもより15分くらい遅れた朝のスタート、お湯を沸かす、ごはんを炊く、お味噌汁の具を考える。(今日は、野菜のちびっちゃい残りたちを刻んで入れる。)

今日は潔く身体を動かすことはやめ、いつもの本をひらく。
「自省録」は、深く考えず、理解しようと力を入れず、大

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