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図書館司書が「『ふしぎの国のアリス』の絵本ってありますか?」に即答できない理由とは?
こんばんは、古河なつみです。
今回は、一見すると簡単な質問なのに図書館司書時代の私が考え込んでしまったレファレンス質問を一つご紹介します。
(内容については少し改変を加えています)
Q.幼稚園の子でも読める『ふしぎの国のアリス』の絵本を探しています。
有名な作品なので、もちろん絵本もあるはず……とお問い合わせが多いのがこの『ふしぎの国のアリス』という作品です。『しらゆきひめ』だって『シンデレラ
図書館司書が「それは書店さんに行った方が……」と思ってしまったお問い合わせの話
こんばんは、古河なつみです。
私が図書館司書をしていた時に利用者の方から質問されて調べると、「それは書店さんに行かれた方がすぐに解決できるのでは……」と思ってしまう事例に遭遇した事がありました。
その一例を今回ご紹介したいと思います。
Q.凪良ゆうさんの「イスパハン」が読みたいです。
凪良さんの近年の作品はどれも話題になるものばかりだったのに、聞きなれないタイトルだったのでインターネットで検索
図書館司書が探した「スティックシュガーの猫」とは?
こんばんは、古河なつみです。
以前にもご紹介した事があるのですが、図書館でレファレンス(調べ物の相談)を受けて頭を悩ませた「うろ覚えの書名」をまたご紹介したいと思います(状況や質問者さんの言葉については単語を入れ替えたりしております)。以前の記事は下のリンクからどうぞです。
Q.『山手線魔法少女ミラクルリーナ』という本を探しています。
私「……村田沙耶香さんですよね?」
利用者さん「そうです!
図書館司書が密かに文庫版は出ないのかなぁ……と思っていた小説の話
こんばんは、古河なつみです。
たまたま朝日新聞の記事(2023年6月6日夕刊一面)で読んだのですが、書泉グランデの書店員さんが長い間重版されていなかった本を出版社に掛け合って売り出したところ、2ヶ月で2万冊もお客さんに手に取ってもらえたという出来事があったそうです。熱意ある展示方法の紹介を読みながら「図書館もここまでできたらなぁ~」と羨ましく思っていたのですが、そういえば私も司書時代に「どうして出
図書館司書のお仕事「魔法の呪文みたいなタイトルの小説探してるんです」
こんばんは、古河なつみです。
少し前に福井県立図書館さんが出版した『100万回死んだねこ 覚え違いタイトル集』という本が話題になりましたが、図書館は本当に「覚え違い」の宝庫です。今回は私が遭遇した事例をいくつか紹介していきたいと思います。
『100万回死んだねこ』福井県立図書館
導入で最初に挙げたこの本が生まれた事で新しい混乱が起きています。
「100万回のねこみたいな本ありますか?」
「ああ
図書館司書のレファレンス集「ぶたたぬききつねねこみたいな本ってあります?」
こんにちは、古河なつみです。
私が図書館司書をしている時に調べ物の相談(レファレンス)を受ける事が多くありました。
その中でもくすっと笑えた事例を一つご紹介します。
(※相談内容については所々単語を差し替えてあります)
「ぶたたぬききつねねこ」みたいな本ってあります?
2021年の夏ごろ、とある女性から問い合わせを受けました。
『ぶたたぬききつねねこ』は「11ぴきのねこシリーズ」でもお馴染みの
司書の失敗談④「そんな刑事さんがいるんですか……!?」
こんばんは、古河なつみです。
図書館に所蔵されている本の中にはミステリ小説もたくさんあります。
ミステリ小説と言えば名探偵・名刑事が登場するのが醍醐味ですよね。
よく問い合わせでも「あの刑事のシリーズの続きが読みたいけど名前が思い出せないんだよねぇ……」という相談を受けます。
そのせいで私も先入観を持ってしまっていたために情報の特定までに時間が掛かってしまったレファレンス(調べ物)を紹介します。
元司書が興味本位で調べたら行方不明の絵画を見つけてしまった話
こんばんは、古河なつみです。
読書をしていてふと「これってどういうことなんだろう?」と疑問に思う物事があった時、ついつい元司書スキルを発動して事実確認をしてしまう癖があるのですが、想像以上に面白い結果になった調べ物があったのでご紹介します。
きっかけは『サザビーズで朝食を』に収録されていたお話
「サザビーズ」という有名な美術オークションの競売人であるフィリップ・フックという方の著書『サザビーズ