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#映画感想文

映画レビューをnoteで書いてみませんか?お題企画「#映画感想文」で募集します。

新着の記事一覧

【人生の美しき終わらせ方】映画『ザ・ルームネクストドア』感想

病に侵され安楽死を望む女性と彼女の友人の最後の数日間を描いた映画『ザ・ルームネクストドア』。 監督は『オール・アバウト・マイ・マザー』、『トーク・トゥ・ハー』等の作品で知られるスペインの巨匠ペドロ・アルモドバル。 今作はアルモドバル監督にとって初の長編英語劇にあたる作品で2024年のベネチア国際映画祭では最高賞の金獅子賞を受賞している。 出演は『フィクサー』、『デッド・ドント・ダイ』のティルダ・スウィントンと『アリスのままで』、『メイ・ディセンバー ゆれる真実』のジュリア

ほぼ二人だけで100分の映画を成立させていた「ドライブ・イン・マンハッタン」

監督と主演女優がトラブルを暴露した「ふたりで終わらせる」の脚本家クリスティ・ホールが本当にほぼ二人で終わらせる映画を監督した「ドライブ・イン・マンハッタン」。その二人はショーン・ペンとダコタ・ジョンソンでした。 物語はジョン・F・ケネディ空港からタクシーに乗り込んだプログラマーの女性はこの日の仕事をこれで終わらせようと思っていたタクシー運転手クラークの恰好の話し相手にされる。タクシーは高速で事故渋滞にはまり、女性はクラークからいろいろ根掘り葉掘りプライベートなことを聞かれる

映画、花束みたいな恋をした。内向型サブカル男女に見る出会いと別れ。(ネタバレ注意)

気になってたんですけどやっと見ました! 麦くんと、絹ちゃん。名前がかわいい! 菅田将暉くんと有村架純ちゃん。 大学生から社会人までの出会いと別れ。 二人とも、集団カラオケとか合コンとか苦手なタイプ。サブカル男女で趣味が合う!から3回目のデートで付き合ってください、言うか言わないかお互いもだもだしてる。がわいい!INFJかPカップル? 何だかんだでお付き合いスタート☆ 先に就活する絹ちゃん。なかなか上手く行かない。終いに圧迫面接受けて麦くんとの電話口、普通に聞こえるのに

【ハルキゲニア】ファーストキス 1ST KISS【映画感想】

日曜日に観に行ってきました! タイムスリップして結婚前の夫に会い、彼を死の運命から救うために妻が奔走します。 各所で言われている通り、バタフライエフェクトやバックトゥザフューチャー的なお話ですよね。 終盤は正直ウトウトしてしまったのですけど、中盤は観ていて楽しいシーンが盛り沢山で楽しかったです。 以下ネタバレになります。 好きなシーン 個人的に一番好きなのは、過去に戻った妻が夫と出会って距離を詰めていく辺りを何度も試行錯誤して毎度違う展開になりながら少しずつ未来を変え

愛の為に生きたなら、その選択は間違いではない。映画『ファーストキス』

⚠️ネタバレ有りです⚠️ 脚本:坂元裕二さん、監督:塚原あゆ子さんがタッグを組んで制作された作品、「ファーストキス」を見に行ってきました。とっっても好きな作品で余韻が凄いので深夜ですがツラツラと感想を述べます‪ ·͜· ★2回目で、気付けなかったことに気が付く 1回目より2回目ほうが大号泣した。 1回目、新鮮な気持ちで映画館に運び、ストーリーに熱中するばかりだった。感動した余韻で様々な感想や考察を観て、見逃しているシーンが多くて驚いた。(2回目も観に行かなければ…)と

ハビエル・バルデムの狂気。『ノーカントリー』が怖すぎた。

コーエン兄弟監督作『ノーカントリー』、やっと観ました!公開当時からずっと気になっていた作品なのですが、想像を遥かに超える傑作でした…! まず、何と言ってもハビエル・バルデム演じる殺し屋シガーの存在感。あの独特なヘアスタイル、無表情な顔、そして何よりも冷酷非情な殺人っぷり…!正直、トラウマになりそうです(笑)。特に、コインを使って生死を決定するシーンは、観ているこっちまで息が止まるかと思いました。あの狂気じみた雰囲気を、完璧に表現できるバルデムは本当にすごい。アカデミー助演男

映画日記 2/20

コリン&キャメロン・ケアンズ兄弟が監督した『悪魔と夜ふかし』(2024)を観た。 なかなか見応えがあって、面白かった! 成功を夢見る司会者ジャックの尽きぬ欲望が、映画が進むにつれて徐々に高まっていき、それと呼応するように奇妙な現象が番組収録の現場で次々と起こっていく。そして、最後には大変な事態を招く。そのボルテージが徐々に静かに、でも確実に高まっていく感じが怖くて、でも目が離せなかった。 当時のバラエティーショーを再現する映像の作り込み方も、すごい。作り手側の気合いを感

映画『セプテンバー5』鑑賞

1972年ミュンヘンオリンピックの選手村で起きた人質テロ事件を、当時アメリカの放送局が全世界に衛星中継で生放送した舞台裏を追った映画である。 1972年というと50年以上前になる。第2次世界大戦終戦から27年、当時は東西冷戦、資本主義圏と共産・社会主義圏で対立が続いていた時代だ。ドイツも2つのドイツ、西ドイツと東ドイツにわかれていた。 映画のなかでキューバ対アメリカのボクシングで盛り上がる話がでてくるが、当時は世界が大きく2つにわかれて対立していた為に、スポーツでも東西対立

Don't Think,Feel!「言葉」の呪いを「身体」で解放~映画『恋脳Experiment』~

映画『恋脳Experiment』(岡田詩歌監督、2025年。以下、本作)の終盤でアニメシーンになったとき、私は「これは令和版『21世紀の女の子』なのではないか」と思った。 『21世紀の女の子』は、2019年2月(つまり、ギリギリ平成)に公開された、映画監督である山戸結希がプロデュースした(自身を含む)15人の女性監督によるオムニバス映画である。 山戸はパンフレットに収録された映画ジャーナリストの金原由佳氏との対談において、15本の作品をこう評した。 本作の主人公山田仕草と

映画1000本 17本目 マイノリティリポート

2002年公開アメリカ映画 監督スティーブンスピルバーグ 主演トム・クルーズ トム・クルーズ主演のSF映画とは知ってましたがまたスピルバーグの映画でした。あらすじは入りの部分は知ってたので、少し見やすかったです。 あらすじ 近未来のアメリカ、殺人犯罪を抑止するために予知能力をもった三人のプリコグを使用して犯罪をあらかじめ予防することが可能になった。 その組織の刑事である主人公ジョンは自分が犯罪を犯すことがわかり、逃亡する。逃亡先でプリコグの1人が殺人予知を覆すマイノリティ

スティーヴン・コンスタンスキ監督の映画「サイコ・ゴアマン」レビュー「デビルマン対シレーヌ異聞」

かつて惑星ガイガックスを拠点に 暴虐の限りを尽くした悪魔王は神聖騎士団によって封じられ, 王の力の源である宝石は辺境の星の地中深く埋められ, 宇宙に恒久の平和が訪れたかに見えた。 だが辺境の星の極めて野蛮な原住民ミミによって 宝石は掘り起こされ,悪魔王は復活してしまう。 悪魔王は宝石を持つものの命令に従い… 宝石所持者が聖人なら神となり得るが悪魔だったら魔王となる 「地球が救われるも滅ぶのもミミ次第」 なのだ。 悪魔王の復活を知り,事態を重く観た神聖騎士団は団員一の剛の

キャプテンアメリカ ブレイブニューワールド感想とか

おもしろかったです。キャプテンアメリカの大きな重圧を受け継いだ新しいキャプテンアメリカ、サミュエル。どこか既視感があると思ったら子供のころに見たトランスフォーマーでした。 コンボイ司令のあとを継いだのはそれほどすごくない男ホットロディマス。ストーリーはまったくおぼえてないのですが、なぜ自分が偉大なコンボイの名を継ぐのか理解できないまま一生懸命がんばる姿を見せていくというトランスフォーマー2みたいな記憶です。 でもこれってもしかしてアメリカの王道ストーリーなんですかね。大き

(106)妖術秘伝 鬼打鬼

本日の懐かしのホラー映画は、「妖術秘伝 鬼打鬼(きだき)」(1981)。 元祖「霊幻道士」シリーズ3部作の第1弾にあたります。 虚勢は張っているものの、実はビビリな主人公・ジェン。 友人達にけしかけられた肝試しで本物の幽霊に遭遇してしまい、大慌てした事もあった程でした。そんな彼ですが、妻が誰かと浮気をしている最中に帰宅し、妻以外の誰かが家に居たのではないか?と疑念を持ちます。 妻を問い詰めてはみたものの、シラを切られるだけでした。 ただ、明らかに自分のサイズとは異なる靴が家

映画感想文「母性」母と娘の強すぎる絆に羨ましかったり気持ち悪かったり

これって母と娘ならでは、だよね。 なぜか父と息子はこうならない。むしろ反発し合うだろう。なのに、なぜか女性同士に多い、共依存な母と娘。 湊かなえ原作らしく狂気を感じて怖かった。 娘役の戸田恵梨香と母役の大地真央。美しく上品で愛し合ってる親子。大地真央は娘を褒めそやし、生まれてきてくれてありがとう。あなたを授かった日は人生で最良の日だと語る。愛が溢れすぎてて好感よりも、むしろ怖い。自分が娘ならプレッシャーである。 そう、過ぎたるは及ばざるが如し、である。 愛が多ければ

見たアクション映画まとめ231「ゴッド・ギャンブラー」 

Web上で小説を発表しているおひさまの日向満家と申します。 ※著作リスト→ https://note.com/hyuga_mitsuie/n/n1330bce1f7b8 今まで数百本見てきたアクション映画ヲタでもあります。2023年視聴分からまとめていこうかと思います。(今更ww) 「ゴッド・ギャンブラー」(1989・香) 視聴日:2025.2.19 視聴方法:Amazon Prime Video 監督:バリー・ウォン 出演者:チョウ・ユンファ アンディ・ラウ チャ

映画感想文特別編〜2025年アカデミー賞個人的予想と願望

作品賞の個人的予想と願望です。(他部門は省略です。) ◎教皇選挙 ◯アノーラ ▲名もなき者(願望)今年のアカデミー賞作品賞部門は混戦。何が起こるか分からない。 作品賞最多ノミネートのエミリア・ペレスは主演女優のSNS騒動でマイナス。作品賞有力候補のブルータリストは長時間、AI編集疑惑がマイナス。マイナス点が多く無印。 中心はアノーラだろう。カンヌなど前哨戦を多く制してきた。今の流れなら作品賞受賞は決まりだろう。ただ、作品の内容に不満を持つ投票者もいるのでは。予告編を観て

映画#90「テリファー 終わらない惨劇」

 前作の事件から1年が経ち、今年もハロウィンがやってくる。アートザクラウンも戻ってきた。今作もコミカルな動作を挟みながらも基本的には残虐かつグロテスクなアートザクラウンの非道な行為が繰り広げられる。夢の世界の演出もあり、若干のエルム街の悪夢リスペクトが感じられた。

映画#89「ブラインド・フューリー」

 盲目の剣士ニック・パーカー、戦友のフランク・デヴローの家を訪ねるが彼は行方不明で元妻リンと息子ビリーがいるのみであった。訪問して間もなくフランクを狙った襲撃にあいリンが撃たれてしまう。リンは最期の言葉にビリーをネバダ州リノに連れていくよう頼むのであった…。ルトガー・ハウアー主演のUSA版座頭市。  座頭市へのリスペクトを感じられる演出とわかりやすい勧善懲悪のストーリー。ショー・コスギ演じる暗殺者とのバトルもあり非常に娯楽性が高く、1時間半で十分な満足感を得られる作品でした。

映画#88「ある用務員」

 幼少期に父親を殺された深見は裏社会を牛耳る真島グループの総裁真島善喜に育てられ、真島の娘唯の通う高校で用務員として働きながら密かに唯のボディガードとしての役割を担っていた。真島が国内事業の撤廃を宣言したことにより、強い反発の意思をもった部下西森によるクーデターが始まった…。  阪元裕吾監督作品。ストーリーよりもアクションが見どころ。ベイビーわるきゅーれの登場キャラのプロトタイプのような要素が多く、同監督作品との世界観のつながりが感じられた。

映画#87「ヒッチャー」

 車の長距離輸送の仕事をしていた青年ジム・ハルジーは強い雨の中一人のヒッチハイカーを拾う。ジョン・ライダーと名乗るその男は不穏な雰囲気を醸し、のらりくらりとした態度から急変しナイフでジムを脅迫する。ジムはなんとか隙を見出しジョンを車から突き出し、車から追い出し逃げることが出来たが逃げる先々でジョンが現れるのであった…。殺人鬼からの逃亡サスペンス。  ルトガー・ハウアー演じるジョン・ライダーの存在感が際立っており、全く心情の読み取れない追跡者として非常に恐ろしい。

映画#86「最強殺し屋伝説田岡」

 映画監督阪元裕吾が関西殺し屋協会のフリー契約の殺し屋田岡の密着取材をするという体のモキュメンタリー。京都近郊をメインに県外出張したりと普通の仕事のように殺しをするゆるい空気感がありながらも殺し屋稼業がゴロゴロいる世界観なので不思議な映像になっている。  普通の仕事のようにトラブルやクレーム処理、出張先でご当地グルメを楽しんだり、大きな仕事のあとには打ち上げしていたりする。同監督作品を観ているのでいつもの作風という印象。

映画#85「がんばっていきまっしょい」

 ボートによるクラス対抗戦のある愛媛松山の三津東高校。昔は強豪だったというボート部も今は無い。ある日、2年生のクラスに転校生がやってきた。クラス対抗戦を見て感動したその転校生はボート部の復活に奔走する。女子高校生5人による青春スポーツもの。  原作小説、実写映画、実写ドラマと20年ほど前にメディアミックスしており、今作はフル3DCGアニメーション映画となっている。努力友情勝利といったスポ根要素は強くなく、思春期の精神面でのナイーブな面や求められる振る舞いに対する葛藤がメインで

映画#84「犯罪都市 THE ROUNDUP」

 警察署強力班マ・ソクトは班長と共に犯罪者の引き取りのためベトナムに渡る。そこでカン・ヘサンによる誘拐事件を知ったマ・ソクトは現地警察の制止を振り切り捜査を進めるのであった…。マ・ドンソクの剛腕パンチが見れるアクションスリラーシリーズ2作目。  今作も敵が残虐、鉈による出血シーンが多め。マ・ドンソク>敵>警察で強さが固定されているようなものなので、マがいないとピンチでマが来ると助かるというお約束のようになっている。コメディを挟みつつもバイオレンスやアクションをしっかりと見せて

映画#83「ボルテスVレガシー」

 ボアザン星のプリンスザルドスが地球侵略を開始。世界各地で抵抗するもボアザン星の兵器を前に歯が立たない。だが剛博士はこの時のためにボルトマシンを用意していた。五台のボルトマシンが合体(ボルトイン)することでボルテスVとなりとてつもないパワーを持って屈強な機械戦士ビーストファイターと戦い、地球の平和を守る。  フィリピンで絶大な人気がありフィリピン人により実写化された本作。アニメ版の2話までをベースに制作されており、間延びした部分もあるが熱量が瞬間的に高まりハリウッド作品に勝

映画#82「42~世界を変えた男」

 1947年、白人のみで構成されていた大リーグ。黒人差別が当然のように存在していたアメリカ野球界。ジェネラルマネージャーのブランチ・リッキーの推挙によって史上初の黒人メジャーリーガーになったジャッキー・ロビンソン、差別や誹謗中傷を浴びながらも実直なプレーを続けることで周囲を変えていく史実を元にした話。  黒人に対する差別が当たり前であった時代の話なので表立った差別が描写されており、気分が悪くなる。だが、それに必死に耐えるジャッキーと心動かされるチームメイトたちにじんわりとした

映画#81「シビル・ウォー アメリカ最後の日」

 連邦政府から19もの州が離脱したアメリカ。西部勢力と政府軍の間で内戦状態になり各地で武力衝突が続いていた。首都ワシントンDCの陥落が迫り、NYに滞在していた4人のジャーナリストたちは大統領に取材すべくSUVに乗りあわせワシントンDCを目指す。紛争状態になったアメリカを行く緊張感のあるロードムービー。  分断が進み、各々が自己防衛のために銃を所持する。そして、自分達かそれ以外か、殺そうとしてくるから殺す。正しさは無い。多くの側面があるだけでカメラはそれを映し一部分が写真として

🎬先週観た映画と今週見たい映画 2/19の前と後

初めていく映画館に、毎週のように通う映画館。雰囲気や椅子の座りごこち、内装がそれぞれ全然違ってたのしい。私はポップコーンは食べない派だからわからないけど、味とかにも違いがあるんだろうか。ポップコーンが食べたくなってきたが、むせてしまうのできっと食べない。 そんな私は先週も3作品見れたのであった。 『ドライブ・イン・マンハッタン』 空港から自宅までタクシーで帰る女性とそのタクシーの運転手のきっと一度しか会わないであろう2人の会話劇。劇作家が書いたワンシチュエーションでの2人

あなたが今ここにいることの尊さ 映画『ファーストキス 1ST KISS』

結婚情報誌・ゼクシィのコマーシャルにこんな台詞があった。 「結婚しなくても幸せになれるこの時代に、私はあなたと結婚したいのです」 このフレーズはSNSを中心に話題となり、多くの共感を呼んだ。 映画『ファーストキス 1ST KISS』は、この台詞を嚙み砕いて映像に落とし込んだような作品だ。 恋愛と結婚の違いをリアルに描いているからこそ、「この人と結婚する/した意味」を改めて考え直すことができるのだ。結婚経験のある方には特に、強く刺さる題材だろう。 しかし、それだけに留まらない

映画「1ST KISS / ファーストキス」感想

ファーストキス、観てきました。 良い映画を観た後は、映画の主人公になった気分で街中を闊歩してしまうのは、私だけだろうか。なんだあの全知全能感は。私はなんでもできる!なんにでもなれる!だってこの映画を観たのだから、この映画を良いと思える人間なのだから!!というあの気持ち、あの調子で普段から過ごせたら強く生きていけるのに。 何回も見返すほど大豆田とわ子が大好きで、且つ松村推しの私は観ないわけにはいかないのです。 (カルテット、Mother、花束などは観ました。怪物をまだ観れてい

"Daddio (ドライブ・イン・マンハッタン, 2023)"

JFK空港からマンハッタンへ向かう道中の、プログラマー女子とタクシー運転手との、とりとめもないがやけに親密で深いトークが延々と続く。出身、家族、名も知らぬ見ず知らずの人と、時にプライベートな話で盛り上がるのは何故なのだろう。接客業などをしていると、ふとしたきっかけで家の問題、あるいは推しなどシェアし合う事があったりする。その時限りだったりするのだけれど。 個人的にはタクシーは余り利用しないけれど、タクシーの運ちゃんも様々なバックグラウンドを持ち、色々な人生を垣間見ているのだ

【映画感想文】ひとつぼっち⭐︎⭐︎

ストーリー  介護士として働く波子の前に、幼い頃に自分を虐待したうえ捨てた母の華絵が認知症となって現れる。虐待された過去を忘れられない波子。一方華絵は全てを忘れていた。波子は過去の記憶に苦しめられながらも母を介護する。 感想  波子さんの職場に親が現れて、職場の上司に相談しなかったのはなぜなんでしょうか。私はそこがずっと気になってしまって、自分だったら上司に絶対言います。担当変えてくれって。か、何も言わずに辞表出します。波子さんのようにはしないと思います。  相談せずに

『マヤ・デレン作品集』映画感想文・覚めたまま夢を見たような、素敵な体験でした

先日デヴィッド・リンチ監督が亡くなられました。 未見の作品を見たり、調べていく中で『インランド・エンパイア』がマヤ・デレンの『午後の網目』のオマージュであると知りました。 インランド〜が分かりにくい作品だったので、理解を深めるために午後の網目をYouTubeで見たのですが、映画館でも体感したくて見てきました。 うまく説明できないけど、共通点がある気がしました! あらすじ 感想(ネタバレ含む) 15分ほどの短編5本と、4分の短編1本が今回の作品集です。 やはり『午

『ベイマックス』|2025:映画の記録 vol.35

(前回はこちら) はじめまして、京です。 BNWでMCUも一段落がつき、少しヒーロー作品から離れてみるはずが⋯。そんな『GotG』の1作目と同年に公開された、ヒーロー作品。 さっそく今日も1日↓ 『ベイマックス』 "童心に帰れる一作" 子供のときのワクワク感を楽しめた! それぞれのヒーロの個性がポップで、ストーリーも重すぎず軽すぎず、みんな大好きなSimple is bestのヒーロー作品。 どことなくスパイダーマン味を感じた。 赤と青を基調としたヒーロースーツ、兄

映画#80「犯罪都市」

 2004年に韓国で実際に起きた事件をもとに作られたアクションスリラー。韓国の暴力団の抗争に中国マフィアが絡み暴力事件が多発、衿川区を管轄とする警察署強力班マ・ソクト(マ・ドンソク)は一般市民の安全のため一斉検挙のため動き始めるのであった。  マフィア側の暴力表現が四肢損壊など過激なものが多く、理由は不明だが銃が使用されずナイフまたは手斧が多用される。若干のコメディシーンもありながらも、狂暴な敵たちをマ・ドンソクの剛腕でねじ伏せるアクションは頼もしい。少しダーティーなヒーロー

【映画レビュー】正体

本日も読んでいただきありがとうございます‼️ そして初めての方、通りすがりの方、遊びに来ていただいてありがとうございます‼️ 今回は映画レビューです。 Netflixで「正体」を見たのでレビューしていきます。 最後までお付き合いいただけると嬉しいです。 それではいってみましょう! どんな映画? 高校生の時に一家3人を殺害し、死刑判決を受けた鏑木慶一が留置場を脱走します。 彼は、偽名を使い逃走中に様々な人と出逢いますが、警察の追及の手が及ぶと逃走します。 その

映画#79「侍タイムスリッパー」

 時は幕末、会津藩士高坂新左衛門は長州藩士を討てとの命を受け闇夜に乗じて敵の屋敷に参じる。天候は雷雨、相手藩士と刀を交える。命のやり取りのその最中、両者の間に雷が落ちた。目が覚めるとそこは現代の時代劇の撮影現場だった…。1人の侍が現代での生活を時代劇の斬られ役として身を立てていくお話。  侍が現代にタイムスリップしてくることで受けるカルチャーショックの描写や時代劇あるあるなどをコミカルに描きながらもキレの良い殺陣が見られる良作。時代劇復興の熱意が込められている。

映画#78「プラットフォーム」

 ゴレンは目を覚ますと四方をコンクリートで囲まれた部屋にいた。天井と床の中央にはダイニングテーブルのほどの四角い穴があり、覗くと上の階にも下の階にも人がいるようだ。遥か上方の果ても底の果ても見えない。天井から台座が降りて来た、大量の料理が、上からの食べ残しが。  上の者が食べ過ぎると下の者が食べるものが無くなり、過不足のなく用意された充分な量の食事は下には届かない。共産主義社会の縮図のようなソリッドシチュエーションサスペンスホラー。

実写映画「恋は雨上がりのように」の感想

実写映画の「恋は雨上がりのように」をAmazonプライムで見ましたので、感想です。若干ネタバレを含んでいるかもしれないので、未見の方はご注意ください。 主演のキャスティングは大正解だと思っています 主人公の橘あきら役に小松菜奈さん、ファミレスの店長近藤正己役に大泉洋さん、どちらもこの原作マンガを実写化するにあたって、ベストなキャスティングだと思っています。 まず、小松菜奈さん演じる橘あきらは、周りからしばしば「怒っている」などと勘違いされるキャラクターなんですが、小松菜奈

映画#77「ジョーカー フォリアドゥ」

 ジョーカーの裁判が始まる。ジョーカーことアーサー・フレックを支持する人々が裁判所の前で抗議の声をあげている。弁護士はジョーカーはアーサーの別人格であり責任能力は無かったと主張し法廷で争われるのであった…。  前作ジョーカーでは現実と妄想の境界を曖昧に描写していたが、今作では現実とエンターテインメントとを明確に分離し愛や人生を歌っている。前作に対するカウンター的内容なので本作のみの鑑賞となるとメッセージ性が読み解きづらい。DCコミックスの世界観では無く現実の世界、淡い期待をす

映画#76「リバー、流れないでよ」

 京都貴船の老舗旅館ふじや、昼食の配膳も終わり一段落という頃。仲居のミコトは別館裏を流れる川のほとりに一人佇む。しばらくして仕事に戻るミコトだが旅館内の様子がおかしい、片付けたはずの食器が出されたまま、既視感がある。世界が2分間でループしているのだ。旅館の人間と宿泊客とで協力してこの2分間から抜け出そうとするSFコメディ。  2分を何度も繰り返すなかで一つ一つ問題を解決したらまた問題が発生する。と、いう繰り返しでありながらも変化に富んだ展開の連続なので飽きない。失敗しても次

映画#75「ザ・メニュー」

 孤島に佇む予約困難なレストランに裕福な人々が最高の料理を求め、船に乗り訪れる。そこではシェフが考え抜いた最高のメニューが提供されるのであった。  主演のアニャ・テイラー=ジョイとレイフ=ファインズの存在感が際立っており、画面に常に緊張感を与えてる。本作は意図的に風刺要素を盛り込んだダークコメディであるがサスペンスホラーの色合いが強い。そのため、サスペンスホラーとして見ると少し勿体ない印象であった。

映画#74「ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ」

 仕事(殺し)で宮崎の地に降り立ったちさととまひろ、仕事の合間に観光もエンジョイしていた。仕事もすんなり片付けるつもりが協会に所属していない野良の殺し屋冬村かえで(池松壮亮)により邪魔され、協会のメンツを保つため2人は協会の先輩入鹿(前田敦子)と協力して冬村を処理することになったのであった…。  今作もだらだらおしゃべりとキレキレの近接格闘が健在であり、楽しい。社会の面倒な人間関係に揉まれて少しは成長する2人の社会性、社会性の無さから孤高の強さを持つ冬村の異常性の対比が良い。

映画#73「ヘレディタリー 継承」

 母エレンの葬儀から始まる。娘のアニーは夫と高校生の息子と13歳の娘の四人家族。生前の母は統合失調症や夢遊病など周囲を疲弊させることも多く、アニーも精神的に不安定になることも多い。その影響もあってか、子供たちは奔放に振舞うがアニーの激情に困惑することも少なくない。だが、エレンの葬儀以降不可解なことが増えたことも事実であった…。  アリ・アスター監督によるオカルト系ホラー。居心地の悪い嫌な感覚になるシーンが多くバリエーションに富んでいる。後味の悪さも相まり恐怖感より不快感が強め

映画#72「テリファー」

 タラとドーンはハロウィンパーティーの帰路に立ち寄ったダイナーでピエロの男に出会う。タラに目を向け続ける奇妙なピエロは店を追い出されるがその後も彼女たちを追跡してくるのであった…。  殺人ピエロ(アートザクラウン)の凶刃から逃げるスプラッターホラー。ゴア表現が大量にあるので耐性が無い人にはお勧めできないが、時折顔を出すコミカルな描写が緩急をつけていて印象的。お約束とも言える演出も多く、スプラッターホラーに期待したものが出てくる。

映画#71「きみの色」

 ミッション系の女子高に通う日暮トツ子は人の色が見える。でも、自分の色は見えない。学校で綺麗な青色した作永きみ、古書店で出会った緑色の影平ルイ。それぞれ人に言えない悩みを抱えた三人の高校生がバンドを組み、音楽を通して心を通じ合わせていく。視覚と色覚と聴覚、様々な感覚で共有する作品。  話のベースに聖書や聖歌があるのは伝わるが、感じれば良い。色、音、歌、バレエ、言葉、青春、3人の色や周りの人の色、色んなものを音楽に混ぜて、その音楽を五感をもって感じ取る。共感覚的な体験ができる作

日活ロマンポルノ『花弁のしずく』ネタバレ感想/トラウマから解放へ

『(秘)色情めす市場』などで知られる田中登監督のデビュー作。主演は『エロスの誘惑』、『恋人たちは濡れた』の中川梨絵。 生花の名家の一人娘・雪絵は、不感症であり、性行為を穢らわしいものと嫌悪していた。それ故に、「女の悦びを知ったはずなのに、何か足りない」と父に生花を批判されると、「お父様の花は不潔だわ」と苦々しげに吐き捨てる。 そんな雪絵の表情を捉えたオープニングに、ああ流石田中登だなと感心してしまう。本作以降の作品と比べるとおとなしい印象を受ける本作だが、雪絵が行為を妄想

映画|ファーストキス 1ST KISS

今日は映画を見てきました。いつぶりって感じ。 最近話題の「ファーストキス 1ST KISS」を見てきました。 日比谷まで行ってきました。 水曜日は安いので、と、プレミアムシートを予約しました。 SixTONESの松村北斗くんが出てるのでめちゃくちゃ楽しみ。 北斗のドラマ、映画はめちゃめちゃ好きでして。 カンナ(松たか子)は、事故で死んでしまった駈(松村北斗)を死なせないために、何度もタイムスリップし、未来を変えようと。でも、死んでしまう事実は変えられなかった。 実際

映画#70「震える舌」

 両親と幼い一人娘昌子の三人暮らし。マンションの近くで泥遊びをしていた昌子は指先を傷つけてしまう。昌子の風邪のような症状と歩き方がおかしいことに気付いた両親は病院に連れていく。医師に大したことはないと診断されるが昌子の症状は悪くなっていくばかりであった…。  破傷風に感染した少女の悪化していく病状の過程、些細な刺激が少女には激痛となって身を蝕む。その過程を目の当たりにするも何もできない両親の憔悴。破傷風の恐ろしさを痛烈に伝えてくる作品でした。

レオノール・セライユ『Ari』幼稚な男が自分と向き合うナイーブな映画

2025年ベルリン映画祭コンペ部門選出作品。レオノール・セライユ長編三作目。初長編『若い女』がカメラドール、長編二作目『Mother and Son』がコンペ選出とカンヌっ子だったセライユの新作がベルリンに登場ということで、これも新PDのおかげなのか…?物語は27歳の小学校教師見習いアリ青年の日常を追っている。冒頭では彼の授業実習が行われるが、子供の前で詩の小難しい話を始めて、子供は制御不能になり、監督官には呆れられてしまう。そして、アリはその場で倒れてしまった。もう無理!仕

映画#69「悪魔のいけにえ」

 近頃テキサスでは猟奇的な殺人事件や墓荒らしが多発していた。5人の男女が車に乗り合わせテキサスに帰郷する道中、ヒッチハイクをする変な男を乗せることになるが、男の様子がおかしい。奇怪な行動をする男を車から降ろし、間もなく実家の跡地にたどり着く。荒廃した実家の裏手には不穏な家があった…。  人皮のマスクをかぶりチェーンソーを振り回す「レザーフェイス」が登場し殺人を重ねるホラー作品。色々な作品でオマージュされているようで見覚えのあるシーンが多い。レザーフェイスがかわいい。