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ほぼ二人だけで100分の映画を成立させていた「ドライブ・イン・マンハッタン」
監督と主演女優がトラブルを暴露した「ふたりで終わらせる」の脚本家クリスティ・ホールが本当にほぼ二人で終わらせる映画を監督した「ドライブ・イン・マンハッタン」。その二人はショーン・ペンとダコタ・ジョンソンでした。
物語は
ジョン・F・ケネディ空港からタクシーに乗り込んだプログラマーの女性はこの日の仕事をこれで終わらせようと思っていたタクシー運転手クラークの恰好の話し相手にされる。タクシーは高速で事故渋滞にはまり、女性はクラークからいろいろ根掘り葉掘りプライベートなことを聞かれることになり…
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二人のキャストだけでもたせる100分
プログラマーの女性役は「マダムウェブ」の大コケの汚名を返上したいであろうダコタ・ジョンソン。タクシードライバー役は「フラッグデイ」で娘を主演にして共演と監督をしていたショーン・ペン。
まあほぼ二人の車中でのやりとりだけなのに退屈させなかったことに感心します。
そして、また運転手から繰り出される話の内容のゲスさも凄くてびっくり。さらに女性の交際相手からのうんざりするようなLINEからのエロ攻撃が酷くて、なんというハラスメント映画かと思いましたが、これをダコタ・ジョンソン自身がプロデュースしていたことにもびっくり。
会話の内容は
ドライバーは女性に遠慮なく個人情報を掘り下げて聞こうとします。彼女は実はかなり辛い状況にあることが少しずつ明かされていき、渋滞を抜ける頃にはとんでもない告白がされます。
こんな会話が成立するのも赤の他人でまた会うこともないからなのかと気付きます。
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タクシーの中の会話劇はまあまああるシチュエーションですが、途中で回想シーンが入ったり、道中に寄り道があったりすることが定番ですが、この作品はほぼほぼ車中の会話だけでそれ以外は最初の乗車とヒロインの男からのエロLINEくらいの要素しかなかったのが凄くて、しかもリアルタイム進行を貫いたことです。
空港から目的地まで90分かかるわけないやんと思っていたら事故渋滞にハマったりで上手く長編映画の尺にしていたのも見事。
かなり際どい内容ですが、ショーン・ペンとダコタ・ジョンソンの顔芸で乗り切る力業が見られました。監督が脚本家なのでこういう会話劇を成立させることが出来た気もしますが、やはり二人の俳優の味があってこその見応えだったと思える作品でした。