見出し画像

(106)妖術秘伝 鬼打鬼

本日の懐かしのホラー映画は、「妖術秘伝 鬼打鬼(きだき)」(1981)。
元祖「霊幻道士」シリーズ3部作の第1弾にあたります。

虚勢は張っているものの、実はビビリな主人公・ジェン。
友人達にけしかけられた肝試しで本物の幽霊に遭遇してしまい、大慌てした事もあった程でした。そんな彼ですが、妻が誰かと浮気をしている最中に帰宅し、妻以外の誰かが家に居たのではないか?と疑念を持ちます。
妻を問い詰めてはみたものの、シラを切られるだけでした。
ただ、明らかに自分のサイズとは異なる靴が家に脱ぎ捨ててあったので、証拠として大事に持っておく事にするのでした。
実は、ジェン夫人の浮気相手は、名士のダンでした。
ダンは、自分のスキャンダルが表沙汰になるとマズいので、悪の道士に金を払い、ジェンの暗殺を命じます。
道士の弟分達も協力し、ジェンを古い屋敷の中に閉じ込めてしまいます。
そこには、キョンシーが安置されており、悪の道士の力により、キョンシーは復活。ジェンは襲われてしまいます。カンフーを習得していたジェンはこれに応戦し、何とか一夜を乗り切ります。

ジェン暗殺に失敗した為、次なる手として、妻殺しの汚名を着せる事にします。家の中は荒らされ、至る所に血痕が付着、誰が見ても殺害現場と思う様なシチュエーションをでっちあげます。
家の中に妻の遺体はないものの、血痕の手形が一致した事から妻殺しと決めつけられたジェンは、殺人罪で逮捕されてしまいます。
一旦は、留置所に収容されたジェンですが、自力で脱出し、逃亡。
警官たちは、脱獄したジェンを追跡します。
最初はジェンを騙していた道士の弟分ですが、兄道士の非道なやり方に疑問を持つようになり、逃亡中のジェンを助ける側に回ります。
兄道士は、更なる呪いの儀式を仕掛けて来た為、呪いを無効化する呪文をジェンの全身に書き記し、応戦します。ジェン達は、ダンと道士の仕掛けた呪いを打ち砕き、妻殺しの汚名を晴らす事ができるであろうか。

「霊幻道士」シリーズの前身とは言え、サモ・ハン・キンポーが監督・主演をつとめていますので、以降のキョンシーシリーズとは異なり、カンフーアクションもふんだんに盛り込まれています。

鬼打鬼(きだき)から始まる3部作は、VHS時代に観た事がなく、自分のキョンシー映画に対する認識が変わった作品になりました。
一番驚いたのは、キョンシーがカンフーを使う所でしょうか。
これまでに無い要素だったので、とても新鮮に映りました。

名もなき警官役の俳優さん1人をとっても、見事なアクションシーンをこなしており、度重なる訓練を重ねていた事が伺えました。
当然の事ながら、カンフーアクションは、香港映画にかなうものはありませんね。👏

当時の時代背景的に仕方がないのですが、鶏の首を撥ねて殺してしまう場面がありました。首を切られた鶏は、翼をバタバタさせる訳ですが、観ていて決して気分の良いものではありませんでした。😰
今のご時世だったら、絶対NG案件ですね。また、最後の最後のオチも「え?この終わり方アリ?」と言う内容になっていました。

本作には、「霊幻道士」の1作目で道士を演じるラム・チェンインが警察官のリーダー役として出演しています。彼は、続く第2弾「霊幻指定 人嚇人(じんかくじん)」、第3弾「霊幻百鬼 人嚇鬼(じんかくき)」にも別の人物として出演している様です。
有難い事に、本シリーズは全てBlu-ray化されていますので、観やすい作品になっています。香港アクションホラーが好きな方には勧めしたい1作です。

※「霊幻指定 人嚇人(じんかくじん)」、「霊幻百鬼 人嚇鬼(じんかくき)」もホラービデオカタログ掲載作品の為、順次取り上げて行く予定です。

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集