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反響が大きかったもの

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これまでの記事のなかから、反響が大きかったものを集めました。 スキが多かったもの、コメントをたくさんいただいたもの、ビュー数が多かったものを中心に選んでいます。
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記事一覧

あの夏の悲しみについて思うこと

あの夏の悲しみについて思うこと

7月が来るといつも、祖父をなくした夏を思い出してしまう。

父方の祖父母は、認知症の初期症状が認められた頃、わたしの実家に同居するようになった。わたしは小学校高学年だったと思う。

認知症はあっという間に進み、大好きな祖父が弱々しくなっていくさまをわたしも苦しみながら見るほかなかった。そして、祖父は最期を老人ホームで迎えた。

中学校の期末テストを受け終えたところで、担任の先生に呼ばれた。

「お

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新紙幣と鬼平のメロディ

新紙幣と鬼平のメロディ

このあいだの夜、父が我が家にやってきた。21時頃のインターホンに驚くわたしに、父は笑顔を向けた。

「友達にな、新紙幣かえてもろてん。見せに来たでー」

ソファに腰をおろした父の手には、まっさらなお札が一枚おさまっていた。北里柴三郎の肖像が見てとれる。7月3日に発行されたばかりの、新しい千円札だ。

わたし「へー、ニュースで見てはいたけど、1000のフォントがおもしろいねぇ」

父  「そうか? 

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2024年上半期、買ってよかったもの

2024年上半期、買ってよかったもの

2024年も半分過ぎた。現時点で「買ってよかった!」とつくづく感じているものを挙げていきたい(もちろん、独断と偏見によるセレクトです!)。

デスクまわり品トラベラーズノート ブラスクリップ

紙の資料を見ながら仕事をしていて、「あー、本(または冊子)が閉じちゃう!!」とイライラすることがある。今までは楽譜をおさえるためのグッズを使っていたのだけれど、諸事情によりこのクリップを買ってみた。

真鍮

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熟考ワードローブチャレンジ

熟考ワードローブチャレンジ

実は、2024年が明けてから「熟考を要する1万円以上の洋服だけを買う」ことを試みていた。そのチャレンジについて書きたい。

1. チャレンジの意図

去年の秋、クローゼットに洋服が増えてきたと気づいた。それも、2000〜7000円の価格帯のものが増えていた。

手ごろな価格ゆえに、気軽に買えてしまう洋服たち。そのぶん、手持ちの洋服と合わせにくかったり、着心地が良くなかったりして出番が少ないとわかっ

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運ばれるわたし

運ばれるわたし

読書が能動的な営みであるかと聞かれたら、わたしは「ノー」と答える。かといって、読み手は受け身に徹しているかというとそうでもない。

先月、『夜ふかしの本棚』という本を読んでいたら、朝井リョウさんが『雪沼とその周辺』(堀江敏幸)を紹介されている箇所にあたった。

そこには、好きだと感じた文章はその人を運んでくれるという意味のことが書かれていた。優しくも鋭い読書論が、心に残って仕方がない。

『夜ふか

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読書のコスパ

読書のコスパ

小説を一冊、読み終えた。物語からテーマがはっきりと浮かび上がってくるような作品だった。だらだらとストーリーが続くのではなく、背景にある筆者の考えに手が届きそうな感覚があった。こういう作品に会えたとき、表現力ってすごいなあ、といつも感じる。

そんななか、思春期に出会った「わけわからん小説」たちを思い出す。

梶井基次郎の『檸檬』も謎だったし、カフカの『変身』も意味がわからなかった。わたしは思考が浅

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最近読んだ本たち(2024年4月分)

最近読んだ本たち(2024年4月分)

4月は出会いの月とよく言われるけれど、ほんとうにそうで。いろいろな方面で新しいつながりができてよかったなー、としみじみしている。

月の前半は娘たちが春休み、または午前中授業ということで、限られた時間内で仕事に追われた。それでも、ちょっとは本を読む時間を確保できた。よし!

残るは「エクササイズをしたあと眠くなってしまう問題」だ。「筋トレしてから本読もうっと」などと思っていると、睡魔に襲われて読め

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魔法つかいは図書館へ行く

魔法つかいは図書館へ行く

このところ、双子の娘たちと三人でよく図書館に行っている。わりと本が好きな彼女たちに「とーしょーかーん、いーきーたーいー」とせがまれて、バスに乗る。

図書館にはハイハイする赤ちゃんにも絵本を読んであげられる広々としたスペースや、児童書・育児書がたくさんあって親子で楽しめるコーナーがある。

わたしたちは親子向けの席へ。娘たちは気になる本を手に取って、読む、を繰り返す。

彼女たちはびっくりするくら

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2024年春、白ブラウスアレンジ大作戦

2024年春、白ブラウスアレンジ大作戦

白ブラウス、マンネリ問題いよいよ、クローゼットのなかが白いブラウスばかりになってきた。

アラフォーになってから、黒いトップスをあまり買わなくなったせいだ。肌が黄色みをおびてくすみやすいわたしに、どうも黒は優しくないことに気づいた。黒を着ると粗が目立つように思えてならない。

新しく洋服を買うとき、つい白を選んでしまう。黒や暗い色を避けつつ、ボトムスとの合わせやすさも考慮すると、どうしても。

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心を守る我が家のノータッチタイム

週末のお昼頃、夫からメールが来た。「オムライスつくってみたで」。

どどん。

ケチャップでハートマークをつくってある。少々焼き目をつけすぎた感はあるものの、堂々たるオムライスぶり。なにより、わたしにはどう頑張っても無理な「ケチャップライスを卵で包む」ができている!

ビバ、オムライス。 ありがとう、わたしのアモーレ。いや、夫のことをアモーレだと思ったことはあまりない。

我が家では、家事は基本的

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約束のベビーパール

約束のベビーパール

最近、ベビーパールのネックレスをよく着けている。「鳥羽に小旅行するんだから、昔買ったあれを」と、ジュエリーボックスの中で長く眠らせてしまっていたものを引っ張りだした。

これまでもパールはときどき着けていたけれど、すべてイミテーションを選んでいた。

本物のパールは水に弱い。酸や熱にも弱いそうだ。つまり、扱いに注意が必要ということ。着けたあとは柔らかい布で拭い、高温多湿を避けた環境で保管するのが望

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おまもりチーク

おまもりチーク

わたしがチークブラシを握ると、娘たちが寄ってくる。

朝、彼女たちが起きる前にお化粧を済ませておくようにはしているけれど、ときどき寝坊してしまう。とくに春休みになってからは。

去年の春、マスク着用が自由化されたことを受け、チーク(頬紅)を新調した。

シャネルの定番品「ジュ コントラスト」。発色がよく、ささっと撫でるだけでも頬が色づくので重宝している。手持ちのチークのなかでメインを張る存在だ。

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鳥羽にて、小旅行が見せてくれる小さな幸せに気づく

鳥羽にて、小旅行が見せてくれる小さな幸せに気づく

ピアノの発表会でがんばった双子の娘たち(6歳)へのプレゼントのつもりで、三重県まで小旅行してきた。

途中、サービスエリアで昼食をとり、「三重県立みえこどもの城」(三重県松阪市)へ向かう。あいにくの雨ではあったけれど、娘たちの足どりは軽く、楽しい道中だった。

目当てはプラネタリウム。星座についての説明を受けながら、夜空に星をさがす。娘たちは静かに興奮していた。「双子座ってあったよ! 長女ちゃんと

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ティアードを着る。アラフォーの自由と幸せ

ティアードを着る。アラフォーの自由と幸せ

少し前、早くも夏もののトップスを購入した。

TREFLE+1(トレフルプラスワン)の「フェアリートップス(半袖)」。

今シーズン用に「yori」で新調したティアードブラウスが周囲にとても好評なので、半袖バージョンも欲しいと思っていた。

ちょうどその頃にお茶した旧友がトレフルプラスワンの洋服を好んで着ていて、わたしにも薦めてくれたのだ。

しかし、彼女は身長170センチ近い。「モデルさんですか

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