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本、映画、ドラマ、その他のレビュ

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個人的な感想に過ぎない。けれど、もし参考になるなら。ネタバレは基本しないで書こうと思う。けれど、たまには少しバラすかも。
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#書評

感染映画5選

感染映画5選

コロナ自粛で自宅にこもっている人も多いと思う。私もその一人。引きこもりで感染関連映画を立て続けに見たので、独断と偏見の映画評を少し。  一部ネタバレも含むので、ネタバレがイヤな方は星ぐらいで読み飛ばしてもらえれば。

コンテイジョン(2011年アメリカ)

 感染リアリティ ★★★★★
 エンタメ性   ★★☆
 ストーリー   ★★★★☆
 スッキリ感   ★★★☆
 今見るとヤバい度 ★★★★

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2024読んだ本(1-3月)

2024読んだ本(1-3月)

悪魔の飽食/森村誠一

怖いホラー映画より怖い。途中読みながら、本を置いたときもしばしば。感情的でない淡々とした筆致ゆえ、そのリアリティが伝わってくる。取材力はもちろんすごいが、そのリアリティの伝え方。「加害者の記録」として、重要な著書。3部作だが次読むのに勇気いる。

未完成 大作曲家たちの「謎」を読み解く/中川右介

資料的に読み始めたが引き込まれた。筆致も文体もよい。「クラシックジャーナル」

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2022読んだ本(下半期)

2022読んだ本(下半期)

月3-4冊ペースで進んでいたが、結果最後に息切れ。12月は忙しかったです。それでも、読書に耽る時間は随分と確保できた。もっとたくさん、いろんな本を読みたいな。

アンドロイドは電気羊の夢を見るか?/フィリップ・K・ディック

アニメ「PSYCHO-PASS」の影響。SF小説久しぶりで、新鮮。アンドロイドという存在を通じて、人間らしさを問う。感情移入。約50年前の小説とは思えない、人間洞察の深さ。映

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2022読んだ本(上半期)

2022読んだ本(上半期)

とりあえずまとめ。なんだかんだやはり本を読む時間を確保することが課題かも。スマホゲームの時間を減らして、読書の時間に充てる。あとnoteもちゃんと書く。読みたい本ばかり増えていく。下期はペースを上げるぞ!

おやすみラフマニノフ/中山七里

「音楽は職業ではない。音楽は生き方だ。」良い!音楽が聴きたくなる本、チャイコンの下りは絶品だった。音楽の描写だけでも読んでいて楽しいが、ミステリーとしても最後

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2021読んだ本(下半期)

2021読んだ本(下半期)

投稿が遅くなった。昨年の下半期はあまり読めなかった。それでもまあまあのペースかな。もう少しペースを上げたい。積読は増え続けているので笑

日米両国民に訴へる/福田恒存

いわゆるトイレ本だったが、旧仮名遣いにもかかわらずテンポ良く面白く読めた。1970年代半ば当時の国際情勢のリアリティが浮かんでくる。主張は右でも当時の左の強さなども感じられて面白い。

オーケストラ、それは我なり/中丸美繪

ブル

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「血族の王」評 -熱く、煮えたぎるもの

「血族の王」評 -熱く、煮えたぎるもの

年始のバタバタが落ち着きつつも年度末の忙しさが始まっている。2月といえばいつもそう。それに加え、会社の人事でショックもあり少し動揺もしている。まとまった時間を取れず、本を読むペースが極端に落ちているが、今日、読み切った。

半分くらいから最後は本当に一気に読めた。松下幸之助の少し変わった評伝。変わった評伝というには申し訳ないくらい、深い。光と闇を交互に当て、人間としての「松下幸之助」を書いた。神格

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「オーケストラ、それは我なり」-読んで感じたノスタルジーと羨望

「オーケストラ、それは我なり」-読んで感じたノスタルジーと羨望

ああ、やはり我々は違う時代に生きているんだ。ある意味うらやましい。もちろん、今の方が生きやすい時代で、住みやすい時代なのだと思う。誤解を恐れずに言うと、ただただワガママに生き抜いた93年の人生。うらやましい。今も、輝いている。

朝比奈隆を知ったのは高校時代だったと思う。当時の吹奏楽部顧問の的場誠治先生が教えてくれた。本にも出てくる元大フィルの呉信一先生のお弟子さんなので、よくよくお話を聞いたし、

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「9条入門」評 -戦後76年目の夏に思うこと

「9条入門」評 -戦後76年目の夏に思うこと

これは文中最後のあとがきにある、著者の言葉。本論とは大きく逸れるが、大いに感銘を受けた。例えば、このしがない書評にも、力を与えてくれたような錯覚。しょうもないこととは思いつつ好きに書いているが、そのことすら認めてもらったような、すがすがしさ。

中学3年のとき、公民の授業がとても好きだった。なぜだか分からないが、出自も含め、歴史認識や政治や国際問題などに、日頃から関心を持たずにはいられない環境だっ

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時間に追われる私たちのために -「モモ」評

時間に追われる私たちのために -「モモ」評

娘に誕生日プレゼントに渡したのをきっかけに、読み始めた。一気に読んだ!昔いつ読んだか忘れたが、小さい頃だったと思う。記憶の彼方にあったが、今読むと、これが深い。

大江麻理子さんや小泉今日子さんが愛読書といい、多くの、とくに女性の絶大な支持を集めるこの本。なんと1973年の著書なのに、全く色褪せない。むしろ、このテクノロジーが発達した21世紀こそ、刺さる内容だ。

時間どろぼう。マイスターホラ。そ

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2021上半期読んだ本13冊と、ちょっと書評

2021上半期読んだ本13冊と、ちょっと書評

結構読んだ。悪くない。個人的には人生で一番、読書に花が咲いた半年だった。もう少しこの花は咲き続けてくれそうだ。花が種になり、芽を出し幹に枝になっていきたいな。

ぼくは戦争は大嫌い/やなせたかし

アンパンマンの作者やなせたかしさんの遺作。とても平易な文章で、戦争のリアリティを伝えてくれる。戦時中の写真も多く掲載されていて、まるでそこにいたような錯覚を覚える。薄い本だけど、中身は濃い。

日の名残

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「心を上手に操作する方法」評 -優しさあふれる危険な本

「心を上手に操作する方法」評 -優しさあふれる危険な本

著者は相当いいやつだ。エンターテイナーの鏡なのだろう。本の随所に、優しさがあふれている。読後感が気持ちいい。胸いっぱい。

とはいえ、内容はかなり危険!催眠、ウソを発見、心理操作など、すぐに使えそうなハウツーがかなり紹介されている。チャルディーニの名著「影響力の武器」についても16章のうち3章100頁にわたって噛み砕いて解説している。ここだけでも面白いが、私がとくに面白いなと思ったのは、表情のとこ

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「影響力の武器」 -2度も3度も読み直すべき、営業マンのバイブル的一冊

「影響力の武器」 -2度も3度も読み直すべき、営業マンのバイブル的一冊

前回のSPIN営業術の記事でも、営業マン必読的な書き方をした。ハウツー的には「SPIN営業」の方が良いと思う。しかし、もっと本質的な、また網羅的な内容を包摂している本に出会った。

実は出会ったのは5年前。何かの記事で、この本が良いということを聞きつけて、買ってあった。ボリュームも含め、買っておいて満足するまさに積ん読本となってしまい、5年間手つかずだった。「ああ、青い本があるなぁ、太いなぁ」ぐら

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「日の名残り」評 -時間の流れがゆったりと

「日の名残り」評 -時間の流れがゆったりと

カズオ・イシグロがノーベル賞を取ったのは2017年。記憶が朧げだが確か「村上春樹じゃなくて何で日系の外国人(名前も失念)が先やねん」的な世間の論調だけは記憶している。ふぅん、と思ったくらいで、興味はなかった。

なぜ手にしたか、よく分からない。たまたまNewsPicksか誰か偉い人が良かったと言っていたかな。ベゾスだったか。まあそんなヨコシマな感覚。小説は好きだ。けど実用性がないと思っている節があ

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「SPIN営業術」 -法人営業の営業さんには必ず読んで欲しい一冊

「SPIN営業術」 -法人営業の営業さんには必ず読んで欲しい一冊

営業になって20年。もっと早くに出会いたかった。ここ最近、自分的に大ヒットな本に多く出会ってしまう。この本も、そんな一冊だ。

セールスフォースのオンラインセミナーを先週いくつか受講した。どれも学びがあった。セールスフォースについては、個人的にセールスを科学する仕組みとしてダントツだと思っている。データドリブンなこの21世紀にはなおさら。

そのセールスフォースの資料の中に「SPIN」という、聞き

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