2021読んだ本(下半期)
投稿が遅くなった。昨年の下半期はあまり読めなかった。それでもまあまあのペースかな。もう少しペースを上げたい。積読は増え続けているので笑
日米両国民に訴へる/福田恒存
いわゆるトイレ本だったが、旧仮名遣いにもかかわらずテンポ良く面白く読めた。1970年代半ば当時の国際情勢のリアリティが浮かんでくる。主張は右でも当時の左の強さなども感じられて面白い。
オーケストラ、それは我なり/中丸美繪
ブルックナー絡みで読んだ。丁寧な取材と、本人以外からの情報を網羅し、知らなかった朝比奈像を描いている。唸る。評伝とは、かくあるべき。とくに戦前の活躍の記事は、考えさせられるものがあった。戦意高揚としてのオーケストラと、その指揮者。
ブルックナー魂の山嶺/田代櫂
こちらは本格的なブルックナー評伝ながら、読みものとして面白い。他の音楽の友社などが出している伝記と比べて圧倒的に物語性がある。資料的に読むには使いにくいが、幹となるブルックナー像を掴むにはもってこいだ。
不機嫌な姫とブルックナー団/高原英理
ブルックナーファンには物足りないかもしれない。しかし普通のクラシックファンにはブルックナーに親近感を持てる良いきっかけになる。小説風に語られるが史実に基づくエピソードはなかなか。文体も小気味よい。
モモ/ミヒャエル・エンデ
昔読んだときと、印象がガラリと変わった。文学作品とはいえ児童が対象なので平易な文章なので、すぐに読める。単行本版も読んでみたい(旧訳)。21世紀はまさに、時間どろぼうが跋扈する時代!
9条入門/加藤典洋
書評記事でも書いた。とても客観的に分かりやすく書かれた良書。薄い割に中身が詰まっている。GHQと政府の関係や、時代に翻弄されるさま、東大の先生関連の話などはとても興味深い。どの時代も、正しいことが勝つ訳ではない。
いわゆるA級戦犯/小林よしのり
いつもの誇張表現は目立つが、それでも分かりやすさと問題意識を喚起するには大いに効果的。戦争について考えることから逃げてはいけないと思う。
心を上手に操作する方法/トルステン・ハーフェナー
いろいろなテーマが出てくるが、白眉は「影響力の武器」のまとめ。ドイツで人気のタレントのようだが、まとめがご自身の体験も一緒になっていて、とてもわかりやすい。影響力の武器を読みきれない!という人にはオススメ。
影響力の武器/ロバート・チャルディーニ
読み直したという方が正しいか。まさに真の良書。営業マンなら必ず何度も読むべき。営業マンでなくても、読んで得しかない本。ぜひ。
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