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Photo by
mirecat
カラスと呼ばれる少年と砂嵐の話。
ある場合において
”運命”というのは
絶え間なく進行方向を変える
局地的な砂嵐に似ている。
![](https://assets.st-note.com/img/1660545235244-5RUnlxGV4w.png)
君はそれを避けようとして
何度も足どりを変える。
そうすると、
嵐も君に合わせて
足どりを変える。
君はもう一度足どりを変える。
すると砂嵐もまた同じように
足どりを変える。
何度でも、何度でも。
まるで夜明け前に死神と踊る
不吉なダンスのように
それが繰り返される。
なぜかといえば、
その嵐はどこか遠くからやってきた
”無関係な何か”じゃないからだ。
そいつはつまり、君自身のこと。
君の中にある”何か”
だから君にできることといえば
諦めてその嵐の中に
真っ直ぐ足を踏み入れて、
砂が入らないように
目と耳をしっかり塞いで
一歩一歩通り抜けていくことだけだ。
![](https://assets.st-note.com/img/1660545392716-WIBIcSGDyE.png)
そこにはおそらく太陽もなく、
月もなく、
方向もなく、
ある場合には真っ当な時間さえない。
そこには骨を砕いたような
白い細かい砂が
空高く舞っているだけ。
そういう砂嵐を想像するんだ。
![](https://assets.st-note.com/img/1660545722819-1FakCXkO99.png?width=1200)
そしてもちろん、
君は実際にそいつを
くぐり抜けることになる。
その激しい砂嵐を。
そしてその砂嵐が終わった時、
どうやって自分がそいつを
くぐり抜けて
生き延びることが出来たのか、
君にはよく理解できないはずだ。
いや本当にそいつが
去ってしまったのかどうかも
確かじゃない。
でもひとつだけ
はっきりしていることがある。
それは
その嵐から出てきた君は、
そこに足を踏み入れた時の
君じゃないっていうこと。
それが砂嵐というものの意味なんだ。
![](https://assets.st-note.com/img/1660545949352-s2qRFJ51R6.png?width=1200)
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