マガジンのカバー画像

研究施設一般公開レポート

162
本マガジンには、医薬基盤・健康・栄養研究所、理化学研究所、および、大学の一般公開に関するレポートが掲載されている。 拙レポートにより、自然科学の最先端研究に興味を抱いてくれれば、…
運営しているクリエイター

記事一覧

第2章 列島が育む食材 02.キノコ―日本vs西洋の人気キノコ:特別展「和食 ~日本の自然、人々の知恵~」見聞録 その04

第2章 列島が育む食材 02.キノコ―日本vs西洋の人気キノコ:特別展「和食 ~日本の自然、人々の知恵~」見聞録 その04

2024年02月09日、私は国立科学博物館を訪れ、一般客として、特別展「和食 ~日本の自然、人々の知恵~」(以下同展)に参加した([1])。

 

トリュフ(セイヨウショウロ属)、ポルチーニ(イグチ属)、 モリーユ(アミガサタケ属)などは、欧米において高級食材とされる野生キノコである。 そのいずれの仲間も日本に分布するが、和食の材料としては登場しない。これらは発生する量も多く、昔の日本人がその存

もっとみる
第2章 列島が育む食材 02.キノコ―食用キノコと毒キノコ:特別展「和食 ~日本の自然、人々の知恵~」見聞録 その03

第2章 列島が育む食材 02.キノコ―食用キノコと毒キノコ:特別展「和食 ~日本の自然、人々の知恵~」見聞録 その03

2024年02月09日、私は国立科学博物館を訪れ、一般客として、特別展「和食 ~日本の自然、人々の知恵~」(以下同展)に参加した([1])。

 

日本には少なくとも約5000種のキノコがあると言われるが、日本のキノコの分類はまだ十分ではなく正確な数は不明である。

また、日本でとれるキノコのうち、食べられるとされているキノコは約100種類、毒キノコは約200種類とされ、残りの大半は、食べられる

もっとみる
2024年度 京都大学犬山キャンパス一般公開 訪問記:サルの研究は非常に奥深い。

2024年度 京都大学犬山キャンパス一般公開 訪問記:サルの研究は非常に奥深い。

2024年10月26日、私は2024年度 京都大学犬山キャンパス一般公開に参加するために、京都大学 ヒト行動進化研究センター(Center for the Evolutionary Origins of Human Behavior, Kyoto University:EHUB)を訪れた(図01,[1],[2])。

1番目に、EHUBセンター長による挨拶で、サル類を用いる研究の重要性、EHUBの

もっとみる
京菓子展 2024 - 源氏物語 訪問記:和菓子で『源氏物語』を表現する

京菓子展 2024 - 源氏物語 訪問記:和菓子で『源氏物語』を表現する

2024年11月01日、私は「京菓子展 2024 - 源氏物語」に一般客として参加した([1])。

 

最初に訪れた本会場である有斐斎 弘道館(図01,1)では、京菓子デザイン部門大賞作品である「浮舟」(図02)、茶席菓子実作部門大賞作品である「光の心」(図03)、学生部門《学生賞》「おもかげ」(図04)、および、審査員特別部門 京都市長賞である「哀焔」(図05)等の珠玉の作品が展示された。い

もっとみる
天文仮想研究所(Virtual Space Program:VSP)創立5周年記念イベント訪問記 3日目 03

天文仮想研究所(Virtual Space Program:VSP)創立5周年記念イベント訪問記 3日目 03

天文仮想研究所(Virtual Space Program:VSP)は、仮想現実(Virtual Reality:VR)空間で活動する宇宙同好会(任意団体)である。

VR技術を用いて天文学や宇宙開発等に関する活動を行い、参加者の興味・関心を高めるとともに、天文学や宇宙開発を楽しむことを目的としている([1])。

2024年10月12~14日、VSPはVSP創立5周年記念イベント(以下同イベント

もっとみる
天文仮想研究所(Virtual Space Program:VSP)創立5周年記念イベント訪問記 2日目 02

天文仮想研究所(Virtual Space Program:VSP)創立5周年記念イベント訪問記 2日目 02

天文仮想研究所(Virtual Space Program:VSP)は、仮想現実(Virtual Reality:VR)空間で活動する宇宙同好会(任意団体)である。

VR技術を用いて天文学や宇宙開発等に関する活動を行い、参加者の興味・関心を高めるとともに、天文学や宇宙開発を楽しむことを目的としている([1])。

2024年10月12~14日、VSPはVSP創立5周年記念イベント(以下同イベント

もっとみる
天文仮想研究所(Virtual Space Program:VSP)創立5周年記念イベント訪問記 1日目 01

天文仮想研究所(Virtual Space Program:VSP)創立5周年記念イベント訪問記 1日目 01

天文仮想研究所(Virtual Space Program:VSP)は、仮想現実(Virtual Reality:VR)空間で活動する宇宙同好会(任意団体)である。

VR技術を用いて天文学や宇宙開発等に関する活動を行い、参加者の興味・関心を高めるとともに、天文学や宇宙開発を楽しむことを目的としている([1])。

2024年10月12~14日、VSPはVSP創立5周年記念イベント(以下同イベント

もっとみる
天文仮想研究所(Virtual Space Program:VSP)創立5周年記念イベント訪問記 総論 00

天文仮想研究所(Virtual Space Program:VSP)創立5周年記念イベント訪問記 総論 00

天文仮想研究所(Virtual Space Program:VSP)は、仮想現実(Virtual Reality:VR)空間で活動する宇宙同好会(任意団体)である。

VR技術を用いて天文学や宇宙開発等に関する活動を行い、参加者の興味・関心を高めるとともに、天文学や宇宙開発を楽しむことを目的としている([1])。

2024年10月12~14日、VSPはVSP創立5周年記念イベント(以下同イベント

もっとみる
仙台市富沢遺跡保存館(地底の森ミュージアム) 訪問記

仙台市富沢遺跡保存館(地底の森ミュージアム) 訪問記

2024年07月30日、私は仙台市富沢遺跡保存館(地底の森ミュージアム、以下同館)に一般客として、見学した(図01,[1])。

富沢遺跡は、宮城県仙台市太白区富沢、泉崎、長町南他に所在する。面積は90haである。仙台平野中部の名取川下流域の後背湿地に立地し、標高は8~16mである。

富沢遺跡では昭和62・63年(1987・1988)に小学校建設のための事前調査が行われた。遺跡内では30回目の調

もっとみる
第2章 列島が育む食材 01.地形・地質と水との関係:特別展「和食 ~日本の自然、人々の知恵~」見聞録 その02

第2章 列島が育む食材 01.地形・地質と水との関係:特別展「和食 ~日本の自然、人々の知恵~」見聞録 その02

2024年02月09日、私は国立科学博物館を訪れ、一般客として、特別展「和食 ~日本の自然、人々の知恵~」(以下同展)に参加した([1])。

和食は出汁や調理に水を多用する。 水の硬度は、含まれるカルシウム(Ca)とマグネシウム(Mg)の含有量で決まり、少ないものが軟水、多いものが硬水である。生活用水のもとである雨水は、水蒸気が凝結した雲を源とするため硬度はほとんどない。地上に降った雨水が滞留す

もっとみる
「京都大学アカデミックデイ2022」見聞録08:06.ワイヤレス人体センシング

「京都大学アカデミックデイ2022」見聞録08:06.ワイヤレス人体センシング

2022年06月19日、私は「京都大学アカデミックデイ2022〜創立125周年記念〜」(以下「アカデミックデイ2022」、ロームシアター京都にて開催)に一般客として参加した([1])。

「アカデミックデイ2022」内の「プロム6 ワイヤレス人体センシング」で、大学院工学研究科 電気工学専攻 システム創成論分野 阪本研究室 阪本卓也 教授(以下敬称略)らは、非接触見守りセンサであるVitaWatc

もっとみる
「京都大学 宇治キャンパス公開2022」見聞録04:23.放射線で見る

「京都大学 宇治キャンパス公開2022」見聞録04:23.放射線で見る

2022年10月23日、私は「京都大学 宇治キャンパス公開2022」(以下「宇治キャンパス公開2022」、[1])に一般客として参加した。

特性X線は、各元素に固有な波長の線スペクトルを示すX線である。内殻電離で電子が放出された後、空孔のできた軌道に外側の軌道から電子が落ち込み、軌道電子のエネルギー準位の差に相当するエネルギーが特性X線として放出される。K殻の空孔がL殻またはM殻の電子によって満

もっとみる
NanoTerasu オープン デイ 訪問記

NanoTerasu オープン デイ 訪問記

2024年07月30日、私はNanoTerasu オープン デイに一般客として参加し、3GeV高輝度放射光施設 NanoTerasu(以下NanoTerasu)を見学した(図01,[1])。

放射光は、加速器によりほぼ光の速さまで加速された電子・陽電子からつくられる指向性の高い光である。非常に強力なX線を含み、その明るさは医療用レントゲンの1億倍以上に達する。X線は原子の大きさとほぼ同じ長さの波

もっとみる
「描く人、安彦良和」展 見聞録

「描く人、安彦良和」展 見聞録

2024年08月16日、私は兵庫県立美術館(図01)を訪れ、一般客として、「描く人、安彦良和」展(以下同展)に参加した(図02,[1],[2])。

同展は、『機動戦士ガンダム』のキャラクターデザイナー兼アニメーションディレクターであり、漫画家としても活躍する安彦良和(以下敬称略)の創作活動を展望する回顧展である(1,2)。

 『機動戦士ガンダム』(図03)などのテレビアニメ、『機動戦士ガンダム

もっとみる