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「描く人、安彦良和」展 見聞録

2024年08月16日、私は兵庫県立美術館(図01)を訪れ、一般客として、「描く人、安彦良和」展(以下同展)に参加した(図02,[1][2])。

図01.兵庫県立美術館。 肖像権対策のため、モザイク処理済。 
図02.ポスター「描く人、安彦良和」:『機動戦士ガンダムⅢめぐりあい宇宙編』シャアとアムロの決闘より。


同展は、『機動戦士ガンダム』のキャラクターデザイナー兼アニメーションディレクターであり、漫画家としても活躍する安彦良和(以下敬称略)の創作活動を展望する回顧展である(1,2)。

 『機動戦士ガンダム』(図03)などのテレビアニメ、『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』(図04)などのオリジナル ビデオ アニメ、および、『ネオ・ヒロイック・ファンタジア アリオン』(図05)などのアニメーション映画で、安彦が大きな足跡を残していることがよく分かる。

図03.ポスター「描く人、安彦良和」:『機動戦士ガンダム 記録全集』5巻掲載イラスト原画より。 
図04.ポスター「描く人、安彦良和」:『機動戦士ガンダム THE ORIGIN Ⅴ 激突ルウム会戦 Blu-ray Disc Collector’s Edition(初回限定生産)』飾れる収納箱用イラスト原画より。 
図05.ポスター「描く人、安彦良和」:『ネオ・ヒロイック・ファンタジア アリオン』宣伝ポスター用イラスト原画より。


また、『ナムジ』(図06)や『乾と巽 -ザバイカル戦記-』(図07)などの漫画の作者として、漫画の世界にも安彦が大きな足跡を残していることがよく分かる。

図06.ポスター「描く人、安彦良和」:『ナムジ』第一部第二章「スセリ」本文原稿より。 
図07.ポスター「描く人、安彦良和」:『乾と巽 -ザバイカル戦記-』第1話 本文原稿より 『アフタヌーン』2018年11月号掲載。


同展では、『宇宙戦艦ヤマト』や『巨神ゴーグ』などの世に知られている作品の資料だけでなく、『メッセニアの旋風』や『ルルシアと七匹の妖精たち』などの企画倒れとなった作品の資料が展示されている。

このことから、テレビアニメなどとして世に公開されている作品は「厳選された優良作品」であることを痛感した。

安彦は『ナムジ』や『乾と巽 -ザバイカル戦記-』以外にも、『神武』、『ジャンヌ』、『虹色のトロツキー』、および、『天の血脈』などの歴史漫画を上梓している。いずれも漫画も読み応えがあり、かつ、安彦だから生み出せる「熱さ」を感じさせるものである。

そういえば、ウルトラ怪獣の生みの親で、彫刻家である成田亨は晩年、日本のモンスターを描くことをテーマに活動する中で、鬼に興味を抱いた([3])。成田や安彦などトップ クリエイターは最終的に歴史や伝統などに関心を抱くことに、私は興味を抱いている。

メッセージ ボードから、安彦や彼が関わっている作品群がファンから愛されていることがよく分かる。私もまたこうしたファンの1人である(図08)。

図08.メッセージ ボード。

私は同展に非常に感謝している。「安彦さん、そして、同展に関わっている全ての皆さん、思い出をありがとうございます」!



参考文献

[1] 株式会社 毎日放送.“「描く人、安彦良和」 ホームページ”.https://www.mbs.jp/yasuhikoten/,(参照2024年08月19日).

[2] 兵庫県立美術館.“「描く人、安彦良和」”.兵庫県立美術館 ホームページ.https://www.artm.pref.hyogo.jp/exhibition/t_2406/,(参照2024年08月19日).

[3] 株式会社 両丹日日新聞社.“鬼に魅せられた彫刻家 ウルトラ怪獣の成田亨さん”.両丹日日新聞社 ホームページ.ニュース.2022年01月03日.https://www.ryoutan.co.jp/articles/2022/01/92595/,(参照2024年08月19日).

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