見出し画像

天文仮想研究所(Virtual Space Program:VSP)創立5周年記念イベント訪問記 1日目 01

天文仮想研究所(Virtual Space Program:VSP)は、仮想現実(Virtual Reality:VR)空間で活動する宇宙同好会(任意団体)である。

VR技術を用いて天文学や宇宙開発等に関する活動を行い、参加者の興味・関心を高めるとともに、天文学や宇宙開発を楽しむことを目的としている([1])。


2024年10月12~14日、VSPはVSP創立5周年記念イベント(以下同イベント)を開催した([2])。私も一般客として参加した。


1日目(10月12日)には、「リニューアル!VSP初心者ツアー」、「VSPの5年を振り返る会」、および、「1年間の宇宙ニュース振り返り&解説」の3つのプログラムが催された。

いずれの内容も興味深く、かつ、魅了させるものであった。


以下に、各プログラムの報告を示す。

 

01.「リニューアル!VSP初心者ツアー」([3]

参加者は最初に「星廻る島 -Island with planets-」を訪れたが、土星が参加者を見下ろしていた(図01.01,[4])。

図01.01.「星廻る島 -Island with planets-」での土星。


2番目に、参加者はアニメーション ライブ ワールド「Animation Live "Escape"」を訪れた(図01.02,[5])。

図01.02.「Animation Live "Escape"」。


そこでは、「地球は人類のゆりかごである。しかし人類はゆりかごの中にいつまでも留まっていないだろう」というコンスタンチン・ツィオルコフスキー(以下敬称略)の一文(図01.03,[6])、H-IIAロケットの打ち上げ(図01.04)、および、小惑星リュウグウに辿り着いたはやぶさ2(図01.05)が印象深いものになっている。

図01.03.「地球は人類のゆりかごである。しかし人類はゆりかごの中にいつまでも留まっていないだろう」、コンスタンチン・ツィオルコフスキー。
図01.04.H-IIAロケット 打ち上げ。
図01.05.はやぶさ2、小惑星リュウグウに辿り着く。


3番目に、参加者は「SLIM_Touchdown」([7])を訪れたが、そこには小型月着陸実証機「SLIM(Smart Lander for Investigating Moon)」(図01.06,[8])と変形型月面ロボット(Lunar Excursion Vehicle 2(LEV-2)、愛称「SORA-Q」)(図01.07,[9][10])が展示されている。

図01.06.小型月着陸実証機「SLIM」。
図01.07.変形型月面ロボット(Lunar Excursion Vehicle 2(LEV-2)、愛称「SORA-Q」)。


4番目に、参加者は「Lumarnity®」(Lunar Smart Community ®)([11])を訪れたが、月面プラント(図01.08)と月面港(図01.09)は重要かつ印象深い仮想施設である。

図01.08.月面プラント。
図01.09.月面港。


最後に、参加者は「Lunar orbit」(図01.10,[12])を訪れたが、Lunar orbitから見た月は美しい(図01.11)。

図01.10.Lunar orbit構内。
図01.11.Lunar orbitから見た月。



02.「VSPの5年間を振り返る会」

このイベントは、VSPの5年間にわたる沿革を振り返るものである(図01.12,[13][14])。

(a)2019年10月14日~2020年04月18日。
(b)2024年06月23日~2024年09月07日。
図01.12.「VSPの5年間を振り返る会」。


03.「1年間の宇宙ニュース振り返り&解説」([15] で閲覧)

このイベントは主に、以下のニュースを紹介した。

1.「アミノ酸は秒速約4.2kmで衝突しても無事 氷天体のプルーム分析への基礎的な研究」([16]):アミノ酸を含む氷の粒を加速して衝突させる実験を行った結果、最速で4.2km/sでもアミノ酸はほとんど変質しないことが明らかになった。SNSで化学クラスタに属する私にとっても、興味深いものである。

2.「ハッブル定数の食い違い、JWSTの観測でも裏付けられる」([17]):ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡によって複数の銀河のケフェイド変光星が1000個以上も精密に観測され、ハッブル定数の不一致問題が依然として存在することが確かめられた。

3.「宇宙生命探査の鍵となる「太陽系外の金星」を発見」([18]):地球からわずか40光年の距離に、太陽よりも低温の恒星のまわりを周回し、地球や金星と同程度の大きさを持つ太陽系外惑星「グリーゼ 12 b」が、発見された。

4.「NASA赤外線天文衛星「NEOWISE」ミッション終了 2024年末頃に大気圏へ」([19]):2024年08月08日、米国航空宇宙局(NASA)は、赤外線天文衛星「NEOWISE(ネオワイズ)」のミッションが終了したことを発表した。運用を終えたNEOWISE衛星は2024年末頃に地球の大気圏へ突入して燃え尽きると予想されている。

 

いずれのプログラムも興味深いものであった。



参考文献

[1] 任意団体 天文仮想研究所(Virtual Space Program:VSP).“概要”.VSP トップページ.天文仮想研究所について.https://virtualspaceprogram.org/about/overview,(参照2024年10月16日).

[2] 任意団体 天文仮想研究所(Virtual Space Program:VSP).“【イベント告知】VSP創立5周年記念イベント(以下略)”.天文仮想研究所 VSP トップページ.2024年10月05日.https://x.com/vsp_vrc/status/1842399316725596371,(参照2024年10月16日).

[3] 任意団体 天文仮想研究所(Virtual Space Program:VSP).“「リニューアル!VSP初心者ツアー」VSP創立5周年記念イベント”.天文仮想研究所 Virtual Space Program ホームページ.ライブ.2024年10月12日.https://www.youtube.com/watch?v=WLVhotAkQvI,(参照2024年10月17日).

[4] VRC LIST.“星廻る島 -Island with planets-もしも月軌道に惑星があったなら/unity2019対応&Quest用カメラ設置”.VRC LIST ホームページ.Worlds.2020年12月14日.https://vrclist.com/world/53280,(参照2024年10月17日).

[5] VRChat Inc..“Animation Live "Escape" - Public”.VRChat ホームページ.https://vrchat.com/home/launch?worldId=wrld_663166d0-5e80-4643-9746-93b9558b89d1,(参照2024年10月17日).

[6] 株式会社 デジタルブラスト.“「地球は人類のゆりかご」-ツィオルコフスキーが見た未来の宇宙開発-”.SPACE Media ホームページ.エンタメ・アート.2022年09月05日.https://spacemedia.jp/entertainment-and-art/3040,(参照2024年10月17日).

[7] VRChat Inc..“SLIM_Touchdown - Public”.VRChat ホームページ.https://vrchat.com/home/launch?worldId=wrld_64006d53-5fde-4e0e-99a8-a755860a6f39,(参照2024年10月18日).

[8] 国立研究開発法人 宇宙航空研究開発機構(JAXA).“MOON Sniper SLIM Project トップページ”.https://www.isas.jaxa.jp/home/slim/SLIM/index.html,(参照2024年10月18日).

[9] 株式会社 タカラトミー.“SORA-Q ホームページ”.https://www.takaratomy.co.jp/products/sora-q/,(参照2024年10月18日).

[10] 国立研究開発法人 宇宙航空研究開発機構(JAXA).“変形型月面ロボットによる小型月着陸実証機(SLIM)の撮影およびデータ送信に成功”.JAXA トップページ.プレスリリース・記者会見等.2024年01月25日.https://www.jaxa.jp/press/2024/01/20240125-4_j.html,(参照2024年10月18日).

[11] 日揮ホールディングス株式会社..“月に循環型インフラを。「Lumarnity®」(Lunar Smart Community ®)の紹介資料”.サステナビリティ ハブ ホームページ.資料一覧.テクノロジー.https://www.sustainability-hub.jp/document/lumarnity-dl/,(参照2024年10月18日).

[12]  VRChat Inc..“Lunar orbit - Public”.VRChat ホームページ.https://vrchat.com/home/launch?worldId=wrld_fe7af979-3148-45e2-8fbd-a53db04466f0,(参照2024年10月19日).

[13] 任意団体 天文仮想研究所(Virtual Space Program:VSP).“【イベント告知】VSP創立5周年記念イベント「VSPの5年を振り返る会」”.天文仮想研究所 VSP トップページ.2024年10月05日.https://x.com/vsp_vrc/status/1842399562008326280,(参照2024年10月19日).

[14] 任意団体 天文仮想研究所(Virtual Space Program:VSP).“沿革”.VSP トップページ.天文仮想研究所について.https://virtualspaceprogram.org/about/history,(参照2024年10月19日).

[15] 任意団体 天文仮想研究所(Virtual Space Program:VSP).“「1年間の宇宙ニュース振り返り&解説~解説はあえてマイナーなもので~」VSP設立5周年記念”.天文仮想研究所 Virtual Space Program ホームページ.ライブ.2024年10月12日.https://www.youtube.com/watch?v=bRqIwQ_6Bas,(参照2024年10月19日).

[16] 株式会社sorae.“アミノ酸は秒速約4.2kmで衝突しても無事 氷天体のプルーム分析への基礎的な研究”.sorae 宇宙へのポータルサイト ホームページ.天文.2023年12月18日.https://sorae.info/astronomy/20231218-amino-acid.html,(参照2024年10月19日).

[17] 株式会社アストロアーツ.“ハッブル定数の食い違い、JWSTの観測でも裏付けられる”.アストロアーツ ホームページ.恒星・銀河.2023年03月18日 NASA.https://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/13517_constant,(参照2024年10月19日).

[18] 大学共同利用機関法人 自然科学研究機構 国立天文台.“宇宙生命探査の鍵となる「太陽系外の金星」を発見”.国立天文台 ホームページ.ニュース.アーカイブ.研究成果.研究成果:2024年.2024年05月24日.https://www.nao.ac.jp/news/science/2024/20240524-subaru.html,(参照2024年10月19日).

[19] 株式会社sorae.“NASA赤外線天文衛星「NEOWISE」ミッション終了 2024年末頃に大気圏へ”.sorae 宇宙へのポータルサイト ホームページ.宇宙開発.2024年08月19日.https://sorae.info/space/20240819-neowise.html,(参照2024年10月19日).

いいなと思ったら応援しよう!