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#二十四節気
72候【花鳥風月】霜降の候 2023
山から裾へ、北から南へ
霜がふる月、霜降り月をむかえる霜降の候。
気まぐれな秋時雨がとおりすぎると、大地に冷気が刻印され、水の循環とともに生命力を謳歌していた緑いっぱいの植物界は、しん...と、しずけさにつつまれます。
紅葉色に染まる地上世界は、北から南へ、山から裾野へ、ゆっくりと下降して、里にまでおりてくるとこんどはお山のふもとから頂上へ、そして天仙界へつながる道しるべとなって、冬将軍ご
72候【花鳥風月】寒露の候 2023
結晶
10月にはいると、あちらこちらで初霜がおりたよという声がきこえてきます。
白露から秋分、寒露、そして霜降の候にうつりゆく季節は、白く輝いていた水の精霊たちが冷気とともに固形化し、そのすがたをカタチあるものへと変容させてゆきます。
寒露の候につゆ・しもとなって、地表を水属性じゅうたんでおおってしまう水精霊は、やがてくる冬の季節に精気旺盛になる四元素です。
地表が冷えるとちかくの空気の
72候【花鳥風月】秋分の候 2023
秋思にくれる秋の空 すとんとくれる秋の宵
暑さの区切りとなる秋分の日から、台風・暴風もだんだんおさまりはじめて、大気はつめたさをふくむようになります。
折々にひんやりした風をすいこむと、いよいよ秋だなぁと感じるようになって、肺はきもちよい冷たさをうけとると「秋にはたらく五臓の順番」がまわってきたとばかりに活発になります。
肺の感受性がたかまると周囲の気配や雰囲気に敏感になる説があります。
72候【花鳥風月】白露の候 2023
天地惹かれて雷はしる、いわしとひつじは空駆ける
いわし雲やひつじ雲など、高度のちがう雲たちが空を駆けまわる9月は、温度差のある層が大気のなかを遊泳して、四大精霊たちもあちらの風にのり、こちらの雫にのって、上空からの最終確認に余念がありません。
春分の日に地球に降りてきた精霊たちは、ことしも植物界で開花と結実の大仕事をおえて、秋分の日にひらかれる精霊界ポータルにむかって帰省の準備にはいるころ
72候【花鳥風月】立秋の候 2023
夏秋ゆきあいの間、地の実熟して天の星流る
夜にまぎれてひっそりと、地表にふきわたる秋の初風を感じる季節がやってきます。
白秋は早朝の霧にもそっとしのびこみ、炎昼のさなかにひとすじ、ふたすじほどの涼風をまぎれこませ、ヒグラシの鳴き声にも伏在して、猛暑のピークが過ぎ去ったよ、とつたえてくれます。
残暑にうんざりしながらも、どこかなごりおしいような、やっぱりほっとするような。
交錯する思いは夏秋
72候【花鳥風月】大暑の候 2023
夏はこころのカギを甘くするわ、ご用心 ♪
年中いっとう暑い季節となる大暑の候は、地表をうごめく虫たちや、宙にまう羽音やさえずり、小枝を走りまわる小動物、ひっきりなしの蝉の声、夕立、暴風、稲光と、自然界は生々しいライブ感で騒然となります。
草いきれはハーブスチームよろしく大気を匂い情報でみたし、温度や湿度による触覚情報も、色とりどりの果実や花による視覚情報も、盛りに盛って休みなく五感を刺激し
72候【花鳥風月】小暑の候 2023
白南風さそう風鈴音、草露あつめて文披
都会のまんなかにも夏の匂いが浸透して、海山恋しい季節にはいります。
空をおおおっていた雨雲はだんだんとまぶしく澄んだ青空にかわり、梅雨あけにふく南風は、葉すれの音や虫たちの羽音をお囃子に、いのちの音がつらなる壮大な地球交響曲をはこんできます。
どこからともなくきこえる風鈴の音は、こころを凛と澄ませる凉のしらべ。
凉しの情緒を思いだすと、目まえのせわしい
72候【花鳥風月】夏至の候 2023
4つのとびら
夏至は一年でいちばん太陽がたかくのぼる、日のながい一日です。
陽気が極まり、陰気に転ずる節目の日でもあります。
いつのころからか、くらしのリズム、いのちのリズムは春分、夏至、秋分、冬至と4つの節目でフローをくみたてるようになりました。
わがやの年中行事としてはグレゴリオ暦の盆暮れ正月はとくになにをするでもなく、春分からはじまる4つの節目に香を焚きしめたりごあいさつにでかけたり、か
72候【花鳥風月】芒種の候 2023
地球循環のエキスパート
「芒」は稲や麦などにある、針のようにするどい突起のことで、芒種の候は芒をもつ穀物の種まき、田植え、そして麦の刈りいれに適した季節がやってきたことをあらわします。
天にむかう無数のつんつん芒が地表をおおうと、するどい針状のさきに、わりばしで綿あめをつくるみたいにして、エーテル成分がからみついているような気がします。
地球はおよそ時速1700㎞で自転しています。
・地球の
72候【花鳥風月】小満の候 2023
言の葉いろめき、色彩みつる、とまらぬ顕現、空即是色
内側からぽんぽんと、はじけるようにいのちが顕われる小満の候。
花はつぎつぎと咲きほこり、河川の流水はしぶきをちらし、水をふくんだ風は木々の葉をやさしくゆらして、地上世界をf分の1ゆらぎで満たしてゆきます。
外気は本格的にあたたかくなり、湿度が急激に上昇して、水と光がであう地上世界は色とりどりに脚色され、カラフルに輝きます。
やすみなく顕現をく
72候【花鳥風月】立夏の候 2023
若葉萌え、薫風そよぎ、ひかりふる月
陽ざしがいよいよ夏らしくなり、若葉の緑も目にまぶしい季節がやってきます。
棚田のある地域では田に水が張られて、田毎にうつる月の美しさが自然界のギャラリーのようで、みごたえもたっぷり。
薫風の語源は「よいかおりをはこんでくる風」という意味ですが、もとは花の香をはこんでくる風だったという説もあります。
いまではすっかり初夏の青葉の香りを意味するようになりましたが
72候【花鳥風月】穀雨の候
百穀うるおすめぐみ雨、春眠三昧、春土用
春のおわりを告げる穀雨の候は、天からふりそそぐ滋養たっぷりの雨が、今年も植物界にもたらされる季節がやってくるよと、お知らせする季節。
百の穀物を生かす雨、雨生百穀ということばの力強さから、雨のめぐみをリスペクトしてきた古の人々の思いが伝わってきます。
天からふりそそぐ雨と、うけとる大地。
地球に浸透した雨は、植物をとおして気化もするし、川や海から蒸発して
72候【花鳥風月】清明の候
万物ここに至りて 皆 潔斎にして清明なり
花鳥風月もっとも清浄明潔なるころ。
水も大気も陽のひかりも、きよらかにして、あかるくやわらかく、爽やかな南東の風が心地よい季節です。
春分のころから大気をふるわせるようにポン、ぽん、タン、たんと芽吹いた植物たちが、そろそろと葉をひらき、自分が何者であるのか、名のりをあげて素性を清く明潔にあらわすころ。
日本ではやわらかい文化が花開いた平安時代に、たく