現実からの雨宿り-私を繋いでくれた「好き」の世界-
強迫性障害の症状は日に日に悪化。
必死に離すまいと掴んでた
当たり前の日常も、
中学一年の夏には、
ついに学校へ行けなくなってしまった。
ひたすら翻弄された中学時代。
強迫性障害のことはもちろん、
自分が今置かれてしまっている状況なんて、
理解できやしなかった。
頭の中はぐちゃぐちゃだし、
ひたすら目の前で起こっていく現実に、
混乱することしか出来なかった。
そんな地獄のような心地にいる現実は、
毎日似たような形で繰り返されるばかりで、
その現実から逃げるにしろ、向き合うにしろ、
どっちにしても
その現実の中にいることしか出来なかった。
与えられたなら、
その現実を自分の力で変えていく。
見渡す限り、
それが唯一私に残された道だった。
けれど、
それもそんな容易いことでは無かった。
強迫性障害の治療を頑張っても、
そのための苦しみは付いて回るし、
果たして良くなってるのか、
悪くなってるのか、
それすらも大して分からないような状況でも、
一歩ずつ、
自分の足跡を信じて、
前に進まなければならない日だってあった。
中学校へも簡単に、
登校出来るようになったわけではないし、
自分がなんとか手を伸ばせる範囲で、
自分の足元を慣れないながらに確かめながら、
「登校」という目標に向かって、
一つずつ積み重ねる日々だった。
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そんな日々の中で、
「あぁーー!もう最悪だ。」
と現実から逃げ出したくなってしまうとき、
私の逃げ場となってくれた存在があった。
それは自分の「好き」が詰まった世界だった。
当時の私にとってそれは、
「アイドル」と「お洋服」だった。
辛くなったら、
しんどくなったら、
上手くいかなくなったら、
とにかくその世界に一目散に駆け込んだ。
その世界には、
私と私の「好き」しか立ち入りは許されていない、
構成員はそれだけだった。
その中では、
「強迫性障害」の私でもないし、
「不登校」の私でもない。
もはやそんな名前たちは、
そこでは意味をなさないくらいに、
私という一人の人間とその「好き」の世界との
一対一のフラットな関係が、
ただそこに存在してくれるだけだった。
そんな世界に身を置くと、
私自身を取り戻すことが
できるような気がした。
しがらみや偏見なんてなくて、
ただ私は、
「何が好きで、嫌いなのか。」
「何をしている時が楽しくて、つまらないのか。」
そんな当たり前のようにも思えるようなことを
真っ直ぐに私に伝えてくれた。
当時好きだった嵐や関ジャニの音楽には、
数えきれないくらい力をもらったし、
ライブのDVDは、
目の保養のようにたくさんの癒しをもらって、
時には転がるくらい笑ったり、
存分に楽しませてもらった。
外出をするのさえ、
大変なこともあったけど、
大好きなお洋服のためなら、
家族と買い物に出かけることも出来た。
「これは何に合うのか」
「どんなイメージなのか」
そんなことを想像しながら
お洋服を選んでいる時間は、
私のワクワク感そのものだった。
「好き」に熱中している時間は紛れもなく、
ひたすら「好き」が溢れている証だった。
その中には、
現実にある悩みや辛さは入って来れない。
だから、
ほんのわずかだとしても確実に、
苦しい現実を目隠ししてくれていたし、
また現実に戻っても、
知らずのうちに、
その中で頑張る力を宿してくれていた。
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「好き」がたくさんのパワーをくれることは
当時の私もなんとなく気づいていたけど、
今の私は更にこんなことを思う。
それは、
そんな「好き」な世界を
出来るだけたくさん持っておく
ということ。
それは現実がしんどい時はもちろん、
日々の幸せにも
すごく役立ってくれるような気がするんだ。
その時々に応じて、
入り込みやすい世界は、
多分きっと変わってくる。
だから、
自分の中に散らばってる
「好き」の世界の中に、
入り込みやすい「好き」の世界の中に、
飛び込んでしまうんだ。
その「好き」の世界の中で、
思うままに過ごしているうちに、
自由に行き来しているうちに、
その頃にはもう、
現実の世界の中で吹き荒れる土砂降りの雨は
弱まってくれていたり、
自分自身も、
そのための傘を用意出来るようになっていたりも
すると思うから。
多分その「好き」はきっと、
どんな些細なものでもいい。
趣味などと声を大にして
言えるようなものでなくたって
きっといい。
どんな些細なものだとしても、
自分の中にある「好き」は素晴らしい。
そんな「好き」を
ちょっとずつ増やしていく。
「好き」を持っている。
それだけできっと尊いことなんだ。
(34度が低いと思ってしまっている自分がいる笑
この夏が思いやられる😇)
りん
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