『読んでいない本について堂々と語る方法』を実践してみた
こんにちは!
「noteの本屋さん」を目指している、おすすめの本を紹介しまくる人です!
本棚に積まれたままのあの本、気になってはいるけれど、なかなか読む時間がない...…。そんな経験はありませんか?
でも、もしも「読んでいない本」について、堂々と語ることができたら?
そんな夢のような方法を、フランスの哲学者ピエール・バイヤールがユーモアたっぷりに教えてくれるのが、この『読んでいない本について堂々と語る方法』です。
教養とは、知識の量ではなく、知識をどう使うか!
そんな言葉が聞こえてきそうな本。
教養とは何か、どうすれば身につけられるのかを、ユーモアを交えながら深く掘り下げています。
「読んでいない本について堂々と語る」ことは、決して悪いことではないようです。
むしろ、知識を柔軟に活用し、教養を深めるための第一歩となるかもしれません。
そんな本を今日は紹介!
いったいどんなやつが書いているんだ、と思い調べました。
ピエール・バイヤール
1954年生まれのフランスの精神分析家、作家、批評家。パリ第8大学教授。だそうです。なるほど、フランス人だから読んでない本を堂々と語るのですね、納得です。笑
この本、読書と教養に関する挑発的な書籍です。「本を読まなくても、その本について語ることができる」という大胆なテーゼを掲げ、読書の常識を覆します。
バイヤールは、古今東西の知識人たちが、実際に読んでいない本について、いかに巧みに語ってきたかを例示し、読者の固定観念を揺さぶります。
本書で紹介される「読んだふり」の方法
書評や解説、先行研究を読む 書評や解説、先行研究を読むことで、本の内容やテーマ、評価などを把握し、あたかも読んだかのように語ることができる。あらすじだけでなく、批評家の意見や解釈に触れることで、より深い議論に参加できるという
著者の他の作品や関連書籍を読む 著者の他の作品や関連書籍を読むことで、著者の思想や文体、関心などを理解し、その知識を元に未読の本について語ることも可能。著者の作風やテーマを把握することで、未読の作品の内容を推測しやすくなる
本のタイトルや目次から推測する 本のタイトルや目次から、本の内容や構成を推測し、自分の知識や経験と結びつけて語る。タイトルや目次は、著者が読者に伝えたいことのヒントに繋がっている
会話の流れに乗る 会話の中で、未読の本について話題が出た場合、相槌を打ったり、質問をしたりすることで、会話に参加することがで。積極的に質問することで、相手から情報を得て、知識を深めることができる
面白い主張
バイヤールは、この本を通じて、読書とは単に書かれた文字を追うだけでなく、書物と著者、そして読者自身の知識や経験との対話であることを強調しています。そして、「読んだふり」をすることは、必ずしも悪いことではなく、むしろ教養を深めるための有効な手段であるとまくしたてます。
注意点
ただし、この本で紹介されている方法は、あくまで「読んだふり」をするためのテクニックであり、実際に本を読むことの代わりにはなりません。本を読むことで得られる知識や感動は、他の何物にも代えがたいものです。
感想
最初は「読んでいない本について語る」というタイトルに惹かれて手に取りましたが、読んでみると、単なるふざけた読書術の本ではなく、読書の本質や教養とは何かを問いかける哲学的な内容であることに驚かされました。
バイヤールの軽妙な語り口は、まるで友人との会話のように親しみやすく、難しいテーマを扱っているにも関わらず、スラスラと読み進めることができました。
特に、古今東西の知識人たちが「読んだふり」をしてきた事例は、思わず笑ってしまうほど面白く、それでいて深く考えさせられるものでした。
この本を読んで、読書に対する私の考え方は大きく変わりました。以前は、「本を読まなければ語ってはいけない」という固定観念にとらわれていましたが、今では、「読んでいない本について語る」ことは、むしろ教養を深めるための有効な手段だと考えるようになりました。
もちろん、実際に本を読むことの大切さは変わりませんが、この本は、読書の楽しみ方を広げ、より深く本と向き合うためのヒントを与えてくれるものです。
特に、読書会や友人との会話で、この本で得た知識を活かしたいと思っています。堂々と「読んだふり」をして、議論を盛り上げてみたいですね。
この本は、読書好きはもちろん、教養を深めたい方、新しい視点を求めている方にもおすすめの一冊です。
この本、読まずに堂々と語ってもいいですけど、買いはしてくださいね?
えっ……? フランスの作家マンディアルグの『満潮』を読んだことがあるかって? 当然だよ!
主人公のジャンはノルマンディの貧民街に暮らす16歳の学生。
絵を描くことが好きだが、画材を買うお金が無い。
パリの用筆店で高価な筆や画材を盗んでしまう。
彼はノルマンディの美しい海岸に立って、その風景を真っ白なキャンバスに写生するんだ。満潮になった海辺に満月が落ちてくる瞬間をスケッチする。写生が終わったあと、ジャンの心には達成感が湧きはじめるが、同時に盗みの罪悪感も満ちてくる。
最後は店に画材を返しに行くんだけど、見事な出来栄えだったので、店主と約束を交わして許されるんだ。ひとつは二度と盗みをしないこと、ふたつは絵を描き続けること。
ノルマンディだから、ジャンはミレーの幼少期がモチーフだろうし、モーパッサンの影響を受けたフランス自然主義文学として有名だよ。ゾラは悲惨すぎるけど『満潮』なら載せられるという理由で、向こうでは中学校の教科書に採択されているんだ。
【編集後記】
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