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欲望するキャリア~ジャック・ラカン:キャリアと学びと哲学と
何を望むのか?今回はジャック・ラカンです。1901年に生まれて1981年に亡くなった戦後フランスの精神分析の大家です。ラカンのテキストは難解至極。読むのに非常に苦労をするということで有名ではあるのですが、学習やキャリアということについて考えるとき、そのもっとも本質的なところを突いてくるのがラカンだと私は考えています。
というのも、精神分析が扱うのは人の欲望です。学習もキャリアも人の欲望が動か
学びは習慣を解体する~ジル・ドゥルーズ:キャリアと学びと哲学と
差異と習慣今回お話しするのはジル・ドゥルーズです。ドゥルーズといえばフェリックス・ガタリとのコンビで「アンチ・オイディプス」や「千のプラトー」を世に出し、ジャック・デリダと並ぶ現代思想の双璧として、私の世代の現代思想の読者にとっては非常に知られた存在です。
一般的には「ノマド」という言葉を流行らせた人かもしれません。ドゥルーズの思想は「ノマドロジー」などと呼ばれ「ノマド」(遊牧民族)のあり方
永遠回帰と肯定の哲学~フリードリヒ・ニーチェその3:キャリアと学びと哲学と
永遠回帰ニーチェの哲学にはゴールはありません。たどり着けば終わりにできる最終地点はありません。言い方をかえれば、何度でもスタートを繰り返さないといけない哲学です。人生にあっては、何度でも自分の不完全さと向き合って、完全にはなれない自分を受け入れていくことが、大事なことになります。
ニーチェの哲学に「永遠回帰」という言葉があります。同じものが何度も何度も帰ってくるという意味で、理解の難しい言葉
超人とニヒリズム~フリードリヒ・ニーチェその2:キャリアと学びと哲学と
超人と神他人に依存することなく自分の人生の責任を自分で引き受けて生きること、それこそニーチェが求める強さです。そして、その強さをもった存在をニーチェは「超人」と呼びます。「超人」とは、それこそ人間を超克した存在ですから、もっと特別なことかと思われるかもしれませんが、自分の人生の責任を自分で引き受けるというのは、思いのほか当たり前のことのようにも思えます。
それが、ニーチェが生きた時代には当た