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高屋敷坂
2023年8月31日 11:23
ひまわりの花びらが ひとつじめんへ まうひらり ひらりちゃくちは しずかひまわりの黒いたね ふたつじめんへ とぶぽろん ぽろんちゃくちは はずむひまわりの背たけは いつつじめんを みるゆらり ゆらりかぜは そよぐ
2023年8月30日 11:02
あついあつい夏がこの四季というなかから音もなく なにもなくこつぜんと 姿をけしたなら祭りはなくなり 花火はきえ傑作の山車 夏料理青い海 みずみずしい野菜ひまわり あさがおみんな なかったことになるせんぷうきの風にふかれ頭をとかしていたそんな日は 八月三十日
2023年8月29日 10:59
お弁当のはこをしずかにひらきいろどりゆたかな 花畑白いごはんにはゆらがぬつぼみ赤々と ひろがる光線口にほおばり 幸せになればちくっと さされて 腕をみる白い腕には赤々と ひろがる小山ができた
2023年8月28日 11:24
朝日がのぼって 光さす頬をくすぐられ頭のひびきに 目をさます鳥のさえずり二輪車のベル雲はゆうゆうと時はすすむ朝は いちばんゆううつな時間
2023年8月27日 11:34
よろこびは きいろいかりは あかいろかなしみは あおいろたのしさは きみどりこの よっつの感情をこの よっつの色彩をいったい ぜんたい誰がきめたんだろうだれが よろこびは あかるいとだれが いかりは しゃくねつとだれが かなしみは つめたいとだれが たのしさは はずむと誰がきめたんだろうわたしは おりがみをおったきょうは 晴れ間らしい
2023年8月26日 11:30
青空をあおぎ 男の子かきごおりみたいと 指をさす水平線の かなたには天までとどく 入道雲その頂へ なにいろのシロップをかけよう 男の子あまい赤色やさしい緑すずしい青にげんきな黄色空のかきごおりは うらやましいずっと ずっと溶けることがないのだね
2023年8月25日 11:17
身体の内の どこかが痛むツンツン ザクザク刺されている痛むところは 身体の袋赤い皮膜が 溶けてるようくすりを九錠くすりを十八錠くすりを二十七錠くすりを三十六錠のんでも のんでも 治りやしないジクジク ゾワゾワ波動している痛むところを 手でかばい気絶するよう 寝こんでみればこれ おどろくほどに治っている
2023年8月24日 11:27
ページをめくり あらわれるどんどん どんどん あらわれるそれは 彩り豊かな 過去の写真みんな笑顔でたのしそうときに涙のいちまいあり息をしていた痕跡がたったいちまいに あらわれる私はちっとも 残っていないけどぬるく 幸せな 気持ちになる
2023年8月23日 11:59
一通の文字だらけの言伝を待つこの月々はいかに 心配でいかに 夢をみるかそれは 私しか知らない辛抱のあゆみ
2023年8月22日 10:56
日々つねづねと意味もない文字を連ねているとぽっきりと どこかで枝のおれる 音がするそうしたら快活な筆は息をとめなにもしない日々が つねづねと青空を振動させ 戦闘機公園の中央から おもちゃの銃声地下を躍動する 大型トラックこうしているあいだにもうかばない うかばない 文字なにもしない日々はつねづねとなにもしない日々はつねづねと
2023年8月21日 10:54
雨あがりの 車窓から追いかける影をみつめたそれは 藪のなかでそれは 長草のなかでそれは 稲のなかで風をまとわせてついてきたはしる車の影座る私の影はなく無人で走っている 車の影が夕陽に照らされて 茶色くている前方の硝子窓をみれば雨がふってきた
2023年8月20日 10:30
これは遠慮でしょうかそれとも自信がないのでしょうかさめざめとふる心のなかの粉雪にいくど冷やされ真っ赤になったことでしょういつかそのいじらしい人間性が仇となって癖になって階段をふみこむことも怖くなってやめてしまいそれでも登りつづける人々にいくど悩まされ真っ赤になったことでしょう憎悪と嫌悪と嫉妬ざぶざぶ沸いてくるのが人間の心の性分ですが幼きころから私の心には白く冷
2023年8月19日 11:03
ボロ小屋に住まう婆さんは、いつも休みなく家事をしていた。料理に掃除に買いもの。その多忙さは、皺を隠すほどに身についているようだった。なによりも婆さんは、洗たくをしているときが一番綺麗であった。洗たく籠のなかには、洗たくものが、花が咲き誇ったかのように目まぐるしく詰めこまれている。それを婆さんは、地面を掴むように引き上げ、洗たく機のなかへ送り出す。夏の乾いた青空の陽は、濡れた衣服たちを風になびかせ
2023年8月18日 11:06
愛はあたたかい愛はこうふく愛はえいえん愛はみえない愛はつめたい愛はくるしい愛はみじかく愛はかくれる愛はげきやく愛はおもく愛はにげられず愛はしばられる