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狩野ミチ
2025年2月13日 19:30
北三陸の港町では、春の味覚として「あかはた」が親しまれている。八戸市の沿岸部では「あかっぱ」とも呼ばれるこれは魚のアカハタではなく、和名をアカバギンナンソウという北太平洋に生える海藻の一種のことだ。「あかはた」という呼び名こそ用いられないものの、北海道でも稚内市を中心とした宗谷地方では「仏の耳」や「耳こ」、「銀杏草」などと呼ばれ、味噌汁の具材などとして親しまれている。 柔らかく特有の旨味が
2025年1月30日 19:30
青森県八戸市にある八食センター。 八食センターでは月に1回のペースで八食料理道場と題して、八戸市のプロの料理人を講師として招いた料理教室が行われている。 前々から気になっていたこの料理教室なのだが、先日ついに参加できた。 自分が参加した際のテーマは青森県産食材でポルトガル風おもてなしパーティーメニュー。講師は八戸市中心街に店を構えるポルトガル料理店であるRESTAURANTE & BAR
2025年1月2日 19:30
青森県の南部地方の中核都市、八戸市にある八食センター。 以前にも記事で何度か触れたこの施設内は様々な海鮮や酒が揃っているのは勿論のこと、肉や野菜や惣菜に菓子やパンを売る店がいくつも立ち並び、寿司やラーメンの店はもちろんのこと、場内で買った海鮮や肉や野菜を七輪で焼いて食べることができる屋内施設の七厘村という場所もあり、更には毎月八戸の名店のシェフが教える料理道場が開かれるなど、まさに八戸の食のテ
2024年12月19日 19:30
冬が深まるにつれ、北国で見かけるようになる物体がある。 色の個体差も大きく (今回購入したものは比較的色が薄いが真っ黒いものもある)一見すると何かの腫瘍のようにも見えるこの物体の正体はマダラの卵巣である。 日本で一般的なタラといえば、マダラとスケトウダラの2種類だろう。 この時期の北東北ではマダラとスケトウダラが共に繁殖期を迎える。肉とアラはもちろんのこと、特に珍重されるのは卵 (厳密
2024年8月29日 19:30
一般的にヤマモモというと、漢字で楊梅と書かれることが多い鮮やかな赤い果実をつける植物を指すと思う。 しかし青森県の三八地方 (※)ではお盆明けの短い時期に、同じく「ヤマモモ」の名で呼ばれる謎の果実が売られていることがある。※ 八戸市を中心に、階上町や五戸町などの青森県南東部の地域 今回この「ヤマモモ」を購入したのは、青森県八戸市で行われている館鼻岸壁朝市だ。 館鼻岸壁朝市は毎週日
2024年8月1日 19:30
日本全国には、伝統野菜として古くから栽培されてきた野菜が数々ある。 各地域毎で長年に渡り品種改良が行われてきた作物たちはそれぞれ独自の性質を有している。その多様性は時に今現在広く栽培されている主力品種のベースとなり、日々様々な品種が作られては我々の食卓に登っている。 例えば現在寒冷地で広く栽培されているニンニクの品種である福地ホワイト六片は、かつて青森県に存在した福地村 (現在は南郷村に編
2024年7月18日 19:30
幼少時代、植物園に行った経験のある人は多いと思う。特に北国生まれ北国育ちの自分にとって、個性的で見たこともない様々な植物の姿はとても魅力的に見えていた。 そしてそれら植物の中でも、特にこの一文を持つ植物に心惹かれた。「—現地では食用」 こんな見たこともない植物も、世界のどこかでは誰かの腹を満たしている。そんな遠くで暮らす人々の生活に想いを馳せ、彼らも、自分たちが当たり前に食べる山菜を前
2024年4月18日 19:30
2024年。4月も半ばの今、北東北は桜の盛りを迎えている。 花見の定番といえば、間違いなく団子と桜餅だろう。桜の名所と名高い青森県の弘前公園でも、桜祭りの季節には有名な花より焼き団子などが売られ、コンビニやスーパーでも関東風・関西風問わず様々な桜餅が売られている。 しかし青森では、団子や桜餅と並んで一風変わったものが花見の定番としてこの時期にもてはやされている。 それがタイトルにもある通
2024年3月28日 19:30
ジャケ買いという言葉がある。 元はレコードやCDなどに使う言葉で、魅力的なデザインのパッケージに惹かれ試聴せずに購入することを指す言葉だ。 さて、昨今は情勢により数年前と比べて店頭での試飲・試食自体かなり減った。 しかも基本的に自家用車で移動する北東北在住の現在、飲んだことのない酒の購入となるとネット上の評判などを参考に購入することが殆んどだ。 しかしそんな中でも自分も店頭で見かけ
2024年3月7日 19:30
青森県の八戸市では、毎年2月1日から3月の終わりまで八戸ブイヤベースフェスタというイベントを開催している。 ちょうどえんぶりの期間と重なることもあり、えんぶりを見に来た際にポスターなどを見かけた方も少なくないと思う。 このイベントの期間中、八戸市内の様々なレストランでは八戸港で水揚げされた魚介類を用いた各店舗オリジナルの八戸ブイヤベースが提供される。 ブイヤベースはフランス南部などで見ら
2024年2月15日 19:30
青森県八戸市の中心街には、かつて三春屋という百貨店があった。 2019年に閉館したが建物は現存しており、日中は風除室がバスの待合室代わりに開放されている。 一応は今年の4月からインドア型テーマパークがであるAEM (アエマ)がオープンするという話はあるようだ。(3/8追記 :地元新聞社のニュースによると半年ほど延期になったとのこと) 地元の人たちの間ではかなり愛された店だったらしく、
2024年1月11日 19:30
昨年青森県新郷 (しんごう)村で行われた月刊ムー主催のミステリーキャンプ。 こちらを体験した際の中で「VIVA LA VIDA」というメキシコ料理の屋台が非常に美味しかったという話を以前に紹介した。 あれから3ヶ月、ついに先日このお店にお邪魔する機会があった。 屋台が美味しいのだから店舗も当然、いや屋台で上がったハードルを楽々飛び越すほどに美味しかったので紹介したい。 VIVA LA
2023年11月16日 19:30
本日11月16日は2023年のボージョレ・ヌーボー解禁日だ。 先月あたりからスーパーや酒店の店頭ではワインやそれに合うおつまみの広告が張り出されており、ちょっとしたお祭りの様相を呈している。 さて、ワインの中でも国産ワインといえば山梨県や長野県が有名だが、北東北でも様々なワインが作られている。 有名なところでは山ぶどうを使用した岩手くずまきワインや、国産ワインの草分け的存在であるシャトー
2023年11月2日 19:30
青森県田子町 (たっこまち) では「にんにくとべごまつり」というイベントが毎年開催されている。 べごとは牛のことであり、すなわち「にんにくと牛肉のまつり」だ。「にんにく」「牛肉」「まつり」 ハレのワードが並んでいる。なんと素敵な響きだろう。 先日バーチャルYouTuberの今酒ハクノ氏とコラボしたことでご存じの方も多いと思うが、青森県田子町は古くからにんにく生産に取り組んでおり、町と