事業者が、選任産業医にメンタルヘルス事例対応をお願いしても、専門外との理由で対応してもらえない話を聞いた。自分の周囲ではあり得ないことだが、改めて、産業保健の実務は良くも悪くも幅が広いなあと。これってどれくらい普通なのかなあ?
今日のワード:ルミネーション(反すう思考)。メンタルヘルス関連の産業医面談では、「ぐるぐる思考」とよく言ってます。無意識にこのモードになると自分をどんどん追い込むので、一歩引いて自分を俯瞰し、「気が付くこと」の重要性を伝えています。背景の心理理論は略することが多いですけどね。
顧客、職場の上司や同僚等、日常の人間関係の中で、自分のメンタルを消耗させる言動に遭遇してしまうこと、よくありますよね。そんな時は「自分の軸をぶらさない」というマインドセットを心がけるようにしています。言われた他者(言動)の軸に自分を合わせ過ぎるとしんどいと思います。特に無意識に。
Z世代の悩み、聞けますか?教育内容と社会生活文化との意識乖離が大きくなってきた。ますます若者の挫折、諦め、社会適応困難が進んでしまう。社会にでると封建的社会に適応する人ばかりで違和感。ウェルビーイング思考に変えねば組織への違和感も否めない。受け皿を変かねば!準備ヨシ!?🤞
私見:企業側が産業医採用を考えるときのコツ。「私は、〇〇科です。産業医の経験もありますから、大丈夫です」と言う医師は、より慎重に。〇〇科だから大丈夫だろうは×。産業保健領域には絶対解はなく、企業側との連携こそが大事と分かっている医師はそういうアピールしないものだと思うので。
こちらが誠実にふるまっても、必ずしも相手が呼応するとは限らない。その場合は、相手側の問題として手放す判断と自らの行動を変えてみる判断と、この両者のバランスをしっかりとハンドリングしている自己感覚が極めて重要。そうすれば過度に相手に合わせ過ぎて、自らを消耗させるリスクを減らせる。
産業保健スタッフに知っておいてほしいワードの紹介。【アレキシソミアとアレキシサイミア】→これらを知ることで、相談者の見かけの訴えだけをもって、大丈夫と判断しちゃいけないケースがあることが理屈でわかるようになる。
メンタルヘルスの困難事例を扱うとき、事業者側は医療者の判断に丸投げしたくなる気持ちもわからないでもないが、こんなときこそ、「北風と太陽」の考えで、配慮と規則のバランスを模索しながら進めることが大切です。いざ紛争になれば、必ずプロセスを見られますからね。
・日本産業衛生学会専門医又は指導医有資格者(ただし、希少)・専属産業医として長期間実務経験あり ・労働衛生コンサルタント(保健衛生)有資格者 ⇒これらの要件を少なくとも2つ以上満たしていれば、企業のニーズに柔軟に対応してくれる産業医に遭遇する確率は、高いと思う。(私見です)
昔書いたブログ記事「DESC」法(https://case-report-by-erp.blog.ss-blog.jp/20080705)は、産業保健の今の現場でまんま使えるなあと。管理者が「S」に疎いと部下の心をへし折ったりするのでご注意あれ。
事業者様側からみて、産業医の報酬ってどうなの?との思いの方も多くいらっしゃるものと思います。産業医側もアルバイト割切りなのか主業務なのかの差もあるでしょう。少なくとも労働衛生コンサル保有者の産業医は、大阪支部のこれがひとつの目安かも。https://jashcon-osaka.com/reward/
自分が手を引くことで、産業保健スタッフが成長することもあるもんだということを感じた一日でした。産業医はプレイヤーだけやってちゃあかんなと改めて再自覚。産業保健スタッフの成長にもコミットできる産業医でありたいと思い続けて10年以上。地道な活動、今後も継続。