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産業医と産業保健師の協働の重要性
さくらSOC労働衛生コンサルタント・産業医事務所です。
さて、企業の産業保健活動を内部から支援するキーパーソンは、産業医、産業保健師だと思います。企業内診療所を自前で有するような大企業の場合、さらに、看護師や臨床心理士も企業内産業保健スタッフとして加わる場合があります。
企業が構築すべき安全衛生体制(産業保健活動を含む)は、労働安全衛生法に法的義務として定められております。その体制において、50人以上の事業場では、産業医選任が法的義務とされています。一方、保健師選任は法的義務とはなっていません。それでも、(私の観測範囲内の話にすぎないのですが)私が担当している8社のうちに6社に常勤の保健師が配置されています。産業医が、そのような企業で産業医活動をする場合は、その保健師といかに協働できるかが、企業の産業保健活動の質の向上に極めて重要であると私は考えています。
常勤の保健師や看護師から、月に1回しかこないあの産業医の先生って、「なんかすぐ怒るし、俺に聞くなよって態度とるし・・・」と思われたら、産業医活動は、うまくいかないと思うし、産業医自身も面白くないと思います。また、保健師とのコミュニケーションが不十分となると、それは産業保健活動の質の低下につながると考えます。
そのようなキャラの産業医は、ガチ系の産業医先生にはまずいないとは思いますが、臨床中心の意識が強い先生の中には、まだまだおられるかもしれません。
さて、独立開業型産業医として活動を始めて一つ大きな気づきがあります。産業医が月1回、1~2時間程度の出務しかないのに、社員の個別対応をとてもスムーズにさせてもらえるのは、保健師の絶妙なサポートがあってのことだとの気づきです。常勤の立場の強みを生かして、社員一人一人の健康状況やストレス状況、それらとの業務関連性などを、保健師の視点で評価・要約し、ここぞというところを産業医に尋ねてくれるので、月1回、数時間の出務しかない産業医でも、社員への個別対応が可能となるのだろうと思います。
専属産業医経験を経て独立開業型の産業医へ転向するメリットは、長く一つの事業場だけにいては気がつきにくい視点に気づくチャンスがあることだと思います。
私は、独立開業の経験を通して、改めて企業内保健師と協働する重要性を認識しました。
産業医と保健師が上下関係ではなく、対等な立場で協働して産業保健活動ができることは非常に重要だと思います。弊社も、今回の気づきを大事なポリシーとして、互いに協働できる仲間を増やしていきたいと思います。
ありがとうございました。