壁にぶつかりながらも、新作の構想が進んでいる。テーマは「老いとバイク」であり「死とは忘れられた時」。「なぜバイクに乗るのか?」も書きながら考えていきたい。ということでいつものごとくバイク小説であり、しかも主人公は還暦過ぎ。なので一般ウケはしないはず。それでもこれを世に出したい。
墓参がしたくて帰郷することがよくあった。捻くれ者の私は、墓前で手を合わせ、実家には顔を出さずに帰途につく。バイクだったり車だったり。車での帰路では、必ず「ラジオ福島」を車内に流した。故郷が遠ざかるにつれ、心とラジオに雑音が混じりだす。複雑な空色が、ガラスの向こうに広がっていた。