見出し画像

諦めなければ突破口は開ける

ぼくは技術者だ。

技術を駆使して誰もが納得する成果を上げることがぼくの仕事だ。

しかし、自由に仕事ができる訳ではない。

どうしても制約されてしまう。

限られた予算と時間の中でやれることは限られてしまう。

これが実に悩ましい。

心ゆくまで自分の仕事を追求したいのだが、心残りな仕事を随分してきてしまった。

うまく行った仕事より、心残りな仕事の方が記憶に残っている。

今もこのせめぎ合いは続いている。

と言うか、永遠に混じり合うことはないんだろうな。

構造物は経年劣化する。

その原因をしっかり調べて、今後も使い続けられるかどうか診断するためには、難しい調査が必要になる。

それを時間がないとか、お金がないということでうやむやにしてしまった。

抗ってはみるが多勢に無勢、結論は何も変わらなかった。

そんな状況で調査を始めるが、やはり核心には辿り着けない。

時間内に何か納得のいかない成果を出さざるを得ない。

"これが技術者のやることか"
"何のために勉強して経験を積んできたのか"

自問自答したところで、切なさだけが膨らんでなんの解決にもならない。

こんなことをずっと続けるのかと思うと気が滅入る。

しかし、技術者としてもプライドまで妥協できない。

適当に仕事をこなすような真似だけはしたくない。

どうやればこの矛盾を解決することができるのだろうか。

それは諦めないこと。

たとえ頓挫しても、時間が掛かろうとも、諦めなければ突破口は開ける。

あとは情熱の問題だ。

お金がなくても、誰彼か抑圧されたとしても、諦めない強い気持ちがあれば、いつか真相に辿り着ける。

その気持ちだけはずっと持ち続けていたい。

いいなと思ったら応援しよう!

鈴々堂/rinrin_dou@昭真
小説を読んでいただきありがとうございます。鈴々堂プロジェクトに興味を持ってサポートいただけましたらうれしいです。夫婦で夢をかなえる一歩にしたいです。よろしくお願いします。