匂いって深層心理をえぐるよね ぷわーんふわわ ランニングしてたらうなぎの蒲焼の香りが鼻をかすめた そしたらね、鰻重の重箱の隅をつついて米粒を摘みあげようとしている自分が浮かんできたんだ あの香ばしい黒いタレを含んだ白い飯粒を
男性の嗅覚は鈍感で 自分の体臭を把握できていなかった 女性化の進行とともに 嗅覚が鋭敏になってゆき その頃には体臭も女性のそれなので 自分の身体の匂いをとても喜んだ でね? 同時に男性時代の愛用品の匂いを嗅いで そこに男性を嗅ぎ取って そのとき過去の自分は“他者”になったのだ