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秋の夜長にオススメ、大正ミステリー【#読書感想文】

秋の夜長にオススメ、大正ミステリー【#読書感想文】

これから涼しくなるであろう秋の夜長に、ぜひ読んでいただきたい作品と出会ったので紹介します!

永嶋恵美・著『檜垣澤家の炎上』です。

時代は、大正。物語の舞台は横濱である。

主人公・かな子は、幼くして母を亡くし、横濱の貿易商で大富豪の檜垣澤家に引き取られた。
亡き母は、当主・要吉の妾だったのである。

檜垣澤家では要吉の本妻・スヱが、経営手腕を発揮し、"大奥様"と恐れられ一族に君臨していた。

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本が売れない時代に、バカ売れしている文庫本を読んでみた【#ミステリー小説が好き】

本が売れない時代に、バカ売れしている文庫本を読んでみた【#ミステリー小説が好き】

本が売れない時代である。
売上は、今や紙の書籍より電子書籍の方が上だという。

それにも関わらず、今、増刷を重ねている紙の書籍があるらしい。
SNSで話題となり、テレビにも取り上げられた、

杉井光・著『世界でいちばん透きとおった物語』

透明感のある表紙が、なんとも印象的だ。

どこの書店でも平積みされているから、見かけた方も多いかも知れない。
正直「若者向けかなぁ」と思って、手に取るのを躊躇し

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母性低め女が、妊娠出産エッセイを読んだら【#推薦図書】

母性低め女が、妊娠出産エッセイを読んだら【#推薦図書】

子を産むことに対して、考え方は人それぞれだ。

女として産まれたからには、子どもが欲しいと願う人。
残念ながら恵まれなかった人。

私の周囲でも、いざ授かっても、自分の子どもを愛せなくて苦しんでいる人を知っているし、妊婦さんを"妊婦様"と呼んで、攻撃的に忌み嫌う人も知っている。

私は自分の中に母性をカケラも見いだせず、子どもを持たない人生を送ろうと決めた女、である。

かつて一瞬だけ「子どもをも

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作者が「いいもん書けたぞー」って叫んでいたから読んでみた【#読書感想文】

作者が「いいもん書けたぞー」って叫んでいたから読んでみた【#読書感想文】

読み終わった後、いきおいでこのnoteを書いている。
うぉぉ、いい本読んだなー。
そんな余韻に浸っている。

読んでる最中からずっと、幸せな気持ちになる読書だった。

額賀澪・著『風に恋う』

そもそもこの本との出会いは、著者の額賀さんが売れる方法を探し求めて、いろんな方に取材していく過程を綴った、
『拝啓、本が売れません』

だった。

本を作る人、売る人、宣伝する人などなどに取材で学んだ、売れ

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好きを極めたら強くなれる ニューヒーロー登場!【#歴史小説が好き】

好きを極めたら強くなれる ニューヒーロー登場!【#歴史小説が好き】

むかし近所に、編み物をする青年が住んでいた。
私がはじめて彼を見かけたのは、もより駅での出来事。
歩きながら器用に編み針を動かし、定期券で改札口を通る時だけ手を止めて、通過した後は颯爽とまた編み物に没頭して去って行った。
電車を待つホームの向こう側でも、彼は一心不乱に編んでいる。

二宮金次郎の編み物版だ!と驚いた。

私が勝手に、女の子の趣味だと思っていた編み物に、男性が取り組んでいることに当時

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やりたい仕事が見つからないあなたに【#推しのコミックエッセイ】

やりたい仕事が見つからないあなたに【#推しのコミックエッセイ】

今の職場ではじめてできた後輩が、この春、会社を辞めるという。

はじめてとは言っても、お互いいろんな勤務先を経て派遣社員として知り合った。だから社会人1年生みたいにキラキラした感じではない。

それでも、20代から50代まで幅広い年代の女性が集まる職場で、当時、最年少だった私の下に入社してきた彼女。
彼女の小学生だったお子さんが、今や大学生なのだから、付き合いも長い。
可愛くて、明るくて、いつだっ

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文豪だって怖くない【#推しのコミックエッセイ】

文豪だって怖くない【#推しのコミックエッセイ】

虫ギライの方に朗報。
猛暑が予想される今年の夏は、暑さに耐えきれず虫が減少する可能性が高いんだそうだ。

昨年、睡眠中にムカデに咬まれた身としては、

虫の少ない夏は歓迎である。

さて、虫が出てくる名作といえば、フランツ カフカ・著『変身』ではないだろうか。

という有名な一文からはじまる、主人公がある日突然、昆虫になってしまった為、家族に疎まれ最後には…という悲劇に見舞われるお話。

全体的に

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あぁ、カンチガイ【#わたしの本棚】

あぁ、カンチガイ【#わたしの本棚】

「なんかスゴイ本を持っているそうね」
職場の先輩に、そう声をかけられたのは、ずいぶん昔の話である。

当時、後輩にあたる女子に、
「なにか本、貸して下さーい」
とおねだりされた私は、ある本を渡していた。
後輩ちゃんは、これまであまり読書をしてこなかったとかで、
「読みやすい作品がいいですぅ~」
とリクエストしてきた。

そんな彼女に選んだのは、当時文庫になったばかりだった、恩田陸・著『夜のピクニッ

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"怖いもの見たさ"という名の欲望【#ホラー小説が好き】

"怖いもの見たさ"という名の欲望【#ホラー小説が好き】

伝説の本がある。
私にとっては、学生時代から大好きな作家が満を持して刊行した単行本。
かつて喜び勇んで手に入れたのを、昨日のことのように思い出せる。

いざ読むと淡々とした語り口なのに、じわじわ這い上がってくるような薄気味悪さを感じる。その著者が、以前刊行したホラー作品とはまた別の恐怖なのだ。

怖いのにやめられない。
私は、この本の面白さを広めたいと思った。
(とはいえ、怖がりさんにはオススメし

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物語は裏切らない【#読書感想文】

物語は裏切らない【#読書感想文】

本には、出会うべきタイミングがある。

"べき"という言葉は、強制みたいで使いたくない。
だが、テレビを通して、ウクライナで鳴り響く空襲警報と砲撃の音が聞こえてくる。ウクライナが侵攻され停戦の目処が立たない現在、この本は今読むべき本だと思う。

深緑野分・著『ベルリンは晴れているか』を読んだ。


この本を購入した時、書店の店長さんに「いい本ですよ」と言われた話を、1つ前のnote

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名作のかたわらには、美味しいごはん【#電本フェス2022冬読書】

名作のかたわらには、美味しいごはん【#電本フェス2022冬読書】

思わず、この書籍を手に取ったのは、今夜の夕飯、何にしよう?って、悩んでいたからだ。

飯島奈美・著『ご飯の島の美味しい話』を読んだ。

飯島さんと言えば、ドラマ『深夜食堂』や映画『海街diary』などなど、お料理が印象的な作品に携わっている、フードコーディネーターさんである。

もぉ、劇中のお料理の美味しそうなことったら。
熱々の“豚汁“や、ワイワイおしゃべりしながらいただく“しらすトースト“。

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我が偏愛の1軍たち【#本棚をさらし合おう】

我が偏愛の1軍たち【#本棚をさらし合おう】

気がついたら、あきらとさん主催の#本棚をさらし合おう


が、本日9月17日、最終日であった。

投稿記事を見た時に、「これはぜひ参加したいっ!」と勢い込んでいただけに、ウッカリである。

職場では自他共に認める、読書好きの私。

人に本を紹介するのも好きだから、
「ねぇ、どの本を持っているか、リストアップしてくれない!?」
とリクエストされたり、
会社の私のキャビネットは、一部私

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