湯川結衣

プロの厭世家、植木鉢、人間その他諸々です。 トプ画は僕の中で一番良かった天気です。 フ…

湯川結衣

プロの厭世家、植木鉢、人間その他諸々です。 トプ画は僕の中で一番良かった天気です。 フォローを是非。後悔はさせません。

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    私が書いている『ひと部屋無料でお貸しします。』をまとめたマガジンになります。

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    名も無き宝石たち 4.『胎動』

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    名も無き宝石たち 3.『傷跡』

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記事一覧

趣味は多い。やりたいことは何もない。

こんにちは。久しぶりに今回は自分語りをします。テーマは趣味、興味について、そこから関連して、将来の仕事をどう選ぶか、に関して書いていきます。自分語りを聞くのが嫌…

湯川結衣
1日前
11

大学生と酒 —バカ飲みの善悪—

僕は酒のバカ飲みをする大学生が嫌いです。いや、別にがぶ飲みをするのは個人の自由だから好きにやってくれれば良いのですが、吐いたり、飲み残しをたくさん作ってグラスを…

湯川結衣
5日前
2

不可逆的な彼女、現代的な死

目の前にいる彼女は、一旦蜻蛉に成りかけた。あの毒針を持つ、獰猛な雀蜂を捕食する蜻蛉に。一秒後に彼女に戻っていた。いや、戻ったのではなかった。一瞬蜻蛉に成って、ま…

湯川結衣
11日前
1

雑文のつもりだったけど、フリーレンの感想。 エルフ的視点、言葉とイメージ。

 葬送のフリーレン、いい漫画です。とはいえ、私はアニメしか見ていません。特に、ハイターが好きです。ハイターの死後のイメージが僕にはとてもしっくりくる。天国が本当…

湯川結衣
1か月前
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ひと部屋無料でお貸しします。2話目 ※最後まで無料でお読み頂けます。

この小説は最後まで無料でお読みいただけます。またこの小説は、同小説『ひと部屋無料でお貸しします。』の1話目の続きとなっております。 n+2日目 小汚い格好をした中…

湯川結衣
1か月前

ひと部屋無料でお貸します。1話目 ※最後まで無料でお読み頂けます。

この小説は最後まで無料でお読みいただけます。 n日目 参考書が入った鞄を肩にかけながら、1人の女子高生が部屋に入ってきた。ここは街の外れにある、電話ボックスのよう…

湯川結衣
1か月前
1

僕が今できる哲学の記録〜知的ドSと知的ドM〜

「私」が哲学を「今」学ぶ意味は何か。私にはわからない。だから私は文化人類学に逃げたのかもしれない、と思うことがある。と同時に、哲学の自壊しそうな危うさをどこか感…

湯川結衣
2か月前
5

気づいていないだけで、エヴァンゲリオンに乗っている。操縦しているのは抑圧された14歳の主語。耳から主語が出て行かないように、ヘッドホンで蓋をする。前後左右上下全て…

湯川結衣
2か月前
3

洋服について

久しぶりに自分についての話です。 色々な人と話しているうちに、どうやら私の服の選び方は他の人と比べて少し違うらしい、ということをしばしば感じているので、今回はそ…

湯川結衣
4か月前
4
+2

最近の絵たち

湯川結衣
5か月前
2

ライフヒストリーとしての『オッペンハイマー』

先日、映画『オッペンハイマー』を観てきたのだが、とても面白かったので今回は映画素人の私が映画批評をしてみようと思う。題名はライフヒストリーとしての『オッペンハイ…

湯川結衣
6か月前
3

分析的キュビスムの素描性とアナロジー

この文章は大学のレポートを加筆修正したものです。正直読みにくい悪文です。独自性を謳いつつも、現在評価されているピカソの絵画に自分なりの解釈を加えただけであり、新…

0〜
割引あり
湯川結衣
6か月前
1

プロメテウスは戦争を肯定するか。

まずはじめに この文章では、戦争行為を一部擁護、剰え肯定するような(ように見える)文言が含まれます。読まれる方はその点ご留意をお願いいたします。 そしてはじまり…

湯川結衣
6か月前
6

論理的正しさと倫理的正しさ。
一文字しか変わらないのに、全く異なる。
はあ。

湯川結衣
6か月前
1

赤信号とパラレルワールド

パラレルワールドというのは並行世界とも呼ばれる。以下はウィキペディアからの引用である。「パラレルワールド(Parallel universe, Parallel world)とは、ある世界(時…

湯川結衣
7か月前
5

寓話

あるところに、神さまがいました。 この神さまはとても自分勝手で、ごうまんでした。 人間は生きていくために水が必要なのに、 神さまは意地悪なので、水を落としません…

湯川結衣
7か月前
4
趣味は多い。やりたいことは何もない。

趣味は多い。やりたいことは何もない。

こんにちは。久しぶりに今回は自分語りをします。テーマは趣味、興味について、そこから関連して、将来の仕事をどう選ぶか、に関して書いていきます。自分語りを聞くのが嫌いな人はこの文章を読むことはおすすめしません。ですが、私と同じような悩み方をしている人も一定数いるのではないかと思うので、せっかくだから書き残しておこうと思います。また、私がどういう人間であるかの自己紹介にもなっています。なお、この記事は有

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大学生と酒 —バカ飲みの善悪—

大学生と酒 —バカ飲みの善悪—

僕は酒のバカ飲みをする大学生が嫌いです。いや、別にがぶ飲みをするのは個人の自由だから好きにやってくれれば良いのですが、吐いたり、飲み残しをたくさん作ってグラスを開けなかったりして、お店に迷惑をかける飲み方が嫌いなのです。

ですが最近、本当にそれは悪い側面だけなのかどうかと思うようになりました。現在、日本の酒の消費量は減少傾向です。少子高齢化によってそもそも飲む人も減っているし、一人当たりの消費量

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不可逆的な彼女、現代的な死

目の前にいる彼女は、一旦蜻蛉に成りかけた。あの毒針を持つ、獰猛な雀蜂を捕食する蜻蛉に。一秒後に彼女に戻っていた。いや、戻ったのではなかった。一瞬蜻蛉に成って、またすぐ彼女に成ったのだった。彼女は相変わらず裸で、天井から引っ張られているように立っている。一枚彼女を撮った。次は一旦ピアノ用の椅子に成りかけた。喜怒哀楽を空気の振動に乗せる、あのピアノの隣にある椅子に。今回は蜻蛉の時より少しだけ、長い間成

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雑文のつもりだったけど、フリーレンの感想。 エルフ的視点、言葉とイメージ。

雑文のつもりだったけど、フリーレンの感想。 エルフ的視点、言葉とイメージ。

 葬送のフリーレン、いい漫画です。とはいえ、私はアニメしか見ていません。特に、ハイターが好きです。ハイターの死後のイメージが僕にはとてもしっくりくる。天国が本当にあるかどうかと考えるよりも、どうせ分からないなら素敵なことがあった方が良いという、楽観的だけど人間の想像力を肯定する死生観が、私は好きです。彼らの世界は、とても現実世界とかけ離れています。ですが、なぜか彼らの言葉や動きは私たちにスッと馴染

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ひと部屋無料でお貸しします。2話目 ※最後まで無料でお読み頂けます。

この小説は最後まで無料でお読みいただけます。またこの小説は、同小説『ひと部屋無料でお貸しします。』の1話目の続きとなっております。

n+2日目

小汚い格好をした中年の男性がバタバタと、いきなり部屋に押しかけてきた。男性は急いで部屋のドアに鍵がかかっているのを確認した。その瞬間ドアが外側から思いっきり蹴られ、部屋はグラリと揺れた。部屋の外には怒った様子の男が何人かいて、金を返せやら、もうこれ以上

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ひと部屋無料でお貸します。1話目 ※最後まで無料でお読み頂けます。

この小説は最後まで無料でお読みいただけます。

n日目

参考書が入った鞄を肩にかけながら、1人の女子高生が部屋に入ってきた。ここは街の外れにある、電話ボックスのような形をした部屋。彼女の重そうな鞄を見るに、どうやら学校のテスト前のようだ。家で勉強するのは誘惑が多くてダメだが、外では何かしら滞在するのにお金がかかる。図書館はみんなが静かにしようと心がけているから、リラックスして勉強ができない。確か

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僕が今できる哲学の記録〜知的ドSと知的ドM〜

「私」が哲学を「今」学ぶ意味は何か。私にはわからない。だから私は文化人類学に逃げたのかもしれない、と思うことがある。と同時に、哲学の自壊しそうな危うさをどこか感じ取り、レヴィ=ストロースのように人類学に希望を見出したのかもしれないとも思う。少なくとも、私は哲学を学ぶ「メリット」を考えたことがない。何か自分に活かせると学問の巨大な川からコップ一杯の水を掬って「これはこれは。」と良し悪しを判断する能力

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気づいていないだけで、エヴァンゲリオンに乗っている。操縦しているのは抑圧された14歳の主語。耳から主語が出て行かないように、ヘッドホンで蓋をする。前後左右上下全ての空気に主語が浸透していって、主語は主語でなくなる。鏡に映った主語ではなく、主語と同じ主語。主語ではない主語。主語が主語を見る。思考する。循環。永遠の循環。思考の暴走。そして破綻。酒が露出させるのか。正義執行。オノマトペ。最終兵器。枕詞。

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洋服について

久しぶりに自分についての話です。
色々な人と話しているうちに、どうやら私の服の選び方は他の人と比べて少し違うらしい、ということをしばしば感じているので、今回はそのことについて書いていこうと思います。
私はよく「洋服は好きだけどファッションは苦手」と言います。ファッションという行為には「コーディネート」という概念が重要視されます。コーディネートの詳しい意味についてはコトバンクをご参照ください。

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ライフヒストリーとしての『オッペンハイマー』

ライフヒストリーとしての『オッペンハイマー』

先日、映画『オッペンハイマー』を観てきたのだが、とても面白かったので今回は映画素人の私が映画批評をしてみようと思う。題名はライフヒストリーとしての『オッペンハイマー』である。ライフヒストリーというのは日本語訳にすれば「個人生活史」となる。今までの歴史学や社会学とは異なり、特定の人物について、手紙や伝記、インタビュー、日記などさまざまな視点から着目し、今まで学問の普遍性によって蔑ろにされていた「個人

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分析的キュビスムの素描性とアナロジー

分析的キュビスムの素描性とアナロジー

この文章は大学のレポートを加筆修正したものです。正直読みにくい悪文です。独自性を謳いつつも、現在評価されているピカソの絵画に自分なりの解釈を加えただけであり、新規性はないと思います。ですが、割と内容は面白いかも。

私は国立西洋美術館で開催されている「パリ ポンピドゥーセンター キュビスム展 美の革命」の展示されていたピカソ作『ギター奏者』を取り上げる。

この作品は1910年に発表され、初期キュ

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プロメテウスは戦争を肯定するか。

まずはじめに

この文章では、戦争行為を一部擁護、剰え肯定するような(ように見える)文言が含まれます。読まれる方はその点ご留意をお願いいたします。

そしてはじまり

2011年3月11日、東日本大震災によって福島の原発は甚大な被害を受けた。この事故を主なテーマとして扱った朝日新聞の記事に『プロメテウスの罠』というものがある。

プロメテウスはギリシャ神の王であるゼウスの命令に背き、火を盗み出して

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論理的正しさと倫理的正しさ。
一文字しか変わらないのに、全く異なる。
はあ。

赤信号とパラレルワールド

赤信号とパラレルワールド

パラレルワールドというのは並行世界とも呼ばれる。以下はウィキペディアからの引用である。「パラレルワールド(Parallel universe, Parallel world)とは、ある世界(時空)から分岐し、それに並行して存在する別の世界(時空)を指す。」今生きているこの現実から分岐した異なる未来を歩む現実があるということは俄かにも信じがたい。

しかしながら私は、私たちが生きている現実の物凄く日

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寓話

あるところに、神さまがいました。

この神さまはとても自分勝手で、ごうまんでした。

人間は生きていくために水が必要なのに、

神さまは意地悪なので、水を落としませんでした。

いったん、水を落としたと思ったら、

それは地面が飲み干せないほどたくさんで、

人間たちは、おぼれてしまいそうになりました。

神さまはたまに、地面をこちょこちょしたので、

地面はくすぐったくて、体をねじらせました。

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