湯川結衣

プロの厭世家、植木鉢、人間その他諸々です。 トプ画は僕の中で一番良かった天気です。 フォローを是非。後悔はさせません。

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    私が書いている『ひと部屋無料でお貸しします。』をまとめたマガジンになります。

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    名も無き宝石たち 4.『胎動』

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(小説)シュルレアリスム世界のショートショート

気持ちの良いある朝の出来事 これを正に、一寸先は闇と言うのでしょう。進んでいる先に一体何があるのか、私には分かりません。なぜ進んでいるのか、それすらも分かりません。今まで通ってきた後ろ側も、先程とは違う場所のように感じられます。ただ一つ分かることといえば、太陽は沈んでいることだけです。空気はスライムのようにネバネバしていて体中に絡みつき、行く手を阻んできます。しかしそれでいて私は、目の前に餌を置かれた動物のように、前へのめり込まずにはいられないのです。ベルトコンベアーに乗せら

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      幻覚を見るというのは、普段私たちが感じている差異化された世界の境界線が欠損し、色が混ざること、または、世界が混ざり合った結果、新しい世界に作り替えられること。 世界の構成物の関係の変化。小さな粒が今まで繋いでいた手を離し、別の粒と繋いでいく動き。 その点で、私たちは既に幻覚を見ている。というより、今見ている幻覚に慣れ親しんだことにより、私たちは今生きている世界を現実世界であると勘違いすることができるようになる。 薬による幻覚は多分、その極端化である。この世界が幻覚ではないとい

      • 趣味は多い。やりたいことは何もない。

        こんにちは。久しぶりに今回は自分語りをします。テーマは趣味、興味について、そこから関連して、将来の仕事をどう選ぶか、に関して書いていきます。自分語りを聞くのが嫌いな人はこの文章を読むことはおすすめしません。ですが、私と同じような悩み方をしている人も一定数いるのではないかと思うので、せっかくだから書き残しておこうと思います。また、私がどういう人間であるかの自己紹介にもなっています。なお、この記事は有料記事ですが、最後まで無料でお読みいただけます。 題名にある通り、私は趣味が多

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        • 大学生と酒 —バカ飲みの善悪—

          僕は酒のバカ飲みをする大学生が嫌いです。いや、別にがぶ飲みをするのは個人の自由だから好きにやってくれれば良いのですが、吐いたり、飲み残しをたくさん作ってグラスを開けなかったりして、お店に迷惑をかける飲み方が嫌いなのです。 ですが最近、本当にそれは悪い側面だけなのかどうかと思うようになりました。現在、日本の酒の消費量は減少傾向です。少子高齢化によってそもそも飲む人も減っているし、一人当たりの消費量も減っているようです。国税庁の資料を貼っておきます。 https://www.

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          不可逆的な彼女、現代的な死

          目の前にいる彼女は、一旦蜻蛉に成りかけた。あの毒針を持つ、獰猛な雀蜂を捕食する蜻蛉に。一秒後に彼女に戻っていた。いや、戻ったのではなかった。一瞬蜻蛉に成って、またすぐ彼女に成ったのだった。彼女は相変わらず裸で、天井から引っ張られているように立っている。一枚彼女を撮った。次は一旦ピアノ用の椅子に成りかけた。喜怒哀楽を空気の振動に乗せる、あのピアノの隣にある椅子に。今回は蜻蛉の時より少しだけ、長い間成っていた。しかし直ぐに彼女に成った。彼女が裸であることは重要だった。また一枚彼女

          不可逆的な彼女、現代的な死

          雑文のつもりだったけど、フリーレンの感想。 エルフ的視点、言葉とイメージ。

           葬送のフリーレン、いい漫画です。とはいえ、私はアニメしか見ていません。特に、ハイターが好きです。ハイターの死後のイメージが僕にはとてもしっくりくる。天国が本当にあるかどうかと考えるよりも、どうせ分からないなら素敵なことがあった方が良いという、楽観的だけど人間の想像力を肯定する死生観が、私は好きです。彼らの世界は、とても現実世界とかけ離れています。ですが、なぜか彼らの言葉や動きは私たちにスッと馴染む。あの漫画の世界には、果てしなく長生きをする生き物〈エルフ〉が出てきて、その視

          雑文のつもりだったけど、フリーレンの感想。 エルフ的視点、言葉とイメージ。

          ひと部屋無料でお貸しします。2話目 ※最後まで無料でお読み頂けます。

          この小説は最後まで無料でお読みいただけます。またこの小説は、同小説『ひと部屋無料でお貸しします。』の1話目の続きとなっております。 n+2日目 小汚い格好をした中年の男性がバタバタと、いきなり部屋に押しかけてきた。男性は急いで部屋のドアに鍵がかかっているのを確認した。その瞬間ドアが外側から思いっきり蹴られ、部屋はグラリと揺れた。部屋の外には怒った様子の男が何人かいて、金を返せやら、もうこれ以上は無理だやら、叫びながら相変わらずドアを蹴ったり叩いたりしている。なるほど、どう

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          ひと部屋無料でお貸しします。2話目 ※最後まで無料でお読み頂けます。

          ひと部屋無料でお貸します。1話目 ※最後まで無料でお読み頂けます。

          この小説は最後まで無料でお読みいただけます。 n日目 参考書が入った鞄を肩にかけながら、1人の女子高生が部屋に入ってきた。ここは街の外れにある、電話ボックスのような形をした部屋。彼女の重そうな鞄を見るに、どうやら学校のテスト前のようだ。家で勉強するのは誘惑が多くてダメだが、外では何かしら滞在するのにお金がかかる。図書館はみんなが静かにしようと心がけているから、リラックスして勉強ができない。確かにこの部屋はその全てを解決しうる。自分の好きなものは辺りに散らばっていないし、周

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          僕が今できる哲学の記録〜知的ドSと知的ドM〜

          「私」が哲学を「今」学ぶ意味は何か。私にはわからない。だから私は文化人類学に逃げたのかもしれない、と思うことがある。と同時に、哲学の自壊しそうな危うさをどこか感じ取り、レヴィ=ストロースのように人類学に希望を見出したのかもしれないとも思う。少なくとも、私は哲学を学ぶ「メリット」を考えたことがない。何か自分に活かせると学問の巨大な川からコップ一杯の水を掬って「これはこれは。」と良し悪しを判断する能力は私にはないし、自分の将来などに役に立てたいという希望から、学びに偏りが出てしま

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          気づいていないだけで、エヴァンゲリオンに乗っている。操縦しているのは抑圧された14歳の主語。耳から主語が出て行かないように、ヘッドホンで蓋をする。前後左右上下全ての空気に主語が浸透していって、主語は主語でなくなる。鏡に映った主語ではなく、主語と同じ主語。主語ではない主語。主語が主語を見る。思考する。循環。永遠の循環。思考の暴走。そして破綻。酒が露出させるのか。正義執行。オノマトペ。最終兵器。枕詞。しどろもどろ。ロボット。具体化。会場。喪失。全体性。悪魔。しんがり。到来。勿体無

          洋服について

          久しぶりに自分についての話です。 色々な人と話しているうちに、どうやら私の服の選び方は他の人と比べて少し違うらしい、ということをしばしば感じているので、今回はそのことについて書いていこうと思います。 私はよく「洋服は好きだけどファッションは苦手」と言います。ファッションという行為には「コーディネート」という概念が重要視されます。コーディネートの詳しい意味についてはコトバンクをご参照ください。 コーディネート、すなわち服やアクセサリー、バッグ、靴などの全体性の調和というのが、

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          最近の絵たち

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          ライフヒストリーとしての『オッペンハイマー』

          先日、映画『オッペンハイマー』を観てきたのだが、とても面白かったので今回は映画素人の私が映画批評をしてみようと思う。題名はライフヒストリーとしての『オッペンハイマー』である。ライフヒストリーというのは日本語訳にすれば「個人生活史」となる。今までの歴史学や社会学とは異なり、特定の人物について、手紙や伝記、インタビュー、日記などさまざまな視点から着目し、今まで学問の普遍性によって蔑ろにされていた「個人と社会の繋がり」や「主観から見た動的〈dynamic〉(⇔静的〈static〉)

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          分析的キュビスムの素描性とアナロジー

          この文章は大学のレポートを加筆修正したものです。正直読みにくい悪文です。独自性を謳いつつも、現在評価されているピカソの絵画に自分なりの解釈を加えただけであり、新規性はないと思います。ですが、割と内容は面白いかも。 私は国立西洋美術館で開催されている「パリ ポンピドゥーセンター キュビスム展 美の革命」の展示されていたピカソ作『ギター奏者』を取り上げる。 この作品は1910年に発表され、初期キュビスムである分析的キュビスムに分類される作品である。同時期の作品としては『パイプ

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          割引あり

          分析的キュビスムの素描性とアナロジー

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          プロメテウスは戦争を肯定するか。

          まずはじめに この文章では、戦争行為を一部擁護、剰え肯定するような(ように見える)文言が含まれます。読まれる方はその点ご留意をお願いいたします。 そしてはじまり 2011年3月11日、東日本大震災によって福島の原発は甚大な被害を受けた。この事故を主なテーマとして扱った朝日新聞の記事に『プロメテウスの罠』というものがある。 プロメテウスはギリシャ神の王であるゼウスの命令に背き、火を盗み出して人間にそれを渡した。人間は当初万物の霊長となるために神の容姿に似せて作り出された

          プロメテウスは戦争を肯定するか。

          論理的正しさと倫理的正しさ。 一文字しか変わらないのに、全く異なる。 はあ。

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