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すっとこどっこい丸
2024年10月22日 14:32
仲の良い4人組から僕を除いた3人の賑やかな会食の写真が送られてきた『僕がいないヨッ!』「お前はいつも予定が合わん」「来月の休みはいつ?」『まだわからない』先週の話。隣町珈琲での詩の教室は土曜の19時僕は仕事で 2度も欠席している中延駅に向かう途中の電車で僕を呼び戻す知らせを2度も受け取った今回はどうか見逃してくれとこっそり抜け出してきたわけだ詩は僕のこころのため
2024年10月5日 02:39
鮮魚コーナーで 秋刀魚の値段に顔を顰めていると野菜売り場の見切り棚に残された 里芋が目に入った椰子の木タワシ満員電車の後頭部平凡な連想の後 買い物かごに押し入れる里芋といえば煮っ転がしか。椎名町駅前の 立ち食い蕎麦屋と交番の間を通り抜けながら「煮っ転がし」について考える。ずいぶん可愛らしい言葉だな。どうにか普段使いできないものか。身体を 煮っ転がすのは難しい風呂は身
2023年9月25日 18:12
今、良い詩を書いている良い詩を書いているのに、嫌な通知が飛んできた。思考を横取りされて不完全のまま沈み込む今はとっておきの詩よりも謝罪の文面を考える必要がある『も』と打ったら『申し訳ございません』が最初に出てくる『蒙昧』は出てこない僕の言葉はどちらだろう僕の心はどちらだろう『申し訳ない』と思う気持ちは本当だが定型文じみた謝罪は「口先だけのでまかせ」らしいならばい
2023年9月6日 15:37
昼過ぎに電車に乗ってスーツを着ていない社会人と非社会人を勝手に仕分ける鞄を右肩に食い込ませ左半身を庇っているあの男性は前者沢山の色を取り寄せて複雑に編み込まれた服を着たあの女性は後者前かがみでゆったり頁をめくっている初老は前者で必死に液晶画面をなぞっている少年は後者車内の振動に抗わずに壁に身体をぶつけ自分を罰する術を探している彼は前者彼の直ぐ側に腰掛けて顰め面で彼
2023年7月5日 05:34
死に急ぐように喫煙所へ向かう僕の仕事デスク同僚との会話2万円ほど入った財布自宅の鍵読みかけの文庫本買ったばかりの天然水600mlスマホの充電器終わらない仕事それらは10階にあるけれど喫煙所は9階が上等タバコとライターだけ僕に従う1日には人知れず落ち込む瞬間が必要でそのためには決まった場所が1つあればいい僕の足元は気まぐれにまだ開けたことのないドアを探して
2022年9月4日 08:04
あの日あの時こうしてたらってタチの悪い呪いだよな標識の文字が錆を着てるから試すようにしか歩けないこんな歩幅で飛べるわけない水たまりを躊躇なく踏みぬくことができたあの頃の勢いは僕のどのあたりに沈み込んでしまったのだろうか。進めたはずの創作に主題をつけることができないまま消してしまう時がある自己否定に名前をつけてしまうと1日が急激に短くなって人は老いてゆくと知ったから
2022年5月7日 01:55
「何ソレ。マジウケる!!」アニメや漫画でしか聞いたことのない表現を忠実に再現する存在。その軽い言葉に少し怯んだ僕は,彼女たちの言葉が何でできているのか知りたくなった。僕の言葉は、小説と、詩と、少しの映画と、懐かしい音楽でできている。彼女たちの言葉は、きっと、他の誰かの言葉でできている。会話から会話を生み出すことが苦手な僕は、彼女たちが使う言葉を使いこなすことが出来ない。彼女たちの
2022年5月6日 00:25
『ちょっといいかな?』或る夕暮れ頭髪の紅い紳士が僕を呼び止めた紅髪の紳士など居るハズがない。けど僕には紳士と呼ぶ以外にその男の気品を巧く表すことができなかった。『ちょっと街まで行きたいんだ』紳士がそう言うので僕は彼を街まで送り届けることにした。この紳士の言う街とは、どのような場所を示しているのだろうか。それは頭の悪い僕には難しすぎる問答でだから僕たちは馬鹿みたいに道
2021年7月11日 13:34
カーテンが音も無く揺れている。その間隙から漏れ出した朝陽は真っ直ぐ手を伸ばし挑発するように僕の顔を撫でている。支配的なその光から逃れるように部屋の奥へ移動した。不意に、目覚まし時計が鳴り響いた。それが消灯の合図だったかのように僕は床についた。今日が明日になってから8時間ほどたった時のことだった。束の間の緊張からの解放。有意識がリアルの条件なら僕は少しの間だけこの
2021年5月12日 00:10
今日は天気がすごく良くてそれに気づいたのは13時をまわった頃だった何時間眠っても頭の奥に靄がかかっていてその靄をとるためにはまずは布団から出なくてはならない。肌に直接触れた部分がやけに熱を持っている気がしたその熱は僕の体温によるものだ鬱陶しいな、と、思う。焦げ茶色のシャグを指で雑に解す。寝起きだからか気分が最低だからか出来上がったジョイント(この呼び方は良くない
2021年4月26日 01:49
僕の近所には緑地がある。江戸時代に灌漑用に作られた人工池と,それを覆い隠すように茂る雑木林から成るその地を,人は『牧野ヶ池緑地』と呼んでいる。僕の住んでいる名古屋市名東区は都会と言い切るにはやや味気ない部分がある。しかし,容易く喧騒を遠ざけることができるほど慎ましい街でもない。だからこそ,手っ取り早く自然を感じることが出来るその場所が昔から好きだった。アスファルトの浮いた遊歩道を歩く。
2021年4月17日 21:45
せっかく早起きしたのにいつの間にか日が暮れていたそんな日曜日僕も君も暇じゃないけどたまにならいいんじゃない?情熱を保ち続けるのが簡単じゃないことくらい誰だって分かっているさ。『頑張り過ぎだよ』という言葉は時に努力すら否定してしまうけど今の君には必要な言葉だろう何もしなかったことに罪悪感を覚えるくらい真面目な性格なんだから。春に咲いた桜がいずれ散ってしまう事く
2021年4月1日 01:13
つまらない 下らない話をしよう虚数や宇宙の話では無くて例えばホラ 貴方の話とか。僕は孤独鏡に映る 私も孤独目の前のよく似た存在気持ちの悪い 顔をしていた姦しいとはよくいった奴らは今日もおしゃべり,おしゃべり同意同調 愛想相槌聞いてみれば 面白い。非難や批判を礎に奴らが創り上げるのは歪な楽園「アナタのことは良く分かる。同じ悩みを抱えた人はたくさんいるから。」
2021年3月26日 22:00
朝、鏡を見ると黒い猫と目が合った。猫は静かに僕と僕の間を何食わぬ顔して通り過ぎた。余りに警戒しないので悪戯に水をかけたら猫は色を失ってしまった大学に行くため僕はバイクに乗る冬場はエンジンのかかりが悪い時の経過が暖気を奪うためである。大学に着くまでに僕は4回猫を撥ねた。どの猫もケタケタと嗤っており縁石を枕にしてそのまま眠りについたようだ。大学に着いた僕は