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音楽のこと|Thank you for the music

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「わたしの人生を豊かにしてくれてありがとう」の意を込めて、さまざまな音楽にインスパイアされ創作した短編小説やエッセイをお届けします。
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#thank_you_for_the_music について

「わたしの人生を豊かにしてくれてありがとう」の意を込めて、さまざまな音楽にインスパイアされ創作した短編小説やエッセイをお届けします。
#thank_you_for_the_music のタグからお探しくださいね。

(ちなみに“thank_you_for_the_music”は大好きなバンド、bonobosの曲からいただいた名前です)

透きとおった人たち

透きとおった人たち

急に思い出したのは、
大好物 を聴いたから。

むかし、とある地方のまちの、CDショップ(レコ屋と言ってました)で働いていました。

都会から遠くはなれた場所ならではだったのか、時々、そのまちを訪れたミュージシャンとお会いできるという機会に恵まれました。

そのなかでは、わたしがずっと大好きな、ふつうに暮らしていたら会うことはないだろうな、というミュージシャンとの対面も。

あのね、そういう人たち

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宇宙のなかの人間と、人間にひろがる宇宙|角野隼斗 JAPAN TOUR 2025 HUMAN UNIVERSE

宇宙のなかの人間と、人間にひろがる宇宙|角野隼斗 JAPAN TOUR 2025 HUMAN UNIVERSE

世界で活躍するピアニスト、角野隼斗さんの日本ツアー・鹿児島公演(2025.2.4.宝山ホール)に行ってきましたので、その感想を書きます。

※ネタバレしていますので、ここから先は知りたい方のみお読みくださいね!

HUMAN in the UNIVERSE
UNIVERSE in the HUMAN

開場時に渡された紙製のプログラム。まずは、その上質なつくりに驚きました。冊子のページをめくると、

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Human Universe

Human Universe

情熱的で力強い右手と、繊細でやわらかな左手。互いが互いを支え、補い合って生まれた音楽が、みるみる景色を紡いでゆく。現れたのは、果てを知らない宇宙のなかのたったひとりの人間で、その人間のなかには、かぎりなく大きな宇宙が広がっている。

創造するのは神ではなく、美しく聡明な男とピアノ。あらゆるものの真ん中で、息をする人間と、その相棒。

Human in the Universe.
Universe

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この宇宙の歌になりたい

この宇宙の歌になりたい

笑ったり泣いたり踊ったり歌ったり、心がくるくると忙しく、ひとつのネガティブもない夜だった。ほんとうに思うようにはいかないもんだし、追い駆けてもつかめないものばかりで。けれどそれでもわたしが止めないのは、君を描くことがSOULの渇きを潤すから。夢の斜面を見上げ、まだまだ行けそうな気がするから。

もし僕に役目があるのならこの宇宙の歌になりたいと歌う人を前に、思った。わたしにできることなんてあるのだろ

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【旅日記】東京2024秋|7.上野 〈 不忍池 〉(完)

【旅日記】東京2024秋|7.上野 〈 不忍池 〉(完)

蓮の葉ゆらす風の中で

そしていよいよ、東京ラストデイ。最後の日は上野・不忍池へ。

若かりし日の2年間を過ごした東京で、わたしは夢にやぶれ、というか夢に挑むことすらできず、ただ無力感だけを引きずって地元へと戻った。「東京はわたしには合わなかった」。そういうことにして、夢からも離れて。

なんとなく後味の悪い東京生活だったけれど、いくつかの心の拠りどころはあったのだと思う。上野周辺はそんな場所のひ

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【旅日記】東京2024秋|6.表現のゆくえ

【旅日記】東京2024秋|6.表現のゆくえ

分かりにくさ、分かりやすさ

映画のあと、ライブまでの時間を会場近くのプロントで過ごして、ふたたびLINE CUBE SHIBUYAへ。

折坂悠太さんのライブ2日目は、1日目とは違う印象を受けた。1日目よりも冷静なわたしで観られたということが大きかったのだと思う。折坂さんの歌、昨日よりエモいなーとか、お客さんの層がたぶん昨日とは違うなー(ビギナーが多かった感じ?)とか、「感じること」に「考えるこ

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【旅日記】東京2024秋|3.折坂悠太・呪文ツアー 〈 LINE CUBE SHIBUYA 10/17 〉

【旅日記】東京2024秋|3.折坂悠太・呪文ツアー 〈 LINE CUBE SHIBUYA 10/17 〉

あなたがくれた、とっておきの呪文

この旅の大きな目的というか、そもそもこのライブを観たくて決めた東京行きだった。LINE CUBE SHIBUYAはわたしの地元からは遠く、行きやすい会場とはいえなかったけれど、タイミングや流れに任せていたらいつの間にか東京に来ることになってしまった。

なんせ東京自体も久しぶりで、LINE CUBEは初めて。渋谷公会堂だった頃は何度か来たと思う。

開場前、列に

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エッセイ|燃え殻3

エッセイ|燃え殻3

まただ。また今日も、燃え殻さんに泣かされた。

わたしは燃え殻さんに会ったこともないし、じぶんの生い立ちについて話したこともないのに、なぜか燃え殻さんはわたしの「人生のベストソングリスト100」(そんなリストは作っていないけど)に入っているような特別な曲たちのことを知っていて、いつもラジオでわたしの心をぎゅーんと突いてくる言葉を発したあと、そのリストの中からぴったり合った音楽をかける。語られた言葉

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「折坂悠太という歌があった」|折坂悠太 FUJI ROCK FESTIVAL'24・ホワイトステージ配信ライブレポート

「折坂悠太という歌があった」|折坂悠太 FUJI ROCK FESTIVAL'24・ホワイトステージ配信ライブレポート

(ライブレポートの練習として。敬称略。)

会場いっぱいにふくらんだ観客と、高まる期待が波のように押し寄せるホワイトステージ。バンドメンバーとともに現れた折坂悠太は、ブラックリネンのような柔らかなセットアップに身を包み、ステージの上、まずは深々と一礼した。

2022年のグリーンステージでも披露された「芍薬」で幕が開ける。いきなりの「芍薬」で一気に盛り上げる!というよりは、沸々としたエネルギーを徐

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詩「ニュー・ハチス」

詩「ニュー・ハチス」

風はそれ自体は見えず
つかむこともできない
けれどたしかにそこにあって
時々わたしの頬にふれる
木々の葉をざわめかせ
「好き」とささやく

今日はこんな感じね
わたしもこんな感じよ
呼んだり
呼ばれたりしながら

さて明日は
どこで聴こう 誰と聴こう
どこで歌おう 誰に聴かそう
あなたを

詩「オールド・ハチス」

詩「オールド・ハチス」

蓮の花は散ってしまっていた

でもね、葉っぱがお化けみたいに大きくて、残った花は茶色い姿になっても太陽を見ていたんだ

夏にあなたにもらった言葉を思い出したよ

「来る途中の緑がきれいだった」って言ったわたしに
「うん、そう思う人が見るからきれいなんだよ」って

ねえ、
"何べんだって愛は弾けて
 何べんだって愛は芽吹くよ"

いつもサイくんが歌っているんだ

秋が始まる
あなたが生まれた季節だか

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「ユリイカの呪い」— ユリイカ / 折坂悠太・総特集を読んで —

「ユリイカの呪い」— ユリイカ / 折坂悠太・総特集を読んで —

長い間、わたしの中には、わたしを文芸の道から遠ざけた「ユリイカの呪い」なるものがある。

20年前、ユリイカの中で交わされた会話に大きなショックを受けた。「自死願望ある?」。それは当たり前の感覚として、まるでファッションのように「今日の晩ご飯食べる?」くらいの軽さで交わされていた。

わたしは激しく憤った。こんな会話を平気で交わして、さもカッコイイものかのように紙に載せてばら撒いている雑誌が憎かっ

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【過去の投稿から】「みんな、ひとりで、ひとつ。」〜藤井風 2ndアルバム『LOVE ALL SURVE ALL』リリースに寄せて〜(2022.3.23.Instagram)

【過去の投稿から】「みんな、ひとりで、ひとつ。」〜藤井風 2ndアルバム『LOVE ALL SURVE ALL』リリースに寄せて〜(2022.3.23.Instagram)

先日のライブが話題の藤井風さん。2022年3月、彼の2ndアルバムがリリースされた際に、わたしがインスタグラムに投稿した文章をこちらでも掲載します。

あらためて読むと、今は少しフェーズが変わって、もう「もがき」は要らなくて、いつも心地よくリラックスして過ごせばいいのだな、と思えるようになっているじぶんに気づきます。

あれからまだ2年半しか経っていないのが信じられませんが、風くんもわたしも、それ

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