- 運営しているクリエイター
記事一覧
復興への道 (イザヤ62:6-12, ルカ13:1-5)
◆陸の孤島
2011年の東日本大震災は、東北を中心として、甚大な被害をもたらしました。地震だけでも被害は甚大であったのに、それに加えて津波が沿岸各地を襲いました。筆舌に尽くしがたい情況について、私は九州から、何も知るところがありませんでした。無責任にこのような形で触れることを、まずお詫びしたいと思います。どうしても、あることについて、お話ししたいと願ってのことです。傍から見ている者が、知ったよう
神はあなたを知っている (マタイ10:16-33, 詩編139:1-24)
◆迫害はあるのか
お開きする聖書箇所が、かなり長くなってしまいました。お詫び致します。聖書のひとつの言葉を、できるだけ周囲の記述の中で見つめたいと思いました。ごく一部だけを取り上げて、そこから自分の想像するままに意味を決めつけていきたくない、と思ったからです。
マタイ伝10章は、イエスが弟子たちを教育している場面のように見受けられます。いわゆる「十二使徒」を選出したことで有名ですが、初期の教
愛と眼差し (ヨハネ21:15-19, ルカ22:54-62)
◆ペトロの失敗談
やがて十字架にて死ぬことになる。他の福音書では明言していましたが、ヨハネ伝では、イエスが婉曲ながらも伝わるように語る場面があります。これを聞いてペトロは不安に感じたのでしょう。
シモン・ペトロがイエスに言った。「主よ、どこへ行かれるのですか。」イエスはお答えになった。「私の行く所に、あなたは今付いて来ることはできないが、後で付いて来ることになる。」ペトロは言った。「主よ、な
生きている (ヨハネ4:43-54, 申命記4:1-4)
◆看取る悲しみ
あめゆじゆとてちてけんじや
この言葉は衝撃的でした。東北の言葉は、九州人の私には馴染みがありませんが、この苦しく切ない言葉が、精一杯の命の言葉だということは伝わりました。多くの人の心を掴んだこの言葉は、宮沢賢治の詩「永訣の朝」に、括弧付きで幾度も登場する、妹の言葉です。危篤の妹の口から、「雨雪をとってきてください」と漏れる。26歳の賢治が、24歳のトシの死の床にいる風景で
知恵と哲学 (箴言3:13-20, コロサイ2:6-8)
◆幸い
聖書には、ひとつの大きなテーマがあると私は理解しています。神は、人に「幸い」を与えようとしているのではないか、と見ているわけです。イエスの言葉が思い出されます。マタイ伝5章の「山上の説教」の初めです。
3:「心の貧しい人々は、幸いである/天の国はその人たちのものである。
4:悲しむ人々は、幸いである/その人たちは慰められる。
5:へりくだった人々は、幸いである/その人たちは地を受け
そのドキドキをそのままに (マタイ28:1-10, ヨハネ20:1-10)
◆復活祭から一番遠い時期に
今日は、二つの福音書から、復活の場面を通じて、命を与えられたいと願っています。この時期に復活というのは、何か違うのではないか、とお感じになる方もいらっしゃることでしょう。確かに復活というのは、春と相場が決まっています。春の祭りである過越祭のときに、イエスは十字架につけられ、復活しました。福音書の記述からするならば、それは間違いありません。いまの暦では3月から4月にかけ
あなたを自由にする (ヨハネ8:31-38, 詩編51:12-15)
◆自由にすること
「働けば自由になる」という言葉を、耳にしたことがあるかと思います。「労働は自由をつくる」あるいは「労働はあなたを自由にする」のような言葉で記憶している方がいるかもしれません。
元々は小説のタイトルだったそうです。それが、失業対策の政策のスローガンのようなものとして使われるようになったといいます。が、この言葉が世界的に有名になったのは、ナチス・ドイツの強制収容所の門にはっきり