#今こんな気分
みんなでいっしょに見る(錯覚について・05)
江戸川乱歩の『押絵と旅する男』で私の目を惹くのは蜃気楼の描写です。この短編では本題に入る前の話として蜃気楼が出てきます。
本題として出てくる幻の怪しさにも、まして怪しくも妖しくもあるのが蜃気楼なのですが、蜃気楼は環境と条件がそろえば誰もが見ることができる点が幻との大きな違いです。
誰にも見える。その意味ではまことに平等で民主的な幻であり錯覚だと言えるでしょう。
具体的に見てみます。
蝶のように鳥のように(断片集)
今回の記事では、アスタリスク(*)ではじまる各文章を連想だけでつないでありますので――言葉やイメージを「掛ける」ことでつないでいくという意味です――、テーマに統一感がなく結びつきが緩く感じられると思います。
それぞれを独立した断片としてお読みください。
*
ない。ないから、そのないところに何かを掛ける――。
何かに、それとは別の何かを見る――。これが「何か」との出会い。遭
とりあえず仮面を裏返してみる(断片集)
今回も断片集です。見出しのある各文章は連想でつないであります。緩やかなつながりはありますが、断章としてお読みください。今後の記事のメモとして書きました。
看板、サイン、しるし
街を歩くと看板がやたら目に付きます。目に付くと言うよりも、こちらが無意識に探しているのかもしれません。無意識に物色しているとも言えそうです。
たぶん、そのようにできているのでしょう。看板は人の目を惹いてなんぼだと