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#今こんな気分

文字を所有する、所有しない、共有する

文字を所有する、所有しない、共有する

 まず、結論と言うか、まとめから書きます。

 文字を所有する、文字を所有しない、文字を共有する――この三つは同時に起きていると私は思います。

 文字には、目の前に「見える」物、目の前に「ある」物としての側面と、情報やデータという抽象的な側面の両面があるからです。

 物は具体的な行為として所有できても、情報やデータは行為というよりも、観念や約束事として「所有としている」と「決める」しかないから

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まなざし、目差し、眼差し

まなざし、目差し、眼差し

 私は言葉を転がすのが好きです。眠れない夜とか、昼間にぼーっとしているときにやっています。

 具体的に言うと、次のように連想にうながされる形で言葉を並べていくのです。

 まなざし、目差し、眼差し、なざし、名指し、名付ける

 よく記事の中でも、言葉を転がしています。あれは記事を書きはじめたり、書きつづけるために、取っ掛かりを探しているのです。見切り発車で記事を書くので、どうしてもそうなります。

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うつろう かげろう

うつろう かげろう

 見出しの付いた各文章は連想でつなげてありますが、断章集としてお読みください。どこからでもお読みいただけます。

*言葉を転がす

 映る、鏡に映る、水面に映る、瞳に映る、壁に映る、スクリーンに映る
 映る、見える、眺める

 映す、鏡に映す、水面に映す、瞳に映す、壁に映す、スクリーンに映す
 映す、見る、観る

 映してみる、映しみる
 映して見る、映し見る
 移して見る、移し見る

 うつしみ

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はかるとわかる

はかるとわかる

「わけるとわかる」の続きです。

     *

「わける」と「わかる」が似ているように、「はかる」と「わかる」も似ています。見た目というか字面が似ているのです。

 わける、わかる
 はかる、わかる

 ただし、「わける」と「わかる」はイメージも似ている気がしますが、「はかる」と「わかる」のペアのほうはイメージは似ていないと感じます。

 とはいえ、イメージや似ているは個人的な印象ですから、人そ

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表、目、面

表、目、面

 今回の記事は、「立体、平面、空白(薄っぺらいもの・05)」と「「タブロー、テーブル、タブラ(『檸檬』を読む・02)」」の続きです。

 見出しのある文章は連想でつないであります。緩やかなつながりはありますが、断章としてお読みください。

表、表裏、裏表
 表。ひょう。おもて。あらわす。あらわれる――。

 表を分けてみると、このような言葉とイメージがあらわれてきます。

 いま私が興味を持ってい

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立体人間と平面人間

立体人間と平面人間

 今回の記事は、「立体、平面、空白(薄っぺらいもの・05)」と「「タブロー、テーブル、タブラ(『檸檬』を読む・02)」」の続きです。

◆立体と平面 自分には立体の時と平面の時があるような気がします。正確に言えば、自分を立体として意識している時と平面として意識している時があるのです。

 入浴中なんかは自分が立体だとつくづく感じます。なにしろ自分の体を自分の手を使って洗っているのです。自分の手の皮

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みんなでいっしょに見る(錯覚について・05)

みんなでいっしょに見る(錯覚について・05)

 江戸川乱歩の『押絵と旅する男』で私の目を惹くのは蜃気楼の描写です。この短編では本題に入る前の話として蜃気楼が出てきます。

 本題として出てくる幻の怪しさにも、まして怪しくも妖しくもあるのが蜃気楼なのですが、蜃気楼は環境と条件がそろえば誰もが見ることができる点が幻との大きな違いです。

 誰にも見える。その意味ではまことに平等で民主的な幻であり錯覚だと言えるでしょう。

 具体的に見てみます。

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薄っぺらいものが目立つ場所(薄っぺらいもの・04)

薄っぺらいものが目立つ場所(薄っぺらいもの・04)

 世界は薄っぺらいものに満ちている――。

 そんなふうに考えていると、何でも薄っぺらく見えてくるのは、私が薄っぺらいからにちがいありません。

 私は自分の中に薄っぺらいものやぺらぺらしたものがあると感じて生きています。

 たとえば、ぺらぺらした紙を見ていると自分の中にぺらぺらした紙みたいなものがあるように思えてなりません。

「ぺらぺらした紙」を、たとえば「タブラ・ラサ」、「一冊のノート」、

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蝶のように鳥のように(断片集)

蝶のように鳥のように(断片集)

 今回の記事では、アスタリスク(*)ではじまる各文章を連想だけでつないでありますので――言葉やイメージを「掛ける」ことでつないでいくという意味です――、テーマに統一感がなく結びつきが緩く感じられると思います。

 それぞれを独立した断片としてお読みください。

     *

 ない。ないから、そのないところに何かを掛ける――。

 何かに、それとは別の何かを見る――。これが「何か」との出会い。遭

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とりあえず仮面を裏返してみる(断片集)

とりあえず仮面を裏返してみる(断片集)

 今回も断片集です。見出しのある各文章は連想でつないであります。緩やかなつながりはありますが、断章としてお読みください。今後の記事のメモとして書きました。

看板、サイン、しるし

 街を歩くと看板がやたら目に付きます。目に付くと言うよりも、こちらが無意識に探しているのかもしれません。無意識に物色しているとも言えそうです。

 たぶん、そのようにできているのでしょう。看板は人の目を惹いてなんぼだと

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