マガジンのカバー画像

301
自分の作った詞になります
運営しているクリエイター

#夏

【詞】夜

【詞】夜

手の平を浸す青嵐に 吹っ切れたい

夜の背骨が ひとり歩きして

雲を蹴っ飛ばした

そういう風に そういう風に

(急足と鼓動)

腕に抱いたがらんどう 忘れられない

(うそかもしれない)

涙を見せないでいた 狼が鳴いた

夜の背骨は 蛇のように 星を連れて尚

カーテンを揺らす青嵐に 飛び出したい

詩のしぐれ煮を 大食いして

水を含んだ

そういう風穴の向こうに

(思慕のふくらむゾー

もっとみる
【詞】夏の影

【詞】夏の影

生きているのは もしかしたら何かを探索するため

去った夏の影見つけ 暖炉で編んだマフラーと

どこまでも行き交い 行き交う 雪の宵闇が

掌に冷たかったりする

海の絵を描いた 波の細部まで

数ヶ月前の夏は塔のように佇んでいる

夏が淋しく通り過ぎるほどに

雪原の足下の凍えが大きくなる

きっといつかは比例する

生きているのは もしかしたら 夏を模るため

夏の影のもう少し先の 見慣れた建

もっとみる
【詞】遠

【詞】遠

忘れてください この日々も
この僕も遠く見つめてください
もっと楽しいことのある街
車の目指す最果ての果て

そこに行けばいいよ
そこに行けば もっと幸せそうに
海のことも 山のことも
風も 後からついてくる

日差しの照る家の中
氷菓かじった暑い頃
日焼けした暑い頃と
すれ違う すれ違う

忘れてください この日々も
この僕も遠く見つめてください
過去は波のように
過去は蜃気楼みたいだよ

忘れ

もっとみる
【詞】蝉の羽根

【詞】蝉の羽根

新しい旅へ 足下に今まで

涙と蝉の羽根

涙と蝉の羽根

私よ さようなら と
あなたへ 有難う

光る蝉の羽根

鳴る心の音

夏にかけて歩く
夏にかけて歩く
夏の終わりにかけ

歩いてゆく人と人と人
夏の終わりの影

新しい旅へ 足下に今まで
私よ 有難う と
あなたへ さようなら

光る蝉の羽根

鳴る心の音

夏の蝉の羽根

夏の蝉の羽根

基になった詞を書いた時が、スマホの買い換えた時

もっとみる
【詞】蜉蝣

【詞】蜉蝣

蜉蝣が通る度 より景色を思い出す

蜉蝣が通る度 より景色を思い出す

夕焼けの下の暁闇

夢に染まる布が飛んでいったんだ

あの人の夢が飛んでいったんだ

蜉蝣が通る度 夏の風を思い出す

蜉蝣が通る度 夏の風を思い出す

夕焼けの下の暁闇

詞の新作です!

最近、昔の詞をアレンジするのにハマっていて、
こちらも2020年に書いた詞が基になっています

夕焼けの下の暁闇 というのは、夕暮れの高

もっとみる
【詞】凧

【詞】凧

ゆれた私 知らぬ記憶 子どもの頃のおもかげ

暮れた空に凧が飛ぶ 長い長い糸を伸ばして

何もないように見える大地に蜉蝣

そう私は居たんだ

そこに居たんだ

確かに居たんだ

暮れた空に凧が飛ぶ 途切れてしまいそうに

夜になってく 月が浮かぶ 段々知っていく

詞の新作です!

こちらも、上昇 ・ 藍 の2作と同じく、
昔書いた原型の詞を修正したものになります

こちらは、2021年の詞が基

もっとみる
【詞】暁

【詞】暁

空想の梯を上る人々の夢の中
暁は何よりも 満たされていた

両手を広げ 腕の帆に
星が零れる瞬間に
暁は賑やかに 振り向いていた

緩やかな川のほほえみに
車輪を漕いだ一心と
猫のまどろみ 暗闇に
のどを鳴らして 朝を待つ

景観が 隙間から走る

景観が 隙間から走る

暁の街に降る

陽射しに実は分かっている

誰もいない未来を少し想像している

りんご飴のような月を深く抱いて眠っていた

もっとみる
【詞】海に帰るときは

【詞】海に帰るときは

八月は遠のく そして空を模る

夜へ向かう 背中の羽根でどこまでもゆこう

渚から見ている 夏は命を歌う

ゆめうつつに 波をすべらせて

海へ帰るときは 窓を開けておこう

思い出せるように 思い出せるように

蟹に誘われて 渚に誘われて

ひとりで生きることも 誰かが居ることも

最高峰の夜が ただ 星を抱いて

離れ離れに透き通る 風を覚えている

隣り合わせになるものは

幽霊かもしれない

もっとみる
【詞】漣

【詞】漣

漣が 数世紀先も 数世紀前も 運んでる

緑や灰を描こうと 音を立てる

何かが少しずつ ぼやけるようで

それでも 美しい未来を思いたい

今となっては消えたものばかりが

目に入るから一つ

絵や文字で 絵や文字で

絵や文字で つづる

うたう あの子の星を見ている

数十年 数百年 数千年

輝くのなら

何かが少しずつぼやけるようで

それでも 美しい未来を思いたい

底のない川を辿って

もっとみる
【詞】一縷

【詞】一縷

少なくとも 僕と君が居て
瓶の底 眺めたりして 笑って
花のように 雲のように
鳥のように 世界を
同じように 生きていただけです

いつか嫌いになるのなら
はじめから書き直そうとしても
君のこと思い出したら
まだ胸は踊りそうです

怖いくらい 昼間の森は
虫の声の解像度高く
はじけるような炭酸の夢が
はじけるように

一縷の夏は一度きり
一縷の夏は一度きり
一縷の夏は一度きりです

一縷の夏は一

もっとみる
【詞】花火

【詞】花火

どこにもあって どこにもない空の雲は鮫みたいだ

髪飾りの彩る君がほら

足音の響いた通りを

夜を越えて 夜を越えて

歩いてゆくんだって

どこにもあって どこにもない空は果実の星みたいだ

浴衣姿でつづく橋はほら

鳴り響く拍手の熱が

ふわり舞って ふわり舞って

はじまってゆくんだって

尺玉の夢がこぼれる

川は丸く 眼鏡越しに

夏の羽根があふれる

それを君は歌にする

尺玉の夢が

もっとみる
【詞】潜水

【詞】潜水

空洞 反響する
反応する 予想できないほどの未来
見て回りたい 見て回りたいと
より潜水

空想 表情から
模る野と 長閑な遠くを
見て回りたい 振り返れば
好きでたまらない

生まれたての星を紡いで
掴む 夢の花に眠る
その水棲の星をより駆け抜けて
めぐりめぐる また遍く視野

生まれたての星を紡いで
眠るはずの夜もゆれる
花は今も 青さに染まる より確かに
めぐりめぐる また遍く視野で潜水

もっとみる
【詞】宵闇

【詞】宵闇







宵闇で
手を握った一通り







底なしの
暗がりは文字通り

目を瞑る

闇夜の日 船出へと続く星の道

目を開ければ

桟橋のはじまりから眠る月

より季節の方角 見える方
寄ってみたいんだ 歩くんだ
夜の旅路はサラウンド
一歩 踏み出すんだ あの大地

暗がりは文字通り 暗くなるほど思い出せる
散らばる星は未来まで
空をきらめく存在に







宵闇に

もっとみる
【詞】砂

【詞】砂

頬杖ついている心は
砂を歩くころには
息を吸ったら磯を感じるくらい
身近になれる
瞳はとうに海を抱擁している

鐘の響いた放課後
雲をつつんだ少女の夕暮れ
手にするノート
嘘のない文字が遊泳している

ああ

パラレル 僕が羅列している
パラレル 君が羅列している
パラレル 僕が羅列している
パラレル 君が羅列している

鐘の響いた放課後
雲をつつんだままのノートと
砂浜 フレーズ 歌う少女の

もっとみる