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北村紗衣 &「オープンレター」連、危機一髪!

う〜ん、嬉しいような嬉しくないような…。

何がかっていうと、ついに与那覇潤「オープンレター」ズの首狩りに、動き始めたのだ。一一それが、これ。

オープンレター秘録① それはトランスジェンダー戦争の序曲だった

「①」とあるように、これは「オープンレター秘録」と題された(たぶん)不定期連載の第1回。

その内容とは、「歴史学者・呉座勇一をめぐるオープンレター事件」とは何だったのか、それを明らかにする、「歴史研究」である。
そう。与那覇潤は、もともと「歴史学者」なのだ。

与那覇は、この「第1回」の最後を、次のように締めくくっている。

『将来の書籍化も想定しつつ、21年から現在まで語られてこなかった事実を、この連載では初めて明かしてゆく。ぜひ、ご期待とご支援を賜りたい。』

つまり、これは「オープンレター事件」を、加害者側の思惑どおりに、このまま有耶無耶にさせるのではなく、ここ10年ほどの「日本の知識層によるネット言説」の特徴的な流れを象徴する事件として「日本の現代史」に明確に位置づけて、後世にまでその教訓を伝えようという、じつな愉快な、いや、真っ当な企てなのだ。

無論、「歴史家」である与那覇が、『書籍化も想定しつつ』と書くからには、完全に本気であり、また、十分に「勝算あり」と見て、このタイミングで「鬨の声」をあげたのであろう。
実際、当人も次のように書いている。

「お前、後出しで言ってない?」と疑う人もいるだろうが、そうではない。具体的な経緯は、本連載で後日明らかにするが、私は2021年春の問題発生の当初から、オープンレターの主力がトランスジェンダリスト(TRA)であることを明白に把握して、すべての対抗言論を組み立てていた。
たとえば、オープンレターの「執筆者は誰か」を考察した21年12月4日の稿で、こう記したのは、あなたがたの正体は「わかっていますよ」と、ジャブを打つ形で相手方に通知するためである。

https://agora-web.jp/archives/2054162.html

『オープンレターの文面には、呉座氏の案件とはまったく関係のない「トランスジェンダーの人びとへの差別的言動などにおいても同様によく見られる」云々との唐突な一節があり、これをトランスジェンダー擁護の活動をしている小宮〔友根〕氏の文章と見る向きは多い。

しかしそれ以外の部分は手がかりがなく、また2019年2月に出されたトランスジェンダー女性が「女子校・女子大」に入学する権利を主張する声明では、小宮氏のほかに、やはり後にオープンレターの呼びかけ人となる清水晶子氏(東京大学)も発起人となっている。』

21年の当時から「お前らの狙いはトランスジェンダリズムの宣揚だろう!」といった形で、オープンレターを批判しなかったのは、第一に論点がずれてしまうからだ。キャンセルカルチャーの当否自体は、その「キャンセル」がトランスジェンダー問題に起因するかとは、関係がない。きっかけの如何を問わず、正当な抗議もあれば、不当なキャンセルもある。

第二に新型コロナウィルス禍が続き、ステイホームで始終SNSばかりいじる人の多かった21年の冬には、Twitter上に限ってはいまだTRAが圧倒的な勢力を持っていた。そこでトランスジェンダーを争点に据えたら、オープンレターの側は「ほら見ろ。私たちを批判するのは『トランス差別者』の側につくのと同じだぞ!」として、野次馬を動員する(※ ファンネル・オフェンスを使役すること)口実に使っただろう。

第一の理由は、まっとうに議論するという「規範的な目的」のためであり、第二の理由は、勝負で損になる手は打たないという「合理的な目的」に沿ったものだ。前にも書いたが、議論に強い人とはこの両面を常に踏まえた、私のような人をいう。ホンモノの言論とは、そういうものだ。

ホンモノが、報いられなければならない。ニセモノは、去らねばならない。

要は一一2021年当時の段階では、まだ敵は勢いづいている最中だったので、そのタイミングでの挙兵は「自爆攻撃」にしかならなかったので、今日までタイミングを見計らっていた。だが、その間に、調子に乗った「オープンレター」の面々は、色々と「やりすぎ(ヘタをうっ)」て、世間の反感と批判を招き、風向きが変わってきたので、そろそろトドメを刺しにかかろうか一一と、おおよそそういうことである。

で、私としては、北村紗衣批判」から始めて、「キャンセルカルチャー」→「トランスジェンダリズム問題」→「東大出身フェミニズム学者」という流れで関連書にあたり、その背景的な構図までも、楽しみながら、少しづつ解き明かしつつあったのだが、ここに来て、与那覇が「お先に失礼」と、動き出してしまったのである。

そりゃあ、私が、こうした一連の問題に取り組むようになったのは、きっかけとなった北村紗衣からの接触」があって以降の、ほんのここ3か月こと。
一方、与那覇の方は、3年も前から関わっていたというのだから、優先権が与那覇にあるというのは、認めざるを得ないところである。それに、与那覇の「note」記事は、いつも便利に利用させてもらっているし。

でも、私としても、北村紗衣を含む「日本におけるトランスジェンダリズム周辺の有識者・活動家」の周辺を少しずつ掘りかえしながら、何が出てくるかのお楽しみで、腰を据えてじっくり楽しもうと、そう思っていたのに、与那覇の当該連載の執筆ペースによっては、私が楽しみにしていた部分まで、先に掘り尽くされてしまい、お楽しみを奪われることになりかねない。

与那覇は、「オープンレター事件」が「日本におけるトランスジェンダリズム周辺の有識者・活動家」によるものだったという線で、総合的にこの「事件」を扱うようだから、私の方は、もう少し細かいところでやらなければならないことになるのかも知れない。

つまり、与那覇が「歴史学者」として「トランスジェンダリズム周辺の有識者・活動家たちによる、オープンレター事件」を総合的に扱うのだとしたら、私は「文芸評論」的に、個々のメンバーの文章(著作)を分析する、というかたちでやるしかないのだろう。
これまでは誰もやらなかった、「北村紗衣の著作」に直接当たって、その中身の検討から「著者の人間性を問う」ということをやったのと、同じようなやり方の、継続である。

まあ、もともと私は「政治運動的」なものに興味のない、「徒党の力」を当てにしたりはしない一匹狼だから、やることも党派には無関係な「個別撃破」だから、その手法だって、元より「文芸批評」的なものではあった。
だが、それにしても、それによって得られたであろう成果の一部ではあれ、「美味しいところ」を持っていかれるのは、いかにも口惜しいと、今はそんな気分を禁じ得ない。

そんなわけで、とにかく与那覇には、やり始めたからには、徹底的にやれと言いたい。
この「第1回」の最後のところで、

議論に強い人とはこの(※ どこをいつ攻めるかの)両面を常に踏まえた、私のような人をいう。ホンモノの言論とは、そういうものだ。/ホンモノが、報いられなければならない。ニセモノは、去らねばならない。』

とまで言っているのだから、負けてもらうわけにはいかないし、途中から「タイミングを間違ってました」とフェードアウトされても困る。
いったん、挙兵したからには、もう後には退けないものとして、是非とも「勝ち切って、ホンモノとしての範を示して」もらわなければならないし、もちろん、先方が個別に謝罪してきても、公開の謝罪なしの手打ちや裏取引などは許されない。

まあ、その結果として、私の可愛い「北村紗衣」が、例えば、「武蔵大学」をクビになり、本も出してもらえなくなり、その結果、完全な「死に体」になってしまい、そんな北村紗衣を批判するのは「死者を鞭打つような所業だ」と言われることになって、私の楽しみが、ひとつ失われることになったとしても、それはそれで仕方のないことだから、その時は、私も素直に、北村紗衣の冥福を祈ることにしよう。

まあ、もともと私は気の多い方だから、新しいオモチャを見つけるのに、苦労はいらないのだろうけれど。

オープンレター発起人(2022年1月30日現在
隠岐さや香 名古屋大学大学院教授
金田淳子 やおい・ボーイズラブ研究家
北村紗衣 武蔵大学准教授
木本早耶 出版社勤務
河野真太郎 専修大学教授
小林えみ よはく舎
小宮友根 東北学院大学准教授
清水晶子 東京大学大学院教授
関戸詳子 勁草書房
津田大介 ジャーナリスト/メディア・アクティビスト
橋本晶子 勁草書房
松尾亜紀子 エトセトラブックス
三木那由他 大阪大学講師
宮川真紀 タバブックス
八谷舞 亜細亜大学講師
山口智美 モンタナ州立大学准教授 』

冨樫義博HUNTER×HUNTER』より。与那覇潤ではありません。念為)

(2024年11月26日)

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