取り急ぎ、すばらしい本にであいました。 表題作「あめりかむら」と、 「大踏切書店のこと」が、 とりわけ好みでした。 一穂ミチさんの推薦文をきっかけに手に取ったはじめましての作家さん。 これまでの文章もみてみたくなった。
千葉へ下る黄色い電車、向かいに座った男女、女性は雑誌の生き残りについて語り、男性は透明な袋に入った人参と玉葱を膝に乗せていた。そして彼は、新宿で降りそびれたと、市ヶ谷で降りて行った。私は千葉へ帰り、お布団で『屋上がえり』を読むのである。屋上ですごす人々と風景が描写されるエッセイ。