窓辺のこと〜 佇まいの美しい言葉たち
石田 千
窓辺のこと
著者が 50歳の一年に書かれたエッセイである
その間に 父親を亡くしている
きっと 温かい食卓を 何度も共にしてきた家族だったのだろう
石田 千を 読むと
そう感じる
ふっくらとした父親の手のひらは
幼少の頃の彼女の頭を ぽんぽんと撫でたりしたのだろう
そんなことは書かれていないが
そんな様子が目に浮かぶ
石田 千の特徴は やわらかな日本語で
食べ物の記述も 多い
牧野伊三夫の装画が
なんとも良い
赤いケチャップのオムライスに
思わず おなかがなりそうになった
文体というより
佇まいの美しい言葉たちに 優しく寄り添っている
私も 食卓というものを大事にしている
いまは 芍薬の花が
優美な花姿を見せてくれている
季節の花や 日本の和の美しさを
感じながら 暮らしていきたい
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