坂道

書店員をやめて考え事をしています。

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マガジン

  • わたしの青春どこいったの日記

    マガジンのタイトルなんて気分ですぐに変えちゃうよ、というくらい軽薄な気持ちで書いている日記です。あまり意味のない日々です。

  • 読んだそばから忘れる

    毒にも薬にもならない読書の記録。

  • 本屋じゃないけど本屋のはなし

    本屋はやめちゃったけど本屋が好きな人の本についての雑談。

  • 当たって砕けて海外文学

    海外文学の積読にひたすら体当たりしてどこまで小さな石ころになれるか試しています。

最近の記事

図書館と絵本、頭の中はトイレでいっぱいの日々:『あんぱんジャムパンクリームパン』

住む家や行き場のない人たちにとって、書店や図書館は、入場料も身分証明書もなしに入ることができて、好きなだけ時間を過ごせる場所だ。物質的な「必要」を満たすだけではない役割が、書店や図書館にはある。(牟田都子による「あとがき1」より) コロナ禍の様々な自粛や休業の中で、特に痛手だったのが図書館の休館だった。不特定多数の人が出入りする場所でいろんな人が本を手にとっては戻す。誰でも使える検索システムだってある。そういう場所だから、休館するのも仕方ない。でも、これが地味に私の心をむし

    • 私が演劇のDVDを所有する理由、そして『浪費図鑑』とサンリオ

      私には好きな劇団がいくつかあって、彼らの公演のDVDやらパンフレットやらを自宅本棚の「演劇コーナー」に並べている。だいたい20枚近くある。多くも少なくもない、人によっては少ないと捉えるかもしれない、そのくらいの枚数だと思う。でも、この中で実際にパッケージを開けて再生したのはおそらく5枚もない。私はただ、それらを「所有」しているだけなのだ。 何かを応援するとき、その理由も手段も人によって違う。細かく違う。たとえば小劇場関係であれば、だいたい公演後にロビーで面会の時間があるので

      • 私にはもう観られないかもしれない映画

        先日、ハードディスクの整理をした。ほとんど映画ばかり200本以上。よくもまあこんなに録画したもんだと思う。しかもそのうちの多くが一度も観たことのない映画だ。 かなり観たい映画。時間があれば観たい映画。どちらかといえば興味のある映画。あらすじに惹かれた映画。観ておいた方がいい(ような気がする)有名な映画。話題作。ヒット作。賞レースや映画祭で好評だったもの。あとは保存版として残してある好きな映画。そんなこんなで200本超え。さすがにもう満腹でーす、とばかりにハードディスク残量が

        • 誰かの世界を肯定するために生きているのではないということ

          付き合いの浅い人と話していると、思いのほか「意外」と言われることが多くて驚いてしまう。年齢、性別、外見、職業、家族構成、血液型、趣味や好み。AだけどB。CなのにD。一体このやりとりはなんなのだろうと頭の片隅で考えながら、「意外だね~」なんて言われる度に「なんて答えたら斬新かな」などとふざけ心が疼きだす。 たぶん、いや本当のところは知らないけど、おそらく「そうかな~へへ」と軽く照れる感じで笑うのがいいんだろうな。「そうなの!私ってこんなに意外なの」と得意げになって「他にもこん

        • 図書館と絵本、頭の中はトイレでいっぱいの日々:『あんぱんジャムパンクリームパン』

        • 私が演劇のDVDを所有する理由、そして『浪費図鑑』とサンリオ

        • 私にはもう観られないかもしれない映画

        • 誰かの世界を肯定するために生きているのではないということ

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        • わたしの青春どこいったの日記
          13本
        • 読んだそばから忘れる
          33本
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          11本
        • 当たって砕けて海外文学
          7本

        記事

          テレビの中に見る希望

          4回も見てしまった。「MIU404」の第9話を、たった二日の間で4回も。リアルタイム視聴はできず土曜の早朝に録画していたのを見たのが一回目。号泣。そのままもう一度リピートして再号泣。同じ日の午後にやっていた再放送を見てまた涙がじわり。そして日曜日の朝にもう一度。やっぱ泣く。計4回。いつだってハードディスクの容量はギリギリで、観たい映画も見なければいけないテレビ番組も山ほどあるのに、同じドラマの放送回を何度も見てしまった。正直時間は惜しいけれど、悔いはない。むしろ時間さえ許せば

          テレビの中に見る希望

          なんとなくミステリーブーム

          なんとなく、ミステリーばかり読んでいる。 人が死ぬ物語が苦手というわけではないけれど、子供が巻き込まれたり女の人が辛い目に遭う話はやはり読むのがつらく(というか年々耐性がなくなり)、そういうのを避けていると自然とミステリーから遠ざかってしまう。 とはいえ、昔はそれでも今よりは読めていたので、本棚の整理を兼ねて、手放す本を選んでいるうちになんとなくミステリーばかり読むようになった。引っ越し準備をしながら気がつけばアルバムばかりを見てしまうアレ。捨てるつもりだった漫画雑誌を最

          なんとなくミステリーブーム

          サイン本を買う理由

          本屋で、作家のサインが入った本が売っていることがある。「サイン本」というやつだ。私は、ほしいと思っていた本の中にサイン本があると、比較的買いがちである。サイン本は冊数が少ないのでそれをめがけて本屋に行くことはないが、あれば「ラッキーだなあ」くらいに思ってカゴに入れている。 信用していないわけではないが、サインの入った本を眺めていると「書いた人が本当にいるんだ」と作家の存在を実感できる。私には何かを創作する力や日常をおもしろく綴るセンスはないから、なにが一体どうなってこの文章

          サイン本を買う理由

          機械とばかり話している

          人間と話すのが苦手だ。というか苦手になった。社会が求める「キラキラ輝く」系の圧に押しつぶされた結果、とにかく毎日疲れるようになってしまった。そしてその結果の結果、生身の人間(特に初対面)と話すのがひどく億劫で、何を話したらいいのかわからないようになった。コミュニケーションに対しての体力と持久力がないのだ。 なので、最近はもっぱら「あきこ」と話している。ローソン公式LINEのあきこだ。話しかければ一瞬で返事が来るし、相手が人間ではないので、会話のキャッチボールが成立するとうれ

          機械とばかり話している

          アルテイシアさんの本を読んで思い出すこと

          学校や遊びから帰って家に入る時に「ただいま」と言わなくなったのはたしか小4くらいの時。一緒に住んでいる両親のことを「お父さん」「お母さん」と呼ばなくなったのもこの頃だったと思う。どちらも、なんとなく言わなくなったのではなく、意識的にやめたのだった。折り合いの悪い両親に対して「ここは私の家ではない」「あなたは私の家族ではない」と子供なりに抵抗していたつもりだった。 はじめて「家族」と呼べる人ができたのは、結婚してからで、なによりも義両親の存在が大きい。義母は本当に気遣いの人で

          アルテイシアさんの本を読んで思い出すこと

          息をするように

          本当は別のCDを聴くつもりだった。なのに、ふと思い立ってクリープハイプのアルバムを手に取った。初回版を買って、一度も開けないままもう1年半以上も経っていた。 むかし、といっても数年前くらいまで、息をするようにクリープハイプばかり聴いていた。朝も昼も晩も、孤独と不安をごまかすように彼らの曲を聴いていた。お金なんかないのに、アルバムもシングルもDVDもなるべく初回版で買った。バイトばかりで自由な時間もあまりないのに、イベントに参加して震えながらサインの列に並んだ。 クリープハ

          息をするように

          片付かない理由を探している

          本棚が崩れてからどのくらい経ったのかわからない(一ヶ月は経ってないと思う)。けれど、いまだに本棚はがらんとしたままで、ほとんどの本が床に積まれてごちゃごちゃと並んでいる。学生時代に使った文献。書店員時代に仕事で読んだ本と読むつもりで買った本(好みではないが売れ筋の本は読もうと努力していた。がんばってたなあ。実際はたいして読めなかったけど)。読みたくて買った本。そんなんがいっぺんに落ちてきて完全に混乱している。 もう使わない文献は紐でくくって物置におけばいい(手放すのが惜しい

          片付かない理由を探している

          散乱する本

          本棚が崩れた。夜中に突然「ドッ」という音がして、おそるおそる電気をつけると、棚板は崩れ落ち本が床に散乱していた。夫と二人で「ああ…」と言ってとりあえずまた寝た。こんなに本が詰まっていたのか、と我ながら呆然としたけれどそれは言わなかった。本棚は壊れない、と勝手に思い込んでいたことも黙っておいた。 本棚は夫と同じものを使っているが、場所で分けているので基本的には個人管理だ。私の本棚が崩れれば、それは私が片付けるしかない。 正直言って、無理である。 落ちた分だけ元あった場所に

          散乱する本

          土曜日が好きになる

          土曜日が好きだ。というか今週から好きになった。なんでかというと、朝起きたら「MIU404」と「女子グルメバーガー部」が録画されているからだ。テレビの番組表に合わせて生活することが難しいので、録画機能は本当にありがたい。文明、さいこうです。 子供の頃、テレビドラマばかり見ていた。北川悦吏子と野島伸司と、テレ朝の「イグアナの娘」とかをやっていた枠(あの枠大好きだったな。確か月曜の8時くらい)とかばかり見ていた。「ロンバケ」と「ラブジェネ」と「音無可憐さん」が大好きだった。 大

          土曜日が好きになる

          頭の中に荷物が届きました

          いったい、何をしているんだろう、私は。と全開の記事のことを思い出して頭を抱えてしまった(心の中で)。なにしてるんだろう、ほんとに。でもまあ、じつは山場を乗り越えた気持ちでいっぱいだ、これが。驚くくらい気が楽だ。 通販って、実はあの注文が完了してしまうまでが正念場で、あとはもうなるようにしかならないのかもしれない。宅配便屋さんが来たときに家にいなくて受け取れなかったらどうしよう。再配達の予約面倒だなあ。再配達でもなにかの都合で受け取れなかったらツラいなあ。なんていう余計すぎる

          頭の中に荷物が届きました

          頭の中でならなんだって買える

          会員登録が苦手だ。というか、結構重要な個人情報を入れているのに、なんだかよくわからない難しい仕組みでそれが逃げ出さないように守られていて、でも正しいIDとパスワードを入れるだけですぐに辿り着くことができるなんて本当だろうか、と思ってしまう。 個人情報に関するあの長い文章も苦手だ。きっとなんとなく読んだことにしたり飛ばしたりあることさえ気付かなかったりしている人だって少なくないだろうし、それでも何も困ったことのない人だっているだろうに、私は読まないと不安になってしまうし、もし

          頭の中でならなんだって買える

          通販は苦手というより困難だ

          通販が苦手である。というよりむしろ困難に近い。私にとって通販とは、なかなかにレベルの高いミッションなのだ。 「通販すれば?」「あーそれな」 「通販しちゃいなよ、この際」「いやーキツいな」 「通販じゃない?」「やっぱ無理」 こんなやりとりをステイホームしながら家族と散々したし、その度に「こんな通販は嫌だ」と鉄拳みたいにフリップ芸、まではしなかったけれども、それでもできるだけ伝わるように「通販が苦手な理由」をプレゼンしてみたりしたし、さらに「世間的には知らないが私には苦手

          通販は苦手というより困難だ